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無肥料無農薬栽培と慣行農法の決定的な違い

作物によって肥料と農薬を使わずにつくる野菜と使う野菜を使い分けています。基準は大量出荷、肥料食いか、作付け全体の順位となっています。オーガニックだから農薬などを使わないわけではありません。

肥料使わない野菜と使う野菜の決定的な違いは、生育にあります。おいしい、おいしくないは野菜によって違ってくるのと技術的な問題なので決定的な違いにはならないです。

無肥料栽培の野菜は、初期生育がゆっくりです。例えばピーマンを畑に定植したとしましょう。

4月の中旬にトンネル黒マルチを敷いて株間40センチの同条件で植えたら生育が全く違ってきます。肥料ありの場合だと根が1週間で活着して1ヶ月で収穫できるまでの大きさに成長します。無肥料の場合だと根が活着するまで10日間かかり収穫できるまで2ヶ月以上かかります。

農家の都合を考えれば肥料ありのほうが間違いなくいいですね。早く収穫できて出荷できるわけですから。ただ、無肥料だと収穫は遅くなるけど味はおいしい。これは味が全然違ってきます。ピーマンが畑に備わってる栄養をじっくり吸収してくるからでしょう。果菜類は肥料あり.なしの味の差がはっきりでます。葉物系は関係ないです。

問題は収量です。無肥料だと慣行栽培の半分くらい悪ければ30%しか収穫できずに終わってします。家庭菜園をやっているかたは分かると思いますが、盆が近づくにつれ収量が落ち盆を過ぎると夏野菜は一気に収穫できなくなります。ナスやピーマンを切り戻すのは秋に再び収穫するために必要だからです。

肥料を使うと収量は下がりますが、追肥をするのでガクンと落ちることはありません。9月は夏野菜と冬野菜へと切り替わる時期、端境期となりますので野菜が少なくなります。野菜が少なくなることは価格の上昇を意味するので、9月に出荷できる農家は収入を増やすことができます。そのために色々な資材を利用して収量の下げ幅を抑え出荷できるようにするのです。

無肥料栽培で端境期を狙って出荷するならマルチ、トンネルを使って植える時期をずらして定植するのが良いでしょう。

無肥料栽培は初期生育が遅く収穫できるまで時間がかかり、収量は慣行より少ない。でも味は野菜そのものの味を楽しめる率が高い。この特徴を理解して作っていけば、肥料農薬を使う慣行農法と両立することは可能ですし、幅が広がっていきます。

幅とは、直接消費者へ提案して買っていただくこと、卸への大量出荷、個人レストランへの貴重野菜出荷、直売所での優位性、自分のお店で作って料理を売るといったことです。

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