尾原和啓さんの「あえて数字からおりる働き方」を読んでみた。

冒頭で「これからは個人で生き残っていかなくてはならない」という言葉からこの本は始まる。
読み進めていくうちに「あえて数字を追う世界からおりることで意味のある自分を見つける」と書かれていて私の勘違いに気付かされた。
「数字からおりる」とは数字をベースにして働く方法ではなくて数字なんか気にせずに働く方法という意味だった。
正直、銭ゲバになっている自分が恥ずかしかったのであえて言葉にした。そう、数字を追っていたらこれからの時代を生きていけない。頭では分かっていたけれど、本質を理解していなかったのかもしれない。反省した。そのことを本書8ページ目にして思い知らされた。
どこのどなたか存じませんが恐るべき尾原さん。

「遠くの人とつながって、変化に対応する」というタイトルがあり、その通りだと感じる。SNSにより物理的な距離の遠い人とも繋がれるようになったし、職業や年齢の離れた人とも繋がれるようになった。
この2種類の「遠くの人」と繋がれることでどのような変化も対応できると思う。それくらい世の中の変化が早く予期せぬことが次々と起こってきている。

最近、私も色々な人と会うことや誰かを紹介することも増えてきた。その時々でこの人はこの人と会うだろうなとか会わせてみたいと無意識に考えていることがある。実際にマッチングさせたりすることを本書では「ノールックパス」と言っている。たしかにその通りかもしれない。〇〇さんの紹介なら是非是非!みたいなやつ。
どのようなつながりであっても信頼関係が大切になってくる。その関係の中では「何をしても低コスト」

そしてつながりを作ったり広めるために「ギブが大切」そのギブが相手に求められているギブにするために相手の傾向を3軸で考えるらしい。その3軸とは「論理型か感情型」「新規型か権威型」「トレンド型かタイムレス型」
ものすごく考えられている3軸だと思うし、ギブするときの考え方以外にもビジネスや遊びなど様々なタイミングで使える考え方だと思う。

「与える人が一番学べる」この章の中に相手の視点を知ることが実は一番役に立つという言葉がある。この言葉が出てくる時点で素敵でしかないし、人生の大多数の悩みが解決できるのではないだろうか。
自分が中心の考え方には限界があるし、絶対に相手の考えや行動は理解できない。しかし「相手の視点」にさえ入れれば何も悩む必要がない。ちなみに伝えとくが悩みがなくなるだけで受け入れなくてもいいし自分と合わなければ付き合わなければいい。ただ知る前に毛嫌いするのは違うと思う。知った上で嫌いになればいい。

「名刺交換から始まらない」過去の出会い方は名刺交換や自己紹介から始まることしかなかったがこれからは名刺交換や自己紹介をする前に相手の情報や発信を知ることができるので相手に知られる前に付き合いたいか付き合いたくないかの判断ができる。
日本人にはとても素敵な時代になったのだろう。そして私の率直な意見を伝えるとそれだけ人間として弱くなったとも感じられる。
だからこそ「お互い様で人間関係を更新していく」必要が出てきたのだろう。どういうことかというと本書にも書いてあるが「いいお願い」「いい質問」の関係性を気づけているかという言葉。いい質問とは質問された側ですらインプットできてしまうような質問のこと。この関係を様々なところで更新できれば人間関係が円滑にいく。
また人間は情報を受け取るとき「自分にとって優先的なものばかりを捉える」と書かれているがその通りでしかない。自分のアンテナは自分で設定している。自分か意識できないことには反応できない体質になっている。だから世の中には同じ情報が飛び回っているのに得られる情報に偏りが出てしまう。
更に自分視点の考え方が書かれた上で相手との付き合い方も書かれている。それは何かというと相手によって抽象度の上げ下げして付き合うことが大切だということ。

「ライフワーク」「ライスワーク」の説明なんかはすごく面白いたとえなので本書を読んでいただきたい。

人間関係をついた素晴らしい言葉だ。相手が変わらないんだから自分が変わればいい。とか、相手によって適度な距離を取ろうとかいう言葉を一言で表している。たぶんこの本が一番言いたいことなのではないかと考えさせられる。
「相手の評価を1番に受けてしまう数字からおりてすべてのことを考えてみよう」「自分本位でもいいじゃないか」というメッセージを伝えたかったのではないのか。

それだけ現代人は他人の目に縛られていて自分の人生を窮屈に生きている。だからこそもっともっと自分のために生きようというメッセージが・・・。そして共感がすごい。

この本書も私のベスト5に入るくらいのオススメの本だ。
もし書店で見かけたら手にとってほしい。

これ以上言うことがないので本書を手にとってほしい。
まつでした。またね。

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