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振り返り味わうことの重要性

「先生,そんなことおぼえていないよ」

今、生活科の時間に
8年間の人生を振り返り,おうちの人に感謝を伝える
学習をしている。

その授業中にでた一言。

その子は,昨年の体育発表会でしたことを
覚えていなかった。

昔のことを忘れていたのは
その子だけではなかった。


『今を懸命に生きている子どもたちだ』


といえば聞こえはいいかもしれない。

しかし,これがどんどん積み重なると
「なんかいそがしかったけど,何したか覚えていない」
なんてことになりかねない。

なぜ,このようなことが起こってしまうのだろう。

ポイントは振り返りにある。


1 行事をこなすだけの学校・家庭

学校現場は忙しい。

行事に行事また行事。
学ばなければいけない内容もたくさんある。

もちろん先生も忙しいが
子どもも忙しい。
先生・子どもだけでなく親も忙しい。

これだけ忙しいと何が起こるのだろうか。

したことを振り返り味わう時間をもつことができない。

これは大問題である。

○せっかく時間と労力かけてしたのに終わったら何も残らない
○どんどん新しいことがきて昔のことはちっとも無くなる

こんなことでいいのだろうか?

振り返り味わう余白をつくらずに
新しいことをどんどんすることに偏ってしまうのは
果たして意味があるのだろうか。

超高級海鮮丼を超特急の早食いをしたら
海鮮丼を食べたといういう事実しか残らない。

濃厚なウニ・プリプリした車海老
あぶらののったサーモン・肉厚のタラバガニ

これらをゆっくり味わって食べて
「あのカニむっちゃ美味かったよな」と
仲間と話し,振り返り味わうからこそ
超高級海鮮丼を食べる価値があると僕は思う。


2 ぼくたちの日常生活

子どもができていないということは
大人ができていないということである。

振り返り味わうことの大切さに意識が向いてないからである。

教員で言うと
コロナ対応・保護者対応・教材研究・行事の準備など
してきたことを振り返り味わう時間をもつことは
意識を向けなければできない。

でも,意識を向けて
振り返り味わう価値はものすごくある。

僕は,振り返りの重要性を感じ
少しの時間ではあるが1日を振り返る時間を
できるだけとっている。

振り返ることで

○せっかく時間と労力をかけた事を自分の鮮明な経験にできる
○自分のしたことが積み上がり自信につながる
○次へのステップを見出すことができる  など

良いことしかない。


慣れるまでは大変である。

しかし,振り返り味わうことができれば
実際に経験し,そして経験を思い起こすことができるので
ひとつのことを二度味わうことができる。

つまり,経験が2倍になる。

でも,振り返り味わわなければ
忘れてしまうので0になる。

あなたは,どちらを選びますか?


3 教員としてできること

まずは,自分自身がその1日や行事であったことを
振り返り味わう経験が必要だ。

振り返り味わうことの必要性や重要性を感じたら
どうやったら現場で子どもに行事を振り返り味わってもらうことが
できるか考えることができる。

僕は,振り返りの大切さを感じてから
子どもに振り返り味わって欲しい行事には
行事で楽しかったこと,頑張ったこと,乗り越えたことを
まとめて動画にしている。

方法はさまざまである。

教師自身に,子どもたちにあった
振り返り味わう方法がきっとあるはずだ。


僕は,超高級海鮮丼をみんなでゆっくり味わい
みんなで「おいしかったね」と思いを共有し振り返り味わう。

そんな教育のできる人でありたい。

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