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ヤマセミの歌

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ヤマセミの研究者 神保賢一路が著書で書ききれなかったヤマセミの調査の体験記。 1979年の春から始めたヤマセミ観察調査中に出会う、リアルな野生動植物の様子を交えながら、綴ります。… もっと読む
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記事一覧

ヤマセミの歌 19 巣立ち

44年なんてあっという間。 観察当初、初めて声を掛けてくださった方。お孫さんが2人。小学…

ヤマセミの歌18 ヤマセミが山を降りない理由ってこれ?

カワセミたちは都市公園などの池などで一年中見られるがヤマセミは山の渓流から街の中に降りて…

ヤマセミの歌 17 ヤマセミ元気かな〜

緊張とストレス ヤマセミの飼育は命を預かる覚悟が必要だった。 何羽ものヤマセミの飼育を行…

ヤマセミの歌 その16「ヤマセミ、リーゼントヘアーのお手入れ」

野鳥たちにとって羽の手入れは欠かせない。 365日の野外生活。雨、雪の中でも体温を一定に…

ヤマセミの歌 その15 「ペリットで出すから丸呑みしちゃう」

ヤマセミは魚などを丸呑み。骨も鱗もぜ〜ぶ一緒に。 消化出来なかった骨などを定期的にパック…

ヤマセミの歌 その14「ヤマセミもアクビぐらいしたいよね」

学者さんが「鳥類はあくびはしない」と言われていた。野外での観察中は確かに「あくび」だと言…

ヤマセミの歌 その13「お刺身も大好きだったヤマセミ」

無理矢理に口をあけて魚を押し込む強制給餌はヤマセミもこちらもしんどい。強制給餌では本来の体重360グラムに達しない。毎回、人間に捕まれるストレスもある。早く自分の力で魚を食べさせたい。強制給餌から自力採餌に切り替えのには絶食が欠かせない。慎重に2日間の絶食に入る。お腹がペコペコ状態にして、水槽からすくい上げた魚を投げ入れる。食べた〜‼️ ここからが大変だった。1日15匹をペロリ。しばらくのリハビリーのあと、保護された場所で野生に戻すので、魚の調達もヤマセミを放す場所で行う。

ヤマセミの歌 その12 「ドジョウを食べて元気になったヤマセミ」

まずは自分が落ち着こう 保護され飼育依頼されたヤマセミ。試行錯誤の連続だった。 いきなり…

ヤマセミの歌 その11「厳しい現実」

ヤマセミたちの主食 魚を主食としているヤマセミ。活動する場所や時間が限られていること。警…

ヤマセミの歌 その10「巣立ち」

明る〜い。 まぶし〜いよいよ巣立ち 子供たちの巣立ちは日の出前から始まる。初めて見る世界…

ヤマセミの歌 その9「梅雨」

料理の達人 子供たちのために捕らえた魚は与える前に念入りにたたく。これが本当のタタキかも…

ヤマセミの歌 その8 「オスと子育て」

5月の終わり 6月も近い。田植えが始まる頃となるとヤマセミの子供たちの食欲も旺盛になって…

ヤマセミの歌 その7「孵化」

卵は冷やしましょう 1979年から現在(2023年)までに抱卵→子育て→巣立ちまするまで…

ヤマセミの歌 その6「プロポーズ」

長い鬼ごっこ  巣穴掘りの始まりは3月20日ごろ。その前に大切な儀式がある。ポロポーズ大作戦(むかし、そんな番組があったけ)。最初は短距離走のような鬼ごっこが2月から。鬼役はオス。2羽のヤマセミがツバメが低空を飛ぶように飛行する。疲れると一休み。先に疲れ止まり場で休憩に入るのは彼女だ。鬼ごっこはほぼ1週間続く。 ケケケケの舞 次第に彼女の態度が変わってくる。甘え上手でもあるが厳しい要求もするようになる。2羽で行う踊りは感動もの。 一方が翼を開き「ケケケケケ」と鳴きなが