マガジンのカバー画像

creative mind

16
クリエイティブに関わる、マインド面での気づきをまとめています。
運営しているクリエイター

記事一覧

なぜ、アートは難しいのか?

「デザイン、エンジニアリングに比べて、アートの教育は難しい」 これはデジタルハリウッド大学大学院の木原民雄教授の授業「デジタルコンテンツの理論と実務の架橋」の中で話されていたことだ。 振り返ると自分のこれまでにも当てはまる。 20代のころは目の前の現実を追うことがひたすら楽しかった。 30代になると20代のやり方は通用しないという現実にぶつかった。 40代になると物事の根底に興味が移り、ようやく学ぶことの意味が分かってきた。 仕事の多くは「不の解消」であり、自分が関わ

人を知るということ

経験則から学ぶ 先日、たまたま見ていたTVで「なぜ、泣いている子供は抱っこして歩くと泣き止むのか」その理由が語られていた。(※1) 人類が野原を駆け回っていた時代。 危険を察知して逃げる時、子どもが泣いていると外敵に見つかってしまう。この影響で、子どもは抱っこして歩くと泣き止むようになったとの事だった。 ※「抱っこ」とは書いているものの、移動して動くと泣き止むのでベビーカーでも泣き止むとのこと 体内でも面白い変化が起きていて、抱っこして歩くと心拍数が顕著に下がる。心拍

違和感から学ぶ

デジタルハリウッド大学大学院「先端科学原論」(藤井直敬教授)の講義にて「自由意志はあるのか?」「腸の状態によって性格が変わる」という話があった。 身近な事例を通じて、このテーマについて考えてみたい。 意志の境目ある実験(※1)によると、人が決断したと認識する0.5秒前に脳から信号が出ているという。 私たちが自分の意志と思っているものは脳反応の結果に過ぎないかもしれないというわけだ。 この授業の日、僕の顔と手には引っ掻き傷ができていた。 授業の前日にソルちゃんの首元を撫

現実とは何か?

本原稿は、デジタルハリウッド大学大学院「先端科学原論 藤井直敬教授」の課題用に書いたものです。 CMでは伝えられないもの現実を捉える上で「非言語コミュニケーション」の大切さが言われて久しい。 「言語コミュニケーション」とは、言葉のみを使ったコミュニケーションのこと。メールや手紙などがこれに当たる。言葉のみで伝えるため、情報を明確に伝えられる一方、感情を伝えることは難しい。 一方、「非言語コミュニケーション」とは言葉以外の要素(聴覚・視覚)で伝えるコミュニケーションのこと

影響のデザイン

会社、チーム、コミュニティに属さずとも、圧倒的な個人力がある人は沢山いるし、実際、個人が着目される時代になっている。 では、現代人は周囲と関わる必要が無いのだろうか? ここでスポーツを例に考えてみる。 「超えられない」と思われていた記録も1人が更新すると周りも追従することは良く知られている事実だ。もちろん、これは技術の進化やトレーニング方法の確立等も影響があるだろう。ただし、このような傾向はスポーツ以外のジャンルにも当てはまることを思うと、人は想像以上に影響しあえる生き

AI時代、人が存在する価値とは?

最近のAIの衝撃は、写真が登場した時と似ている。 当時も「人が何をするのか」が問われていたからだ。 アートの歴史を振り返ると、リアルな描写が全盛の時代があった。 そんな中、突如として写真が現れた。カメラを使えば一瞬でリアルな絵ができあがる。この品質を見て多くの人びとは思っていた。 「写真の登場でアートは死んだ」 そんな中、マティスが「現実をそのままトレースするだけがアートではない」というメッセージを伴った作品を発表しアートを復活させた。続いて、ピカソが「一枚の絵に多視

百聞は一見に如かずの本当の意味とは?

「百聞は一見に如かず」 日本で育った方なら知らない人はいない言葉だと思います。 由来は中国の「漢書」 いわずもがな「百回聞くより、一度でも自分自身の目で見た方が確実である」という意味です。 この言葉には続きがあることはご存知でしょうか? 百見は一考に如かず:百回見ても、自分で考えなければ前進できない。 百考は一行に如かず:百回考えても、自分で行動しなければ意味がない。 百行は一果に如かず:百回行動しても、結果を出さなければ成長はできない。 聞くより自分の目で見た方

自分軸と他人軸

以前は「人からどう思われるか?」を意識していた結果、気持ちがグラグラしていたものの、そういうのはどうでも良いと思うようになってから、心身共にとても楽になりました。 こういうことを表す言葉ってあるのかな?と思ってググってみたところ「自分軸と他人軸」という言葉を見つけました。 ・自分軸とは自分の意思や気持ちを大事にする生き方 ・他人軸とは人の基準に従ってしまう生き方 自分が不安定になる理由を考えていたとき、なんとなく思ったのは次のような疑問でした。 「自分自身でコントロー

守破離

今朝、LinkedInを見ていたら、Hidetoshi Takanoさんが次のような投稿をしていました。 三流は人の話を聞かない。 二流は人の話を聞く。 一流は人の話を聞いて実行する。 超一流は「人の話を聞いて爆速で実行してPDCA超高速で回して結果を出す」超一流の人はすでに成功しているのにまだまだ貪欲に新しい挑戦や改善をして「実行」し続けていく。現状維持は衰退。 たしかに、人の話を聞くかどうかは、初動のタイミングで大きな別れ目だと思っています。 優秀なコーチは、スキ

みんなで描こう、影響の輪

最近になって、ようやく実感したことがありました。 自身の活動を効率的に進めたければ、コミュニティ作りにも貢献した方が生産性が上がるのではないか?という事です。 この仕事にかかわって、およそ20年になりますが何をいまさらって感じです。 最近の若手たちは、初めからこういうマインドが備わっている方たちが多く本当にスゴイなと思います。 イメージはこれです。 ■ 影響の輪1.0 個々人が、ノウハウを自身に向けてのみ使っている状態。 困っている人に気づきを与えることができず、

「批判」と「共感」のベクトル。

SNSでよくみられる「批判」と「共感」。 ある人からは「共感」となるケースも、ある人からは「批判」になることも。 自分なりの仮説は「批判」の根底には「危険察知」があるということです。 人ゴト、つまり、自分にとってどうでも良い事なら、受け手は何も感じない。「へー、そうなんだ」程度の対応になる。 自分ゴトになる内容の場合にアクションが分かれます。 自分ゴトになる内容、かつ、自分にとってポジティブな事は「スゴイ!」となり、逆に自分にとってネガティブな事なら「批判」になる。

NEORT:Neo Visual Art Collection - Opening Talk

2019/09/12 (木) 19:00 - FabCafeにて行われた「NEORT:Neo Visual Art Collection - Opening Talk」のゲストとして登壇させていただきました。 登壇者は「NEORT」主催の竹元さん、THE GUILD奥田さん、そして僕の3名。竹元さんはデジタルアートの共有プラットフォームである「NEORT」を通じて、次世代のクリエイターを見出したいという高い志しのある方。奥田さんは、業界の最先端事例を作りつつ、プライベートで

手を動かす人

年に一度、テキサスで開かれているサウスバイ・サウス・ウエスト(SXSW)。TwitterやAirbnbが広まるきっかけにもなったスタートアップ企業の登竜門と言われるイノベーションの祭典だ。今年、幸いにも会社から視察にいく機会をいただいた。ここでの経験が、自分の気持ちを大きく変えるきっかけとなった。 カンヌライオンズをはじめとする広告賞の主役が広告なら、SXSWでは、広告は空気のような存在だ。サービス、技術、表現、モノの考え方、最終的な見え方は異なるものの、SXSWで共通して

クリエイティブテクノロジスト

クリエイティブテクノロジスト、今、会社で名乗っている肩書きだ。 振り返ると、今まで、デザイナー、アートディレクターという職種を歩んできた。 デザイナー、アートディレクターとはいっても、グラフィック系のそれとは違い、発想の起点はいつもインタラクティブにあった。人がコンテンツに触れた時のことをイメージしながら、企画、デザイン、プログラムを書くのが自分の仕事だった。デザイナー、アートディレクター、間違いでは無いものの、グラフィック系とデジタル系にはどこか大きな違いがあり、違和感