見出し画像

森林学修士課程で取得した単位:ゲッティンゲン大学

先週までで長かったコースワークがすべて終了。2011年9月から3学期間、90単位分の授業や演習を受講しました。

学部の専攻が森林学でなかった学生も多いので(僕もそう)、基礎から教えてもらえるものが多かった。当然、修士課程のレベルまで教えるわけなので、どの講義も中身は充実していたように思う。また、カバーしている分野もかなり幅広い。これでも森林科学の全体をカバーしているとは言えないが、Sustainable Nature and Forest Management というプログラム名だけあって、森林もしくは自然環境のマネジメントを学ぶ上で必要最小限の分野は習得できたかな、というのが率直な感想。

ゲッティンゲン大学で取得できた単位は以下の通り。

◎Joint summer module
10日間、北ウェールズのバンゴール大学(Bangor University)で、北ウェールズにおける自然保護と森林管理の現状について学んだ。もっとも、森林被覆率は10%台(それでも50年前に比べると相当に増えている)なので、生産を目的とした森林はほとんどなかった。後、毎日雨でうんざりしたこと、食べ物がいまいちだったことも印象深い。

◎Forest resource inventory techniques
森林計測学の講義。樹木のヘクタールあたりの断面積や高さをどのように推定するのかを学んだり、その推定の基礎となる調査対象区域をどうやって設定したりするのか(サンプリング方法)を学んだ。会社経営でいうところの在庫管理の手法。地味な分野だけど、ここでの知識がかなり役に立っている。ほとんど忘れていた統計学のいい復習になった。

◎Forestry in Germany
3泊4日のバス旅行。ゲッティンゲン・ハンブルク・ブレーメンのあるニーダーザクセン州のいくつかの森と自然環境の保全に力を入れている場所を回った。エルベ川の河岸やリューネベルクハイデという湿地帯など。

◎International Forest Economics
経済学と政策学のふたつに分かれていた。以前は農業経済学専攻だったので、前者は苦労しなかったけど、後者は結局ポイントがつかめぬまま。成績も後者が足を引っ張ったようでいまいち。。。

◎Non-timber Forest Products and Wildlife Management
個人的には、一番面白かった講義。前者については現在の研究テーマと結びついている。後者は、動物に対して大して興味のなかった僕でも面白かった。特に、野生動物の管理というのはホットトピックだから、関心のある方はゲッティンゲン大学に留学してみては。とても面倒見の良い若手の准教授が居ます。

◎Project Planning, Management and Evaluation
アメリカから短期のvisiting professorとして来ていた教官による集中講義。英語ネイティブの教官による授業は初めてで、しかも独特のアクセントや言い回しが多く、聞き取りにとても苦労した。

◎Remote Sensing and GIS - advanced case studies
◎Remote Sensing Image Processing with Open Source Software
リモートセンシングやGISというのはこの分野では習得が必須になっているようで、唯一、2セメスターに渡っての授業に。とても関心があったのだけど、成績はぱっとせず。電磁気学やプログラミングの知識がなかったからなのか、そもそも向いていないのかは分からないけど、時間をかけて勉強したわりには、GISやリモートセンシングについては、話を聞けばなんとなくわかる、というレベルにとどまってます。


オリジナル記事公開日:2013年1月25日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?