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将棋についての自分なりの考察【天才型、秀才型とは】

何年振りかの将棋

年末年始、暇を持て余して家にあった将棋盤を持ち出して父親と将棋を指すことになった。

そもそもどうしてそうなったのかというと、まずクイーンズギャンビットにハマり、チェスを始めた僕が、暇さえあればチェスの対戦ゲームをやってるのをみて、「チェスはできないけど将棋ならできるけどやるか?」と父親に声をかけられたのがきっかけ。

僕は将棋に関しては、小学生の頃にルールを学び、祖父や父親を相手に特に何も理論を学ばず、適当に直感で対戦していたのだが、それ以来ほぼ触れずに大人になったため、正直基本のキの字すら分かっていない。

久しぶりに将棋を指すが、「まあ昔よりも頭良くなってるし、やってみれば勝てるっしょ!」みたいな感じで調子に乗っていた僕は、とりあえず父親と対戦してみるも見事に惨敗。守り方も分からなければ攻め方も分からない。
手も足も出ずやられてしまった。

さすがにこのまま負けて終わるのは、悔しいし東大生の名が廃る。
ということで、少し基本となる部分を学び、もう一度再戦することにした。
父親がお風呂から上がる30分の間になんとか形にしたいと、ネットの記事を読み漁った。

そして再戦。
今度は、相手の攻撃をちゃんと受け止め、相手の攻撃の手が止まった隙に攻めに転じ、詰みまであと一歩というところまで来たが詰めきれず、逆に詰められ、惜しくも負けてしまった。
しかし、先程の惨敗した対局とは違い、相手を追い詰め、勝利まであと一歩のところまで近づいた。

将棋の理論を学ぶ

たった30分の学びが将棋の上達に繋がったということである。
以下、具体的にどのようなことを学んだのか、そしてそれが一般的にどのような示唆を与えるのかということについて書いていきたいと思う。

まず、30分間の間に何を学んだのかということについて。
それは一言で言うと、「傾向と対策」である。
「傾向と対策」というと、受験などの際によく聞くフレーズであるが、これは様々なスポーツやゲームに応用可能だ。
①傾向、②対策の二つに分けて考える。

①傾向
相手がどのような手を使ってくるのか、ということが分からない限り対策の立てようがない。まずは相手の戦術を理解することが一番重要である。
今回の将棋の場合、父親は「棒銀」という戦法で攻めたと教えてくれたので、傾向の分析はすぐ終わった。

②対策
相手の戦術が分かったため、「棒銀 対策」で検索すると将棋サイトがたくさんひっかかった。
その中で一つをしっかり読み、棒銀の対策には、三間飛車が効果的であることが分かった。
しっかり三間飛車のやり方を学び、それに付随して、囲い(守備の隊形のこと)も理解する必要があったため、しっかりと読み込んだ。

傾向と対策を学ぶ時に意識していたことは、戦法を丸暗記せず、理解することである。
大体の将棋の守りの形は決まっていて、それを動かす順番なども大体決まっている。
その形さえ覚えれば雰囲気は形になるが、それでは攻め込まれ守りが崩された際に復旧が難しくなる。
なぜこのような形の守りになっていて、なぜこのような配置だと相手の攻めから守り切れるのかということを理解しておくと、その考え方を参考に崩された守りを復旧することができる。

今回の敗因の原因となった、詰めの部分での甘さについてであるが、完全に勉強不足と練習不足である。
まだ未勉強だが、将棋には詰めのパターンがいくつかあり、その定石を学ぶことによって詰め方を理解することが可能だと感じた。
さらに詰将棋という、詰め方を練習するための遊びがあるため、それを練習することで、様々な詰めのパターンを体に叩き込むことができる。

このような形で詰め方を理解し、あと何種類かの囲いの形を理解すれば、将棋の基礎は身につきそうだなと実感できた。
次の帰省の際にはもう少しレベルアップしていたいので、詰将棋や、将棋の理論などを勉強していきたいと思う。

将棋やってみて思ったこと。

世の中には2種類の成功者のパターンがあると思ってる。
「天才型」と「秀才型」。

天才型について。
クイーンズギャンビットのベスは直感型と作中でも言われていて、用務員の人からチェスのやり方を見よう見まねで学び、なにかを教えられるのではなく、実践を通して強くなっていく。
「天才型」はいわゆる直感型で、ある程度のルールさえ理解すればあとは持ち前の頭の良さで一般人が理解できない領域まで進むことができる。

一方秀才型は、まず頭で強くなる方法を学ぶ。師匠のような人から教えてもらったり、自分で参考書などを読み漁ったりして、どちらかというと血の滲むような努力と時間をかけることにより、天才型にも負けないような強さを手に入れる。

東大生もこのような感じで2種類の人間に分かれている。
天才型で、幼少期からあんまり勉強しなくても成績が良く、難なく東大に受かってきた人たちだ。現役で東大に入り、灘や筑駒などの高校に多いイメージ。
もう一方は秀才型で、東大に受かるために努力と多くの時間を要したパターン。勉強法の理解から、参考書などを読み込み、ゴールに向けてやるべきことを理解し、淡々と目標に向けて努力していける人が多い。地方の進学校や、公立高校の秀才が多く、浪人生の大半はこっちだ。

僕も努力型で東大に受かった人間で、他の天才型の東大生と比べると地頭もそんな良くないと自覚しているし、東大に受かるために高校時代浪人時代かなり勉強していた。

努力は裏切らないという言葉は不正確だ。
正しい場所で正しい方向で十分な量なされた努力は裏切らない。

これは林修先生の名言だが、これは正しいと思う。特に重要なのは、正しい方向という部分。
今してる努力が、目標達成に貢献しているのか、ということは受験期には常に考えていた。

自分が何かを成し遂げたい時、どの道が一番高みへ行ける道なのか、ということを分かっていることは、それだけでも大きな強みとなる。
方向性さえあっていれば、その道の先にはきっと成功が見えてくる。

受験であっても、将棋であっても、自分は天才タイプではなく、秀才タイプで、理論的な部分を理解することから始めるのが上達のための一番近道であるということを改めて理解した年末年始でした。

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