サッカーにおける体の使い方について!!
「相手の体を上手く封じろ」というテーマでお話させていただきます。サッカーをやっていると、「体を入れてボールを奪おう」「体を使ってボールキープしよう」といったように、何かと「体」という言葉を聞きます。どのようなスポーツであっても「体の使い方」「動かし方」「身のこなし」というのは大切です。サッカーで大切な「体の使い方」について整理しておくために、今日は「サッカーにおけるからだの使い方」について話していきたいと思います。なんとなく「体」を使っていた選手も、今日の話を読むと「ああなるほど!そういう意味があったのか!」とすっきりするのではないでしょうか。
早速ですが、僕がプレーしていたアルゼンチンでは「サッカーは『手』でやるスポーツだ」と言われるくらい「手の使い方」を大切にしいます。日本では、「ボール扱い」がサッカーだと思われがちです。ですが、アルゼンチン(特に田舎の方)では、グランドも雑草が生えており、あまり整備されていません。そのため、ガタガタの地面でサッカーをやることが多いです。そんな中、足元のテクニックに頼り切った華麗なドリブルやパスはできません。不規則にバウンドして方向を変えるボールに遊ばれて終わってしまいます。
アルゼンチンでは、ボールを上手く扱うのを適度に諦め、「体を使う技術」を高めるトレーニングが多くなっています。コーディネーショントレーニングもその一つです。
アルゼンチンでは、「手の使い方」を教えてもらえます。これは、やってみないと理解できない領域にある「素晴らしい技術」だと思っています。「手の使い方」が上手い選手のボールは、どう頑張っても取れません。ボールキープしている選手は、ディフェンスが近づいてきたときに腕を伸ばして、手で押しのけます。ディフェンスの動かしたいところを抑えてくるので、上手く動けなくなるのです。
人間の「体」は、何か所か「抑えられると動けなくなるところ」があります。そこを上手く突いてくるのです。くれぐれも言っておきますが、力でどうにか押さえつけるとか、ファールで止めるみたいな、そんな雑なものではありません。人の「体」のつくりを全てわかった上で、「合気道」のような技です。
日本で、毎日ボール扱いの練習をするのと同じように、アルゼンチンでは毎日「手の使い方」をトレーニングさせられます。もちろん「手の使い方」にも上手い下手があります。求められる能力、何から何まで日本で学んだサッカーとは違いました。
「手の使い方」が大切だと言われるのは、地面の状態が悪くボールが不規則に動くということだけではありません。「アルゼンチンの選手たちの守備は激しい」のです。平気で足を削ってきます。体ごとぶつかってきます。守備が上手い選手は、腕を使って体のバランスを崩してきます。ボールを持っている側は、相手を自分の体に近づけてしまうとボールを奪われてしまいます。触られたらアウトです。
相手のからだを自由にさせたらダメで、ボールをキープしている側は、腕で相手をブロックしながら、自分の体を触らせないように遠ざけていく技術が必要になります。
ちなみに、日本で正当な戦い方として知られている「ボールを動かして、体をボールと間に入れて、相手が触れないようにする」という戦い方ですが、日本のように「ファールになるからタックルに行けない」という考えはアルゼンチンにはありません。むしろ、体を入れていると、猛スピードで突っ込んでスライディングを受けます。足ごとボールを蹴り飛ばされることも多々あるので、正当な戦い方では自分の体がもたないのです。
アルゼンチンだけではなく、海外ではこういったことがよくあります。小野伸二選手がオランダでやられたのも、悪質なファールでした。悪質なファールでボール持っている選手をつぶしてきます。だからこそ、腕や手を使って、相手の勢いを抑えたり、守備側の足をブロックしたり、重心がある腰の部分を横から押して体を封じたりする技術が大切になってくるのです。
今日の話をまとめます。激しいプレーを平気で行う相手になればなるほど、足元の技術だけではどうにもならないことが出てきます。自分の体を守れるような「体の使い方」を学びましょう。相手を封じる技術を持っておくことが、サッカーで生き残っていくためには大切だよというお話でした。
今日は「相手の体を上手く封じろ」というテーマでお話させていただきました。
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