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スローインの一番良い投げ方

 今回のテーマは、「スローインはスペースに投げる」です。テーマで結論を言ってしまっているパターンです。
 皆さんは、サッカーにおけるスローインの重要性を理解していますか。スローインというと、フィールドの外にボールが出たときに再開する、なんとなく投げ入れるイメージが強いのではないでしょうか。YouTubeでは、ハンドスプリング(一回転)をして、そのままスローインして遠くに飛ばすスーパープレーもあります。実際、皆さんに「それをしてください」と言っても無理があります。スローインの上手い下手は、遠くに飛ばせるかどうかになっているのではないでしょうか。しかし、スロー今とても奥が深いです。
 知っている人も多いと思いますが、例えばリバプールには、スローインのコーチがいます。そして、スローインのコーチの研究では、リバプールがロングスローから得点できることもわかっています。(これは理論上の話です)
 リバプールがなぜロングスローをやらないのかというと、スローインから得点するには、確率的に8回から10回のスローインが必要で、1回のロングスローのセットに30秒の時間がかかるとすれば、リバプール本来のスタイル、戦術が壊れてしまうと考えているからだそうです。この話でまず驚きなのは、リバプールにスローインのコーチがいるということです。スローイン専用のコーチがいるのは、日本では珍しいと思います。そして、スローインも、コーナーキックやフリーキックと同じくらいチャンスが広がっているということも驚きです。世界トップクラブでは、サッカーにおける「すべて」を研究しているということがわかります。
 リバプールの話は、とてもレベルの高い話で、今回はもっと基本的な話をします。スローインというと、責めている方向の選手の頭をめがけて投げる、相手選手と競り合ってこぼれてきたセカンドボールを拾うイメージがまだあるのではないでしょうか。最近こそ、スローインも後方にいる選手に投げることが増えましたが、「スローイン=前に投げる」「スローイン=思いっきり投げる」というイメージが強いです。少し考えは分かるのですが、足ではなくてを使って投げることができて、しかもセットプレーとして自由に投げることができる状況です。正しくなければ絶対にチャンスにつながります。せっかくのマイボールを、「ルーズボール」や「相手と五分五分のボール」にしてしまうなんて、とてももったいないです。
 スローインは、まず受ける側の選手が、ボールを投げるの位置から5メートル以上離れます。そして、ある程度広いスペースを作ります。社会人サッカーや、高校サッカーを見ていると、スローインする選手に近すぎて、投げる人が窮屈で投げにくい状況をよく見ます。少し遠く感じるくらいの距離が良いです。
 投げる人がよく間違ってしまうのは、受けている人の足元、受ける人が今いる位置に投げてしまうことです。今いる位置に投げられると、止まったまま相手の守備を受けなければなりません。浮いたボールを処理しながら、相手の守備を避けるのは難しいです。投げる人は、必ず受ける人の動きや体の向きに合わせて、「人がいないスペース」にボールを落とすとうまくいきます。
 受ける人は、動きながらボールに触ることができるので、相手の守備を強く受けることがなくなります。これをするだけで、マイボールにして攻撃を続けることが簡単になります。
 まとめると、スローインを受ける人は、まず投げる人から5メートル以上離れてスペースを作ります。投げる人は、受ける人の動きに合わせて、スペースにボールを落とす感じで投げます。スローインのやり方について、今回お話をさせていただきました。

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