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ヤマセミの歌

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ヤマセミの研究者 神保賢一路が著書で書ききれなかったヤマセミの調査の体験記。 1979年の春から始めたヤマセミ観察調査中に出会う、リアルな野生動植物の様子を交えながら、綴ります。…
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ヤマセミの歌 その1「夜明け前」

 1979年の春から始めたヤマセミ観察。出勤前にちょこっと見ては職場に遅れないように観…

ヤマセミの歌 その2「夜明け」

 丸腰のヤマセミ観察は約3年間続けた。「丸腰」とはちょっと表現がえげつないがヤマセミの…

ヤマセミの歌 その3「キタキリ雀と森の動物たち」

ヤマセミが危険を感じたときの身の隠し方、安心しているときの様子、雨の日と好天の日の魚の捕…

ヤマセミの歌 その4「3年が過ぎて」

参考までに 「カメラレンズついてはど素人だが135ミリレンズ人のポートレート写真を撮るの…

ヤマセミの歌 その5「対策も色々」

ダミーの巣 ヤマセミはダミーの巣をあっちこっちの崖に作る。偽物はご主人様の担当らしい。奥…

ヤマセミの歌 その6「プロポーズ」

長い鬼ごっこ  巣穴掘りの始まりは3月20日ごろ。その前に大切な儀式がある。ポロポーズ大…

ヤマセミの歌 その7「孵化」

卵は冷やしましょう 1979年から現在(2023年)までに抱卵→子育て→巣立ちまするまで、ほぼ完璧に立ち会えることができたのは8回だけ。 数少ない立ち合いではあるがリアルなヤマセミの暮らしをほんの少し見させてもらったような気がする。 抱卵もその一つ ヤマセミは1回に産卵する数は4〜6個。抱卵はご主人も手伝うが奥さんが主に頑張る。ところが、卵があるのに夫婦でちょくちょく仲良く外出しちゃう。何がなんでも卵温めるということはないらしい。そういえば孵卵器を使って人工的にペンギ

ヤマセミの歌 その8 「オスと子育て」

5月の終わり 6月も近い。田植えが始まる頃となるとヤマセミの子供たちの食欲も旺盛になって…

ヤマセミの歌 その9「梅雨」

料理の達人 子供たちのために捕らえた魚は与える前に念入りにたたく。これが本当のタタキかも…

ヤマセミの歌 その10「巣立ち」

明る〜い。 まぶし〜いよいよ巣立ち 子供たちの巣立ちは日の出前から始まる。初めて見る世界…

ヤマセミの歌 その11「厳しい現実」

ヤマセミたちの主食 魚を主食としているヤマセミ。活動する場所や時間が限られていること。警…

ヤマセミの歌 その12 「ドジョウを食べて元気になったヤマセミ」

まずは自分が落ち着こう 保護され飼育依頼されたヤマセミ。試行錯誤の連続だった。 いきなり…

ヤマセミの歌 その13「お刺身も大好きだったヤマセミ」

無理矢理に口をあけて魚を押し込む強制給餌はヤマセミもこちらもしんどい。強制給餌では本来の…

ヤマセミの歌 その14「ヤマセミもアクビぐらいしたいよね」

学者さんが「鳥類はあくびはしない」と言われていた。野外での観察中は確かに「あくび」だと言い切れる明確な動作は見ていなっかた。ところが、飼育依頼でリハビリー中のヤマセミ君(オスの成鳥)は仮設のケージ内で「これあくびだよね」という動作が結構な頻度でしていた。 声こそ出さなかったが、大アクビにしか見えなかったなあ〜 飼育下では魚も(ときにはお刺身)苦労して捕まえなくてもいいし暇なのは確かなので。 つづく 予告 ヤマセミの歌 15 ペリット(消化出来なかった物を固めたのも)で