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焦点を当てるのは「過去」ではなく「未来」。「フィードフォワード」が部下の行動変容を促す。

9月11日にハイマネージャー(@himanager_me)主催のイベント「OKR/1on1/CFR勉強会#1」を開催しました。6人のスピーカーが各々の事例、知見を共有し、30人の参加者と共にOKR・1on1・CFRについての学びあいの場となりました。

 トップバッターは、大手IT企業に勤める吉川さん。

 「フィードバック」の重要性が叫ばれて久しい昨今。しかし、フィードバックで行動変容を促す為には、伝え方などの知識や経験が必要であり、難易度が高いと言われています。

 吉川さんが実践している「フィードフォワード」は、「フィードバック」と対になる概念。部下の行動変容を促すには、「フィードバック」ではなく「フィードフォワード」が重要だと語ります。

「フィードフォワード」とは一体なんなのか、実践のポイントはどこにあるのか。実例も交えてお話頂きました。

「過去の原因」ではなく「未来のアイデア」について対話する

 今日は1on1、その中でも「フィードフォワード」についてお話したいと思います。「フィードフォワード」とは何かというと、文字の通り「フィードバック」の反対のイメージです。これが1on1を行う上でめちゃめちゃ大事だ、というところを持ち帰って頂ければと思います。

 まず簡単に自己紹介ですが、本業ではマネジメントをやっています。その経験を活かして、副業でキャリアデザインコンサルタントもやっております。 

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 まずは「フィードフォワードとは?」という話を掘り下げていきたいと思います。言葉の通り、「フィードバック」の逆、対をなすものです。

 「フィードバック」とは、時間軸の観点で言うと過去の行動や結果に対して行うものです。そして、問題のあった部分に着眼していくところに特徴があります。結果として、フィードバックの内容は指摘やダメ出しのようなものになっていきます。さらには、フィードバックする人の主観的な考え、「~するべきだ」というようなものが入りやすいと言われています。伝える側が一方的に話す...という形にもなりやすい。

 それに、上司が部下の行動の原因を突き詰めるのは難しいのではないか...と思っています。上司が「なんでそうなったの?」と繰り返しすぎると、人格否定のような感じになるからです。

 一方で「フィードフォワード」は何かというと、未来の目標に対してどうしていくかという話が中心になります。過去の結果の原因を追及するのではなく、未来の行動をどうやっていくか、というところに注目していきます。

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 未来の話は「こうしたらいいんじゃないか」というようなアイデアベースの話になるので、より客観的な内容になると言われています。「あの人はこういう風にやっているよ」とか、「ネットで調べたらこういうやり方があるよ」...とか。過去の経験から生まれた思い込みではなく、アイデアを基に対話していく形になります。

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ポイントは「相手の持っているポジティブな面をポジティブに話す」

 では、実際の例を基に考えてみたいと思います。
 
 iOS / Androidアプリを開発していたあるエンジニアの事例です。ちょうど僕がマネジャーでした。その方がどういう方だったかというと、すごく不真面目で、360度評価でもD評価でした。

 そんな彼が、アニメーション、デザインに近いところが好きそうだったので、聞いてみました。「デザインとか好きなの?」と。そうしたら「はい」と。

 そこで、「今アプリのアニメーションに力を入れたいから、やってみない?」と提案し、その領域に集中してやることになりました。

 その後は集中力も増し、開発も楽しそうにやっていました。1on1でも、「~が伸びたね」と承認をしつつ、アニメーション以外のところもリードしてほしいという話をしました。

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 結果、最初は問題児で開発スキルもそんなに高くなかったのですが、最終的にリードエンジニアになりました。周りからの見る目も変わっていきました。

 ポイントになるのは、未来を想像して、相手の持っているポジティブな面をポジティブに話すところだと思います。

「まだない未来」を想像する難しさをどう乗り越えるか

 とはいっても、フィードフォワードは難しいと言われています。

 どこか難しいかというと、フィードバックは結果が目の前にあって、それについて話していきますけども、フィードフォワードは、まだない未来、わからない未来を想像するところから始めないといけない。その難しさをどう乗り越えていくか。

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 未来を想像するためにまず一番最初に大切なのは「観察」であると。その人が今の仕事に対してどういう表情で取り組んでいるのか、周りに対して意見を言うタイプなのか、それとも黙々とやるタイプなのか...。

 その時にどこを見るのかが「着目・変換」です。弱みはポジティブに変換する。「ネガティブなんですよね」という人は、リスクに対して敏感であるかもしれない。「感情的になりやすい」という人はエネルギーを持っている、瞬発力がある。強みを見つけて、組織の中で活躍している姿をイメージしていきます。
 
 それから、フィードフォワードの話をすると、「成長のためには、ポジティブさや承認だけじゃなくて厳しさも必要なのではないか」という質問をよく受けます。でも僕は、結構厳しさがあると思っていて。

 「会社でNo.1目指そう」とか、私の所属している会社でいえば6000人くらいの社員がいるので、そうとうハードルが高い。ポジティブな高さを出すことで、厳しさは生まれるのではないかと思っています。

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株式会社WACULさんのオフィスを
会場としてお借り致しました!
ありがとうございました!

【2/26開催】OKR/1on1/CFR勉強会#4

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OKR勉強会 OKR成功企業の運用ポイント 近年、Googleも取り入れて話題になっている”OKR”

ただ、新しい手法である”OKR”導入は日本企業ではなかなか難しく 導入に苦戦しているかと思います。
今回は日本の企業でOKRの導入を成功し、うまく運用している企業さまを集めて 勉強会を開催します!

◆このような方におすすめ
・OKRや1on1の運用に課題を抱えている方
・ミッション・ビジョンを深く浸透させていきたい方
・マネージャー育成/マネジメント改善にお悩みの方


◆このイベントの他レポートはこちら◆

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