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ユニコーンEdTechの動き in US

こんにちは。社内起業家としてサンフランシスコベイエリアで得た気づきを定期発信しています。どなたかの未来創造・新顧客価値創造のヒントとなれば幸いです。

ベイエリアでもワクチン摂取が加速し、教育関係者のほぼ全員が摂取完了したこともあり私が住む学区でも4/12から週5日で対面授業の再開が予定されています。ようやく!この1年長かった。。。

今回はEdTechの動きついてお伝えいたします。

EdTech for Self-Direction

最近のユニコーンEdTech企業による買収の動きを見ていると注力領域が”自習精度の強化””教育者と生徒のエンゲージメント強化”であることが分かります。

先月、6000万人のユーザに人気の単語帳アプリで有名なQuizletは問題集ツールのSladerを買収しました。Sladerは教科書などの問題の解き方を丁寧な解説で自習することができる、数百万人の高校生と大学生に人気な教科書・参考書プラットフォームです。

またSladerと類似のサービスを手がける問題集Q&Aツールを手がけるCourse HeroはAIベースのMath Calculatorツール Symbolabを買収しました。Symbolabは過去10年以上にもわたる10億以上のMath問題とユーザの回答データを蓄積しており、どの問題のどのパートが最も多くの生徒にとって難しいか把握しており、問題回答時に生徒に応じた付加情報を与えることで自習精度を高めています。

USの高校や大学は宿題・課題が多く、自身で解けないという生徒の一番の悩みを解決するこれらのEdTechツールが人気です。Tutorを雇うにはお金がかかりますし、生徒数に対してTutorの数が圧倒的に少ないと言う課題もあります。

オンライン教科書で有名なCheggはChegg TutorsというユーザとTutorのマッチングサービスを手がけていましたが、今年からそのサービスを終了しました。悩みを抱える生徒数が大きい”自習精度の強化”のdirectionに注力するためと言われています。また実際に、宿題・課題のQ&Aは悩みを抱える生徒数が多いだけに大変魅力的なビジネスです。

EdTech for Engagement

一方、USのEdTechスタートアップではありませんが、Kahootはゲーミフィケーションを取り入れた教育者向けのオンライン教材ツールで昨年度10月にSoftbankから$215M (約230億円)調達し、その後半年でActimo: 教育者や従業員とエンゲージメントを向上させるツールやWhiteboard.fi: 教師と生徒のオンラインホワイトボードツールなど3つの会社を買収しました。Kahoot CEOによるとEngagement, Lifelong Learning, and Communityがキーワードで教師にとって使いやすくて小さい教育エコシステムを確立できるソリューションを常に求めているとのこと。

私の仕事上においても教師や教育者の方とお話しする機会が多くありますが、特にオンラインでの生徒とのエンゲージメントに頭を抱えている方が多く、これらのソリューションが求められているのを実感しています。

ポストパンデミック時代のEdTechに向けて

上記紹介いたしました”自習精度の強化”、”教育者の生徒のエンゲージメント強化”どちらもパンデミックでより顕著になった生徒および教育者のニーズに対する動きですが、今後学校での対面授業が再開し、ポストコロナとなる時代には今時点で顕著になっていない新しい悩み・ニーズが発生すると思います。特にこの約1年のオンラインだけの教育で生じた教育格差や芸術やスポーツを含むソーシャル活動の教育の遅れに対してのソリューションが求められてくるように思います。

必ずしも技術で解決する話ではないかもしれませんが、データ活用は一つキーになってくるでしょう。US公共義務教育k-12 Education向けに様々な教育ツールを手がけるPowerSchoolはデータ管理・分析ツールのHoonuitを買収し、出席率、行動、成績から理解力やドロップリスク予測をデータ分析するツールに注力しようとしています。

ポストコロナの時代はこれらのようなツールを活用した教育データ活用による問題未然防止の事例が増えてくるのではないかと思います。


以上、簡単ですが、ここ最近のEdTechの動きをお伝えしましたが、また気になったEdTechスタートアップは定期的にまとめてお伝えしていきたいと思います。


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