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ヤマセミの歌 その10「巣立ち」

明る〜い。

まぶし〜いよいよ巣立ち

子供たちの巣立ちは日の出前から始まる。初めて見る世界に飛び出す準備は巣立ち3日前から始まっている。巣穴から可愛いい顔を出すのは巣立ち当日。冠羽は短いが親とそっくりさんだ。親たちの魚の差し入れは2日前からほとんどない、腹ペコだ。これも親ごころ。体重を落とさないとまともに飛べないから。でも腹ペコ。

(エクタクロムA S A200ニコンF2ホトミック 300ミリ)

親戚のおじさん

カラスは怖い。巣立ちは、親たちの「出てこ〜い」コールで始まる。毎回厄介なのが「ハシブトガラスやハシボソガラス」毎度のことだ。カラスがやって来ると親鳥は「危ないからで出て来るな」コールでヒナに伝える。30分〜40分。時にはそれ以上の時間をカラスは止まり、ヤマセミの巣立ちヒナが巣穴から飛び出すのを待ち構えている。長い竹竿を振り回してカラスを追払いたい。いつしか自分もヤマセミの親戚のおじさんになっている。

ヤマセミとカラス
(エクタクロム ASA200 ニコンF2ホトミック600ミリ)

押されて出ちゃった

巣立ちは突然始まる。後ろのに押し出されるように巣穴を飛び出す。子供たちは糸が切れたタコのようにあったこっちに飛び回る。見ているこちらもヒヤヒヤだ。親は飛び回りながら安全な場所に子供達を誘導するのにてんてこ舞い。巣立った子供達が落ち着くのには5時間以上がの時間がかかる。やれやれだ。

落ち着いた子供達。右側の緑の木の実は「オニグルミ」

(エクタクロムA S A200 ニコンF2ホトミック 600ミリ)

現代に生きる不器用な鳥ヤマセミ

人間の暮らしは大きく変わってもヤマセミは都市鳥のような器用さがないから自身の暮らしはきっとそれほどは変えられないだろう。ただただ見守り「こんな鳥がこんなところで生活をしているよ」。私にはそれしか出来ないが。自分が大好きなやつ(ことわってはいないが)の暮らしをほんの少しだけだがこれからも紹介したいと思っている。

つづく


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