「本当の幸せとは何か」を思い出させてくれる本
最近ネット界隈で話題になっている素敵な本、【今日、誰のために生きる?】を読んだ。
まだ読んでいない方は、ぜひ手に取って読んでほしいと思える、とても素晴らしい本であった。
本当に日本人のあるべき生き方取り戻す、そのためのメッセージがあちこちに込められている。
本当に幸せであるという事を忘れている多くの人に向けてのメッセージ。
物語はアフリカのブンジュ村というところで画家のショーゲンさんが生活する中で、本当の幸せを体現している生き方を村の人たちから学ぶというもの。
数々の生きるための物語やキーワードが溢れていて、考え方から表現まで、実践的なもの溢れているとともに、考えさせられることが多い。
例えばこんなものがある。
・2日前の昼ご飯に何を食べたか覚えているか
⇒覚えていられないというのは、その人にとって食べる行為が作業に過ぎないということ。その時間本当の意味でそこにいなかったということ。その時間は存在していなかったということ。
・言葉に体温が乗っていないことについて
⇒本当に言葉を話すときに、そこに自分の本当の心を本気で反映させられているかということ。それがない言葉には伝えられる力はない。
・あきらめる時間が来るという事の幸せ
⇒真に休息を取ることができるのは、執着を手放したときであり、それが幸せな時間であるということ。
・奉仕する前に、まずは自分の心を満たすこと
⇒一番大切にするべきはまずは自分の心。それが満たされて溢れるようになってから初めて他の人にそれを注ぐことが重要。
ほんの一部に過ぎない内容だが、それだけでも日本で当たり前のように過ごしている中では新たに気付かされる新しい価値観が溢れている。
一つ一つのエピソードが本質をついていて、まさに今の自分自身が忘れているものに気が付かせてくれる。
日本が一度この幸せの世界観から離れたのが、いわゆる資本主義が導入された時代から。
大量にモノを作って、それによって便利になるということで幸せになると信じられてきた。
そこから物欲がさらに助長されて、もっと欲しいという感情に変わっていくことに。
そして気が付いたら余裕がなくなり、和を大切にする環境であるにもかかわらず争いが発生し、それによって不幸になる事が増えていた。
今ではただひたすら生きるため、欲しいものを得るために全力で仕事して働いて、毎日がただひたすら忙しいという事を過ごしている。
忙しさの中に余裕があれば多少はいいかもしれないが、その余裕すらもない状態が当たり前になっている。
そのために、本当に幸せである状態というのを多くの人が感覚として忘れている。
気が付いたら本当に大切なものに気が付くのは死ぬ直前であったりなど、取り返しがつかないことが多いのも今の時代だからこそ。
そんなところに現れる、本当に大切なものを残した物語。
本当の日本を忘れた時のバックアップ機能としての思想が残っていて、それが本当に必要な時に戻ってくるということ。
世界はうまく出来ているなとあらためて感じた。
資本主義によって、成長が善とされてきた。
高みに登ることこそが、賞賛されるにふさわしいとされていた。
早いこと・効率的なことが、勝利を引き寄せると考えられてきた。
無駄を省くことが、最高の生産性をもたらすとされてきた。
苦手を克服することこそが、素晴らしいとされてきた。
常に何かをし続けることが、当たり前になっていた。
そろそろこの価値観を手放す事が必要なのではないだろうか。
本当の意味での幸福を取り戻すために。
ありがとうございました。
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