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海外移住生活。カナダでBLSコースを受講してみた。(一次救命処置)

今回、数年ぶりにAEDやCPRなどを行うBLSコースを受講することになりました。

もちろんカナダでは初体験であり、ワクワクしながら修了することができました。

紹介文などで、既にご存知の方もいるかも知れませんが、僕は日本で数年間ER分野を中心に看護師をしていました。

なので、一般の方や医療スタッフへBLSを教える側であったり、更に高度な医療者向け救命処置を実践する側でもありました。

日本にいるときは臨床現場となるERでCPRは日常的な出来事であり、病棟内でも急変対応があれば出向くような経験もありました。

数年後には、救命処置を意識しなくてもできるくらい、食事のような感覚でライフスタイルとなっていた自分としては、今回の経験が色々とブラッシュアップする機会となり良い体験ができました。

若かりし頃。18時間ほどの夜勤後でしたが、まだまだ疲れ知らずでエナジーが残ってました。
日本の夜勤システムは、臨床現場に負担をかける脱法行為ですよね。
当時から制度破綻していて、政治家が大好きな法律の自己解釈のようでしたね。

自分の歴史(2010〜)のまとめ記事は、以下のとおりです。

今回BLSを受講する理由となったのは、
AHS(Albeta Health Services)】:カナダのアルバータ州を管轄する医療機関で仕事を始める際の必須要件となったからでした。AHSで働くまでの就職活動は以下の記事の通り。

今回Calgaryで受講したプログラム。

【今回BLSを受講した施設】

必須要件通りのコースをCalgaryで提供しているHPをブラウザ検索し、オンラインで予約を取り、受講先に向かいました。

今回利用したプログラムを提供してくれたグループは以下のリンクの【St Mark James Training】 - First Aid and CPR Courses and Recertifications in Calgaryでした。

今回のプログラム費用は、全て実費でした。

しかしBLS関連はカナダで仕事をする際にマネージメントするポジションだと必須のプログラムだったりするので、今後とも活かせる体験だなと思い、不満どころかポジティブな気持ちで受講しました。

日付も選択肢が多く、Calgary市内で数か所実施しているので好きな場所が選択できました。

僕の知る限り、カナダのホテルやレストランなどHospitality関連でsupervisorやManagerになると、安全管理の一環でfirst aid 関連を定期的に受講するようになります。

2015年頃に日本にあったAEDの実物写真。
自分の写真フォルダにあった懐かしい一枚。
日本光電製

【カナダでBLSを受講してみた第一印象と感想。】

実際に半日ほどの講習を受けてみて思ったことは色々ありました。最後の知識確認のテストまで一通り体験して、第一印象から日本とスタイルが違いました。

僕が経験した日本でのBLSコースは、一次救命処置と言われる実践的な部分にフォーカスしていました。

また、他のAdvancedの救命処置コースと区別して行われていましたし、内容がコースの名の通りにBasicでした。

一方で、今回のCalgaryで受講したBLSのプログラムでは、EMS(救命救急士)やRN(正看護師)の方が学ぶAdvancedコースと同時進行で行いました。

なので貸与されたテキストブックには、中毒、熱傷や骨折など一般的なBLSで関与しないであろう内容まで記されていました。

Chapterの数を見た際、本当にBLSが半日コースの完了できるのか疑いました。
後にAdvancedの2日コースと共有教材といういうことを知りました。

講習では、【良きサマリア人の法】について学んだり、日本と同様のことが序章として説明され懐かしい内容もありました。


【初心者、英語第二言語者泣かせのテキストブック】

【英語が第二言語】かつ【人生でBLSコースの初体験者】だと、このテキストを読むだけで挫折したくなるかもしれません。

数年ぶりにBLSに触れる自分ですが、コースでは、日本の教材にあるカタカナ英語や略語だけでなく、今まで海外生活で知らない英単語や表現方法も多く、少し戸惑いました。

受講中にBLSプログラムで学ぶChapterの範囲が知らされていないので、今までの移住経験や看護師時代の知識をフル活用して読みました。

講習では、最後に知識確認テストがあることは知らされていたので、心のなかで事前学習がしとけばよかったと思いつつ、全体を受講中のスキマ時間に一気に流し読みをしました。

時々、講師から質問されるので、読みふけって聞き逃してしまい、答えが即答できず焦りました。

日本のBLS講習などで使うキレイなモデル達。
自分が用意して講習していた時の写真。

【BLS講習で使用するモデルの破損】

日本のBLS講習が提供される機会だと、まず高額購入品であるモデル人形が大量に用意されます。

今回のBLSプログラムでも数は用意されていましたが、いくつかは一部破損や壊れているモデルも有りました。
ボロボロになったモデルの外見は、突然意識消失した実際の患者(負傷者)のような感じでありリアルでした。

実践に向けて練習するだけなので、多少の使い古されたモデルでも全然構わないと言えば、構わない点であります。
本当に大事なのは、経験してBLSを現場で躊躇なく正確に活用する事です。

【BLSのプログラムの内容】

僕の経験した日本で学んだBLS講習は、一次救命処置のアルゴリズムを一通り学んで、実践を重きに置いていたかなと思います。

JRCよりアルゴリズムを引用
医療者が大好きな救命処置の団体。

一方で、2017年頃まで日本で自主的に学んだ内容より、今回のカナダでのワークショップは、座学に時間のウェイトを置いているよう感じでした。

プログラムでは、医療者が収集する救命処置で大事なSAMPLEのことやMOI(Mechanism of Injury)、5R(服薬、投薬内容の確認)というアセスメント要素を結構講習内で組み込んでいました。

SはSign:症状、AはAllergy:アレルギー、MはMedication:通院歴、PはPast medical history:既往歴、LはLast Meat:最終食事時間、EはEvent:出来事

911(カナダの緊急用回線)での的確な情報の申し送り方(話し始める内容、情報の提供する順番や方法)まで学べるのは面白かったです。

bystandarである時からEMSに引き継ぐまでの間に、できる事を一通りしっかり学ぶので、為になります。

席が隣同士の受講者とトレーニングの一環で数分間やり取りをしましたが、CLBのスピーキングテスト以来久しぶりのガッツリ英語でアタフタしてました。隣の人には申し訳なかったです。

日本の医療者向けのBLS講習で、ここまで言及することがあったかなと思いつつ、久しぶりの医療的な分野の学びでもあり、この辺りは楽しみながら聴いていました。

傷病者の脊髄損傷の疑いについて深く考察するあたりやPrimary, Secondary Surveyという言葉を聞くとERで日常的に実践していた外傷初期診療を思い出しました。

記載内容は、日本で経験があれば日常的な内容なので問題ないはずですが、久しぶりだったことや更にテストのこともあるので、内容の精読が必須です

プログラム対象が医療者向けとはいえ、アドバンスの知識が結構混ざっており、学びごたえのある内容でした。

市民向けと違う【有料】ワークショップは、現在僕が働くAHSのポジションのネイティブ英語話者であるカナダ人であったとしても、初見だと理解がまあまあ難しい内容だったと思います。

最近、このコースが僕のポジションでも取得必須要件となりました。僕より先に入職している古株スタッフはBLSの受講経験がありません。

【今回受講したプログラムBLSのまとめ】


BLSや医療に全く興味がない人や初心者がCPR
を学ぶなら、医療者向けでなく市民向けのワークショップもあるそうなので、そちらをオススメします。

英語関連の語学学校の時のように自分では使わない言い回しや単語選択もあって、言語という点でも今回のワークショップを楽しめたかなと思います。

インストラクターの方は、パキスタン系の移民の方で発音や抑揚、スピードでストロングアクセントの特徴ありの方でした。

ユーモアを交えつつキーワードを何度も伝えてくれており、実際にテストのポイントでもありました。
因みに自分もアジア系のストロングアクセントなので、似たモノ同士でもあります。

初めてオーストラリアへ出向いた頃の自分だったら、絶対に受講途中で挫折してたなと思いつつ聴いてました。笑

上記のビデオと似たような雰囲気でした。
CPR用のモデルが日本の講習会のように新品や美品な点を除いてですが。笑


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