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常につきまとうジェネレータ起動時の不安、「PONAM-35」の充電システムが判明!(2024年春夏クルーズ13日目)

2024年6月8日土曜日、静穏な泊地ゆえによく眠れて朝を迎えた。ここにはビジター艇の来訪が少ないようで、それも漁船らしくないシルエットの「HAPPY」は地元の人の関心をひく。桟橋目の前にアズマヤ風の休憩所があるから皆さん集まっている。話しかけてくる人の中には去年来たことを覚えている漁師もいて、自分の漁船生簀で泳いでいる魚をくれると言う。娘さんが高松に嫁いでおり、香川を気に入っているらしい。そこで香川の船籍ステッカーに前回も反応してくれたのである。昨年は持参したうどんパックで返礼し、今回は大きな「ホウボウ」と「黒鯛」を3枚におろしてくれたので、もう少し上等な「おかき」を差し上げた。ちょっとした交流でもある。

「平戸観光協会」に電話して、本日土曜現在の桟橋空きの状況を聞いたところ「3艇のヨットは今朝出て行きました。今は全部空いています。予約は受け付けませんが、日曜利用の問合せは今のところ来ていません。」であった。想像の通り、土曜日の平戸は相変わらず混んでいるようだ。そう考えて居心地の良いこの地に連泊して、日曜日に「平戸」に向かうことにしていたのである。

外はパラパラと雨が降り出し、今日はこれが続く予報だ。鏡のような港内には沢山のアメンボウがいるようだ。そんな予報だったので、雨の降り出しが始まらない朝5時30分!に起きて、洗濯、水汲み、シャワー・洗面室の洗い、朝食作りを皆終わらせてある。
今日はどこにも出かけないので、昼間時間に余裕がある。よってこの2年間もやもやしていた「HAPPY」(PONAM-35)のバッテリー充電システムについてまとめたい。

今年のクルーズ期間中の備えとしてテスターを買い求めておいた。これが早速役に立った。
実は朝一番のジェネレータ起動が上手くいかず、「バッテリーリンク」(ボタンを押した時だけ右エンジン用のバッテリーに繋がる)を使って起動させたことが、12回中2回あった。この原因をめぐってホームポートの整備担当とメールのやり取りをすること4回、やっと原因と充電システム理解が体系的につながったのである。
①ジェネ起動バッテリーの充電システムについて
この写真は発電機(オナン11.5kw)の起動バッテリターミナルで測った電圧を示している。14.16Vであった。この結果、発電機エンジンについているオルタネーターによるバッテリーへの充電は現在進行中であることが確認できた。明日朝一番、ジェネ起動前にもう一度電圧を測って定格12Vあれば就寝中の電気もれ(昨年は発電機室ビルジポンプの稼働によりバッテリ電圧降下して起動せず)もしくは昨年交換したバッテリー自体の劣化はないことになる。
更に今回わかったことは、このバッテリーへの充電は自身が起動した後、エンジン付随のオルタネータによる充電が主たる充電源であったことだった。充電器による充電は主機のバッテリーとアクセサリーがフル充電されてからであった。
②バウスラスター、エンジン、アクセサリーバッテリーの充電システムについて
船には2個の充電器がついているが、一つは24V用のものでバウスラスター専用で単独システムとして完結。もう一つは12V用で左右主機用とアクセサリ用バッテリー、ジェネ用バッテリーの3系統の充電に対応している。そして充電器はジェネが稼働している時、あるいは陸電している時のみ機能する。
充電は主機用、アクセサリー用バッテリー、ジェネバッテリーの中から電圧の低いバッテリーから順に充電が開始されと聞いていた。しかし、よく調べると主機用、アクセサリー用バッテリーは一体のバッテリーとして充電されるのだそうだ。取り立てて、主機用バッテリーのみの充電、アクセサリバッテリーのみの充電と順序だてて対応はしていないことがわかった。だから、充電されていない状態(エンジン停止、ジェネ停止状態)で、アクセサリーバッテリーに負荷をかけ続けるとエンジンバッテリーも電圧降下、そしてエンジンの起動にも影響を与える。
これらのバッテリーが満充電になると次にジェネ起動バッテリーへの充電回路が新たに開き起動バッテリーへの充電が始まるのだそうだ。これも初めて聞いた。もちろん主機用バッテリー・アクセサリーバッテリーへはエンジン稼働中であれば回転数に応じて自身についているオルタネータも機能して両方に充電が進む。
いわば主機起動バッテリーとアクセサリバッテリーはエンジンが回っていればダブル(充電器+オルタネーター)で充電されていると言うことだ。その2つが満充電となった後に初めてアクセサリバッテリーへの充電が開始されるシステムとなっている。この時点でようやくジェネにもダブル充電が果たされることになる。それまでは自身のオルタネータ充電のみだ。
そのアクセサリーバッテリー(含む主機バッテリー)だが、今回は長期なので同バッテリーを電源とする冷凍冷蔵庫は満杯状態、何も考えず家の冷蔵庫感覚で温度は強冷に設定してしまった。それが災いして、おそらくなかなかこれらバッテリーが満充電にならなかったのかもしれない。結果、ジェネ起動バッテリへの充電器による充電が滞りがちであったと推察する。
また就寝中もそのままの温度設定にしてしまったことが災いしたと思っている。朝一番でのアクセサリーバッテリー・主機用バッテリーも就寝中の長きにわたり充電がなされておらず、疲れ気味となっていたはずである。
そんな状態で「バッテリーリンク」を使ってのジェネ起動をしても「その割にはなんだか危なっかしい起動だったなぁ」になるのは当然である。この説明ならアクセサリーも主機も一体のものという説明は果たして本当なのか、今でも疑っている。
しかし「ジェネレータは阿弥陀様と同じように思える」なぜなら、他に電気をあげ続け、自身の充電はオルターネータで細々、他バッテリが満充電になって初めて充電器からの余剰充電をもらう。これでなら阿弥陀様、観音菩薩以外の何者でもない。ジェネ様、神様、阿弥陀様!なのだろうか?いずれにしてもこれからはもっと労わらなくては…。
そんなわけで、昨晩から、就寝時については扉開閉も少ないことから冷凍冷蔵庫の温度設定をギリギリあげた。これで明らかにサーモスタットが入るインターバルが大幅に長くなった。そして、ジェネに良かれと思って行なっていた日中の観光、外食時のジェネ停止もやめる。
もちろん今朝は一発で起動したが、これが続かない限り、私につきまとっているジェネ不安は解消されない。


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