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メールだからこそ、時間をかけて

Harvard Business Review から「メールだからこそ、時間をかけて質の高い文章を送るべきだ」。リモートワークやデジタルコミュニケーションの浸透によって、より高いコミュニケーション能力が求められています。
本稿は、「文字によるコミュニケーション」の精度を高める必要性についての論考です。

これまで、オフィスでお互いに向かい合って行なっていたやり取りの大半は、オンラインコミュニケーションではなく、むしろメールやテキストメッセージ、インスタントメッセージのような、文字として書かれた形で交わされるようになりました。「相手の話を聞く」というかつての行為は、「画面上の文字を読む」という行為に代わったのです。
また書類は全て画面上で読み、以前のようにプリントアウトすることはなくなりました。

筆者は、画面上で読むと紙に印刷されたものを読む時よりも理解度が下がる、とし、きちんと読むために必要な時間をかけずに返信すると、そこから始まるやりとりもまた、不完全で無意味なものになりかねないと警鐘を鳴らしています。それに加え、素早く行動することやそこから生まれる不安によって正確さや明確さ、相手への敬意などが疎かになってしまうことについても注意が必要だと述べています。

ビジネスの場では、「メールに時間をかけない」「文字数を減らす」ことが美徳であるかのような風潮がありますが、気軽に顔と顔を合わせて会話を行なうことができない今、内容や感情を齟齬なく相手に伝えるためには、充分な時間をかけて作文・遂行し、ちょっとした配慮の効いた一文を敢えて添えた文章を送ることが、結果として意思疎通や議論を円滑で効率的なものにするのではないでしょうか。

余計な前置き(お世話になっております等)が不要なチャットであっても、内容やニュアンスを正確に伝える文章力が不要なわけではありません。
デジタル化が進めば進むほど、人間にはより高度な言語能力が求められるようになる、というのもデジタル社会の一つの側面と言えるのではないでしょうか。


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