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360度評価とは?メリット・デメリット・テレワークにも活用できる運用方法などについて解説

360度評価とは、上司や部下、チームメンバーを公正かつ客観的に評価することが出来る人事評価です。また、複数の関係性から多角的に評価することから、多面評価とも言われています。

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この記事では、人事評価システムの導入を検討している方、初めての方にも分かりやすく紹介します。360度評価の導入目的や運用方法、メリット・デメリットなどを解説しますので是非ご参考にしてください。

◆本記事のポイント
 ・360度評価について知る
 ・メリット・デメリット、運用方法を知る
 ・テレワークにも活用できる
 ・360度評価を導入すべきか分かる


● 【概要】360度評価とは?

360度評価とは、上司や部下、チームメンバーを公正かつ客観的に評価することが出来る人事評価です。また、複数の関係性から多角的に評価することから、多面評価とも言われています。
複数の視点から対象者の評価をすることにより、自己評価と他社評価にギャップに気付くことができ、組織作りや人材育成に役立てることが出来ます。

● 360度評価の目的とは?

導入目的
360度評価を実施するにあたり、目的を明確化しなければいけません。ここが明確になっていなければ評価したものの、求めていた結果が得られないという本末転倒になってしまう可能性があります。
そこで目的としては、下記のようなものが挙げられます。

 ・組織やチームメンバーを公平に評価する

 ・人材育成

 ・モチベーション管理、満足度向上

 ・社内コミュニケーションを円滑にする

これらを各組織に合わせて、細分化し目的設定をすることにより有益なデータを収集でき、日々の業務や人材育成などに役立てることが出来ます。


注目されている背景
近年、「360度評価」を導入している企業・人事評価制度の見直しをしている企業が増えてきています。働き方改革やコロナ禍によって、企業の働き方は多様化してきています。
現代において、自宅などでのテレワークや時差出勤などは、あらゆる企業においてスタンダード化してきています。
そこで問題視されているのが、コミュニケーション不足や現場の様子が見えづらく従業員の公正な評価が難しくなってきている事です。
公正な人事評価が出来ないという事は、人材育成にも関わってくる事でもあり、より一層「360度評価」は注目されてきています。
上司や部下、チームメンバーなど多くの関係者が客観的にお互いを評価するので、しっかりとした運用方法を構築することにより、自社に適した公正な人事評価を期待出来ます。

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● 360度評価のメリット・デメリットとは?

メリット
360度評価を導入することは、様々なメリットをもたらしてくれます。

・評価の客観性
ある特定の人物の主観での評価による偏りを防ぐことができ、客観的な評価をすることが
出来る。

・評価の客観性による新発見
客観的且つ多方面からの評価をすることで、これまで気付けなかった長所や短所を発見することが出来る。

・評価に対しての納得
これまでのある特定の人物による評価では、評価者の主観が入り被評価者は納得が出来ず、不平不満を感じることがあった。
それに対し360度評価では、複数の関係者からの評価になるので、評価自体が公平で信頼性が上がることが期待でき被評価者は納得しやすくなる。

・主体的に自らの改善的に気付ける
360度評価の特徴の1つとして、自分自身の評価も行うということが挙げられる。
他者評価と自己評価の比較により、自ら改善点に気付くことが出来る、ギャップを埋めることが出来る。

・自分の特性(強み・弱み)を客観視できる
他者評価と自己評価の比較により、自分一人では気付くことが出来ない自分自身の強みや弱みなどの特性を把握出来る。
自分の特性を把握できれば、今後の行動やスキルアップに役立てられる。

・当事者意識・帰属意識の向上
自分自身の立場・ポジション問わず人事評価に関わる為、自分の意見を発信する場がある。
自分の意見が反映される可能性が十分あり肯定感を感じ、より一層会社・組織運営に関して考えるようになる。その結果、当事者意識・帰属意識の向上に繋がる。


デメリット
メリットがある反面、デメリットがある事も理解しておきましょう。

・主観的な評価になる可能性がある
評価する側に慣れていない場合や、現状の評価システムにより評価基準に主観が入っている場合などは、どうしても主観が入ってしまう可能性がある。
導入する前に、360度評価のルールや運用方法などを従業員に理解してもらう必要がある。

・上司と部下、社員同士の関係性に影響を与える可能性がある
一方通行の評価ではなく双方の評価になるため、お互い評価内容を気にしてしまい、正しい指導やコミュニケーションを行いづらくなる可能性がある。
また、評価対象者に対し、私情を挟んでしまい適切で公平な評価を出来なくなる可能性も発生する。

・評価に対する工数と時間を要する
360度評価は、上司や人事担当などだけではなく、全従業員が対象者となるため、通常の日常業務に加えて工数と時間を要してしまう。

● 360度評価の注意点とは?

360度評価を導入するにあたり、注意しなければならない点があります。
ここをクリアにした状態にして、適切な360度評価を実施出来ることに繋がります。

・人事評価の対象は全ての従業員にする
360度評価は、客観性や公正性を追求出来るという特徴・メリットがある。
全ての従業員を対象にして、客観性や公正性が欠如しないようにする必要がある。

・執務態度を中心とした評価項目にする
日常業務において、従業員がどのようにして業務に取り組んでいるか、どのような様子なのかを可視化出来るような評価項目を設定しよう。
処遇に関わるような評価項目は、設定すべきではない。
あくまで、執務態度を中心にすることが重要である。

・平均化した数値を評価得点にする
360度評価の実施経験がある方はお分かりになると思うが、全従業員を対象にすると評価得点に大きな開きで出てくる。どうしても個人差がある。
最高得点や最低得点ではなく、平均化した数値を評価得点にすることで、公正な評価をすることが出来る。

・全従業員に対し適切なフィードバックを行う
360度評価を行っただけでは、今後に活かせるかどうかに物足りなさを感じる。
定期的にフィードバックを行うことで、改善点を発見出来たり、モチベーション向上に役立てることが出来る。

・評価の明示先や目的、ルールを明確化する
評価の明示先や目的などを従業員にしっかりと理解してもらう必要がある。
ここを明確化出来ていなければ、中途半端な評価をしてしまったり、なにの為に評価しているのかなど、時間の無駄や不信感に繋がる可能性がある。


● 360度評価の評価項目サンプル

参考程度にはなりますが、評価項目には以下のような項目が挙げられます。対象者や会社により異なってくるので、目的に沿って作成しましょう。

・職場の環境を良くするための貢献をできている
・コミュニケーションが取りやすい雰囲気作りができている
・会社においての新たな価値を創出できている
・自分の考えやアイデアを発信できている
・会社や自身の成長のために挑戦できている
・部下やメンバーに対し適切な助言や指導をおこなっている
・自身の管理業務やタスクを遂行できている
・会社の理念やビジョンに沿った行動ができている

● 360度評価の運用方法

360度評価を導入することにより、様々なメリットがある反面デメリットがあることも忘れてはいけません。適切な運用方法を定めることで、より一層360度評価を自社に活用していきましょう。

1.360度評価を導入する目的を明確化する
2.運用ルールを検討する
3.評価方法を検討する
4.評価項目を検討する
5.目的・運用ルール・評価方法・評価項目を従業員に説明する
6.1~5をもとに、トライアル期間を設ける
7.トライアル期間で出てきた課題を改善する
8.本格運用を開始する
9.PDCAを回して、自社に最適化させていく

また、360度評価を実施するにあたりおすすめのツールも様々あります。
ツールに関しては、以下の記事を参考にしてみてください。

● テレワークにも活用できる人事評価

テレワークの人事評価の重要性
現在、様々な会社で多様な働き方を導入されているケースが多く見られます。その中でも、コロナ禍によりテレワークを推奨している会社は、2020年より一気に増加してきています。テレワーク導入によるメリットも様々ありますが、コミュニケーション不足や現場の様子が見えづらく従業員の公正な評価が難しくなってきているという問題も発生してしまっています。
公正な人事評価が出来ないという事は、人材育成にも関わってくる事でもあり、より一層「360度評価」は注目されてきています。
テレワークを導入したことにより、仕事が出来る人と出来ない人が如実に現れているというケースもあります。しかし、公正な評価方法がなければ、待遇面への不満発生やモチベーション低下に繋がる可能性があります。優秀な人材を失ったり、最適な人材配置が出来ないなど、会社としても大きな損失を発生してしまう可能性もあります。


テレワークの人事評価のポイント

・評価方法、基準、項目を明確化する
従業員同士で顔を合わせながら業務を行う機会が減ることで、成果や実績をもとに評価する傾向が強くなっていくでしょう。しかし、経理や総務など成果や実績が分かりづらい部署もあることも忘れてはいけません。
そこで、部下やメンバーとの認識齟齬を無くすために、評価方法などを明確化する必要があります。
既存の評価制度を、そのままテレワークの人事評価に使ってしまうと公平な評価が出来ないケースも発生してくると思います。
トライアル期間を設けたり、従業員にアンケートを取るなどして、自社にあった公正な人事評価制度を明確化していく必要があります。

・目標管理制度を導入する
目標管理制度とは、目標達成に向け期間や取り組み、中間目標を定めてそれに基づきフィードバックや評価をする仕組みになります。
事前に各個人に合った目標を設定するので、テレワークであっても公正な評価を実施しやすいです。

・1on1のようにコミュニケーションの場を設ける
テレワークになると、どうしてもコミュニケーションの機会が減ってしまいます。
コミュニケーション不足により、自身の評価内容に対し疑心暗鬼になる可能性もあります。
web上であっても定期的に顔を合わせて1on1を実施することにより、適切なコミュニケーションを取ることにより、仕事のしやすさや信頼関係構築に繋がります。

● 最後に

本記事では、360度評価(多面評価)に関してメリットやデメリット、運用方法についてご紹介しました。360度評価は、組織運営を活性化していくひとつの手段として有効な評価制度になります。現在深刻な人手不足時代において、360度評価を上手く活用して魅力のある組織を作っていくことで、人材に関連する様々な課題を解決に導いてくれます。
是非この記事を参考にしながら、自社に合った360度評価の制度を構築してみてください。

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