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職場の緊張を解きほぐす!コンフリクト特定のステップ

こんにちは、心理カウンセラー(公認心理師)の高牟禮(たかむれ)です。

職場でのコンフリクトへの取り組みは、非常に困難でエネルギーを使う作業です。その負担を軽減するためには、コンフリクトの発見が早ければ早いほど良いです。また状況が複雑であっても、何が起きているか、細かく把握することで、解決の道筋が見えてきます。
 
この記事ではコンフリクト特定のステップを、詳しくお伝えします。このアプローチは、管理者がコンフリクト解決の一助として用いるだけのものではありません。多くの方にとって、状況を理解することで、ご自身のストレス軽減に役立ちます。

コンフリクトのサインに敏感になる:

職員の雰囲気や同僚の態度から、問題の兆候を察知できると、早期対応が可能になります。例えば、職場で同僚たちの表情が険しくなったり、会話が減ったといった変化にアンテナを立てておくことです。

情報収集

同僚や上司からの情報を集め、問題の規模や影響範囲を把握していきますう。問題の規模や影響範囲を把握することは、適切な対処法を見出すための土台となります。

状況の記録

例えば、「部署Aと部署Bの間で、プロジェクトの進捗が遅れている」「互いに非難の言葉が投げかけられている」といった状況を文書化し、詳細を把握することが役立ちます。問題の進行状況を追跡し、解決策を考える上での基盤となります。

タイミングの確認

コンフリクトがいつ始まったか、というタイミングの把握は、とても大切です。問題が長引くと、さまざまな事象が絡み合い、全体像が見えなくなりがち。そんな時、きっかけとなる出来事に立ち戻ると、背景や要因を理解する助けになります。

関係者の関与度や感情の評価

関係者の関与度

例えば、部署Aのマネージャーがプロジェクトの進捗に強く関与しており、部署Bのメンバーとのコミュニケーションに問題があることがわかったとします。対応を検討する上で、非常に有益な情報となります。

関係者の感情や懸念

その場合、部署Bのメンバーが、部署Aのマネージャーから過剰なプレッシャーを感じ「自分たちの意見が無視されている」と感じているかもしれません。また部署Aのマネージャーは、同じ部署のメンバーと対立はないものの存在感が薄く、その苛立ちを部署Bにぶつけているのかもしれません。
あるいは元々高圧的な人で、部署Aと部署B、両メンバーが圧迫されていることもあり得ます。問題解決のための戦略は、前者と後者で全然違ったものになります。慎重に情報を集め、きめ細かく対応する必要があります。

影響の評価

個人

コンフリクトが関係者にとってストレスとなり、仕事のパフォーマンスや人間界に、どのような影響を与えているかリサーチします。これを踏まえ、個々の心理的なサポートやストレス緩和の取り組みを行います。

組織

コンフリクトが部署間の連携を損ない、組織全体の生産性や雰囲気に悪影響を与えているかどうか見極めます。この情報をもとに、組織全体のコミュニケーション改善や、関係修復のための取り組みが必要なこともあります。

コンフリクトの分析

コンフリクトの構造

コンフリクトが部署間の対立が主な要素とわかったら、さらに分析を進めます。例えば、部署Aと部署Bの組織構造の違いが摩擦の原因かもしれません。部署Aと部署B、それぞれ内部でも大きなコンフリクトがあるケースも。マネージャーとメンバーのコンフリクト。メンバー同士のメンバーのコンフリクト。あるメンバーがトラブルメーカーなっていて、その皺寄せでさまざまなコンフリクトが、ビリヤードのように連鎖するケースもあります。こういった構造分析は、コンフリクトの緩和の助けになります。

コンフリクトの段階

この対立が初期段階であれば、適切な対処が行われればエスカレートすることを防ぐことができます。問題が拡大する前に、解決に向けた取り組みを開始できます。もし長引き慢性化しているのであれば、メンタルケアを行いつつ分析を進め、解決の手がかりを探っていくことになります。

原因の特定

直接的な原因

表面上の原因、例えば「部署Aのマネージャーが部署Bのメンバーに対し過剰なプレッシャーをかけている」といった事象を特定し、この情報をもとに具体的な改善策を検討します。

根本原因

表面的な原因に焦点を当てるだけだと、一旦解決したように見えても、問題が再燃することも多いです。変化を定着させるには、根本的な原因を特定し対処することが大切です。例えば、部署Aと部署Bの間に、長年コミュニケーション不足や期待値のズレが存在するのかもしれません。こういった要素を把握することで、持続可能な解決策を見つけやすくなります。

以上の説明文を通じて、コンフリクトの特定ステップがより理解しやすくなり、現実の職場状況に応用しやすくなることが期待できます。

まとめ

職場でのコンフリクトが起きた時、問題のサインを早期に察知し、情報収集や状況評価を行い、背景や原因を把握することが重要です。さらに、関係者の関与度や感情を評価し、個人と組織への影響を考慮していくことも不可欠。もしこのようなコンフリクトに対する精査なく、いきなり解決策を打ち出しても、成果を出すことは困難ですし、かえって緊張を高めてしまうこともあります。まずはコンフリクトを特定し、それに基づいた対応策を進めていくことが大切です。

このページの写真は、4月10日(月)に
高牟禮(たかむれ)がウォーキング中に撮ったものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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