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ウィンセッションが重要な理由〜OKRを活用し、週を成功体験で締めくくる〜

本記事は、以下の記事の翻訳となります。

OKR運用のなかで「ウィンセッション」を行うことが推奨されています。しかし、なぜ「ウィンセッション」が重要なのか?本記事は、そのヒントを教えてくれます。

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OKRサイクルで作り出す集団での達成感

全員にOKRサイクルにおける集団での達成感を与える「WINS(成功体験)ミーティング」のアパートメントセラピー社での実例紹介。

金曜日の午後5時、ほとんどのオフィスワーカーが帰り支度について考える時。アパートメントセラピー社では、少々様子が違うようだ。従業員たちがボーっとソファーや床、身体に優しい回転いすなどのシミを見つめる横で、オフィスマネージャーはカートいっぱいのビールやサイダーを持ってきて、ワインのコルクを抜いている。アパートセラピーのCEOであり創設者のマックスウェル・ライアンは、映写スクリーンとマイクのテストをしている。

全員がリラックスして腰掛け、全国に散らばるリモート職員からのビデオ通話の準備もできたとき、ライアンは興奮したような、それでいてどこか控えめなトーンで語り始める。

「今まで当社では前例がなく、気まずい思いをするかもしれません。」
「ですが、必ず盛り上がることでしょう!そして、助けが必要な時には、ここにいる皆がいます。」

ライアンがワインのグラスを傾ける中で、皆グラスを片手に喜びで色めく。そして、最初のスピーカーをマイクまで来るよう促す。

よく知らない人の目には、これはボクシングの試合とカラオケの中間にあるような、奇妙なイベントのように映ることだろう。『より良い自分になるための6つの方法』のような、自己啓発セミナーの1つのようにも見えるかもしれない。事実、自己啓発セミナーとは遠からずも近からずといった性質のものなのだ。

これは、アパートメントセラピー社が毎月全社で行う「WINSミーティング」であり、目標指向のビジネス手法であるOKR(目標と主要な成果)をライアンが実践に移しているものだ。数十年前にIntelのアンディ・グローブによって最初にOKRは開発された。

WINSミーティングにより、従業員は以前の成功を祝いながら次の成功を見据えることができ、これはOKRを使用する際の目標設定の重要な要素である。

グローブの弟子として、ジョン・ドーアは『Measure What Matters(メジャー・ホワット・マターズ)-伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』に次のように書く。

「四半期の目標は、フィードバックと気づきによって最も高く評価される分野を確立・再確立します。透明性のあるOKRは、同僚の成し遂げた大きな成功と小さな成功を同様に扱います。

つまり、従業員が既に到達した目標に対して自分自身で祝う時間や機会を設けないことには、従業員に新しい目標を考えさせるように動機づけられないのだ。

これを行う最も簡単な方法は、チームのすべてのメンバーが自分自身で成し遂げたことを発表できるような定例会議を設ける事である。

もちろん、ライアンもアパートメントセラピー社で実践して感じるように、これは「言うは易く行なうは難し」だと言えるだろう。一部のチームリーダーは、単なる要約のように感じられるものに対して毎週1時間以上を費やす意義を感じられないかもしれない。

一部の従業員は、毎週の成功体験が思いつかなかったり、単に大勢の前でそれを発表するのが戸惑われたりするかもしれない。重要なのはいかに空気を読めるかであり、ライアンはWINSミーティングのやり方にたどり着くまで、数か月を要した。

「万人向けはしないかもしれない。」と彼は、WINSミーティングが継続し、成長するためにふさわしいオフィス環境を作り上げる初期の試みについて説明する。「しかし、実際は一日の終わりにリラックスできるのです。 WINSの一部は金曜日の午前11時でした」と彼は続けた。「しかし、それはビジネス会議です。WINSミーティングは、ほぼ義務外なのです。」

実際に明白なリラックス感もあり、そしてそれはアルコールが入っているからだけではない。アパートメントセラピー社の従業員も楽しめるようになった。これは義務感を感じるのと同じように、お祝いなのだと理解したからである。

オペレーションアソシエイトのマイケル・クーンは、チームの最大の成功であるフリーランサーへのチェックレス支払いへの切り替えを、韻を踏みながら詩の形式で発表した。その工夫にみんなが感心し、笑い、拍手するなかで、すでにマイケルは次回の発表をどう盛り上げるかを考え始めていた。ミレニアル・アパートメント・ビンゴのようなイメージデザインを担当していたグラフィックデザイナーのケイト・ナッシュは、フリーランスになる前のオフィスでの最終日を祝っていた。彼女は前回のWINSミーティングを使用して、会社での時間をまとめ、同僚に涙ながらに別れを告げた。一般的な意味では全社のWINS会議は、一堂に会し、お互いをサポートし、前月の成功を祝うものだ。

ただし、WINSミーティングは、ただの月一のミーティングにとどまらない。

実際、アパートセラピー社では毎週金曜日に行われる。ライアンが会社でOKRを活用しようとした際に、必要だと感じた頻度だ。その月の初めに、販売、編集、およびビジネスチームが小規模な会議のために集まり、デートスペースと呼ばれる新しいビデオシリーズ(デート相手のアパートについての、おもしろおかしい第一印象を実際の人にインタビューするもの)、キャスパー、OXO、ロイヤルカリビアンなどの主要ブランドとのパートナーシップ構築、さらには一見小さいながら重要である、長い間放置されていた冷蔵庫をオフィスマネージャーが掃除したことなどが成功として共有された。これらの成功は全てWINとして拍手を受け、チームの各メンバーが平等に価値ある仕事を遂げたことが共有された。

さらに重要なことは、ライアンと先週電話で話したところ、チームは毎週のWINSミーティングに参加するだけではなく、「彼らは私のところに来て、『部門は毎週ミックスすべきだと思う』と提言したのです。」と述べていた。

「コンテンツ、エディトリアル、アーティスト開発、アート、ビデオ、クリエイティブスタジオに注力したかったのです。今では彼ら自身がこれまで関わりのなかった部署であっても、話を聞きに行くようになりました。」

結果として、チーム内だけでなくチーム全体で結束する感覚が得られたのだ。多くの部門は、従業員が成長したいと願う限り、彼らの希望に沿う業務を提供できるようになっている。最初は戸惑うかもしれないが、忙しい仕事のスケジュールからこれらの会議に専念する時間を作ることは、明白な結果を生み出すのである。

ライアンは、オフィスの士気がすでに大幅に向上していることに気づいている。「誰もが落ち着いて集中しており、私たちが指定した仕事は成し遂げられ、特にもめ事はありませんでした」と彼は満足そうに語る。

「大きな目標には説明責任がつきものです。それが、企業が正しい道を選ぶうえでの仕組みを維持するものなのです。」

このような仕組み自体が、なによりもの成功(WIN)ということなのだろう。

(Publisher:Giulia Pines)

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