海外留学マスターコースの種類(MPhilとMSc)

先日学生から相談があって、海外大学のマスターコースには、MPhilとMScという2種類のプログラムがあるようだが、同じ修士号取れるのに何か違いがありますか?と。

確かにこういう区別をしている日本の大学が少ないので、最初はわかりにくいかもしれません。参考になるかと思って、ちょっとまとめてみました。
国際交流の仕事でよく連携している香港科技大学を例に説明します。

香港科技大学工学院では、主に2種類の学位が用意されています。
・研究型の学位:Master of Philosophy (MPhil) / Doctor of Philosophy (PhD)
・キャリアアップ型の学位:Master of Science

研究型の学位取得プログラム(MPhil)は、文字のとおり研究を中心とした学びの内容になります。通常のCourseworkとともに、自分で研究すること、論文の学会発表、修論の審査を受けることが必要です。ちなみに、給付型奨学金においては、研究型のほうがより多くの奨学金が提供され、学生にとっては獲得しやすいです。

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キャリアアップ型の学位取得プログラム(MSc)は、専門知識の学びを中心に、Courseworkが主な内容になっています。自分から自発的に研究するというより、教わる形(Taught)が多いです。多くの場合、論文を完成する必要がないが、デメリットは給付型奨学金がより少ないです。

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MPhilはなぜ比較的に給付型奨学金が多いかというと、研究中心なので、確実に研究成果を出すことが期待されるからです。学生とはいえ、研究成果は大学研究の全体において貢献することになるし、特別に優秀な学生は、その研究成果が大きな学会・学術誌で高評価され、場合によって企業との共同研究まで発展することになります。そうすると、大学全体にとっては研究力が評価されることにつながります。

MScは自分の学びが中心となるから、研究面で大学への貢献は少ないです。

給付型奨学金は返済義務がなくただもらうだけなので、学生側としてはもちろんたいへん喜ぶが、大学側にとってもメリットが図られることになります。Win-Winが一番理想的です。

以上、MPhilとMScについて、参考になれば幸いです。

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