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時代を読むフランス語メモ【5】

夏のバカンスシーズンが近づき、フランスではコロナウイルス感染の危機管理として、国境をどこまで開けるのかに注目が集まっています。

今日ご紹介するのは旅行者にとって気になるこの言葉です。

quatorzaine

この単語はコロナウイルス感染拡大に伴って市民権を得たものの一つで、外国から来た旅行者や自国民の「検疫、隔離」を意味する言葉です。

コロナ以前に「検疫、隔離」というと一般的に使われていたのは「quarantaine」という言葉です。

「約40」という意味ですが、昔は伝染病の感染が広がっていた場所から人間や貨物などが来た場合、40日くらい隔離していたことから「検疫、隔離」という意味でも使われるようになりました。

今回の「quatorzaine」は40ではなく14、つまり「quatorze」から来ています。これはコロナウイルスの潜伏期間が1〜14日くらいなので、ウイルスが流行中である国から入国した場合は14日の隔離が必要だというところから生まれた言葉です。

最近ではすっかりお馴染みの言葉ですが、流行の初期の頃は、「quarantaine、あ、違う、quatorzaineだ」みたいな感じで言い直している人をニュースでよく見かけました。言いたいことは伝わりますが、14日と40日では大きな違いですからね。

では、一つ例文をどうぞ。

Coronavirus : la Grande-Bretagne impose la quatorzaine (La Dépêche du Midi)

これは、イギリスでは6月8日より国外から来た旅行者や自国民には14日間の隔離義務を課すという内容の記事の見出しです。イギリスとフランスは陸路はユーロスターでつながっていますが、イギリスのこの政策には賛否両論です。

特に観光業への影響は不可避で、今後の対応に注目が集まっています。

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