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組織内の「すれ違い」はなぜ起こるのか?組織外のメンターが感じる問題のパターンとは。

9月11日にハイマネージャー(@himanager_me)主催のイベント「OKR/1on1/CFR勉強会#1」を開催しました。6人のスピーカーが各々の事例、知見を共有し、30人の参加者と共にOKR・1on1・CFRについての学びあいの場となりました。  

 6人目のスピーカーは、フリーランスとして主にIT業界の組織のコミュニケーション支援を行っている尾澤さん。

 組織外からの視点と豊富な支援経験を基に、また学術的な知見も交えながら、組織が抱える問題のパターンとその解決のポイントについてお話しいただきました。

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部下へのメンタリング内容は3つに分類できる

 尾澤と申します。私は組織外のメンターとして1on1を代行でやっています。今日は、1on1をどうやってやるとうまくいくか...というところを整理したり、メンターとしてやってきた経験から見えてきた、1on1に限らず職場で起きているコミュニケーションの課題や、それをどのように解決してきたかというところもお話させていただければと思います。

 私は、元々は大手広告会社のWebディレクターでしたりとか商品企画をやっていて、最後に人事をやって独立しました。今はIT業界の職場内のコミュニケーションの支援というところで、1on1でしたりとか、社員のメンタリング、研修、ファシリテーションというところでお仕事をさせて頂いていて、その経験を踏まえて本(詳細はこちら)を書いたりしました。

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 まず1on1とは何か…という前に、そもそも部下をどのようにメンタリングしていくのか…というところを考えないといけないと思います。いろんな論文や研究を基に、こちらに整理してみまして、大きく3つあるなと思っています。

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 上司が部下にやってあげられることって、1つは仕事に必要な環境、知識を提供することだったり、部署間の調整、保護があると思います。

 2つ目としては、上司は権限を持っているわけなので、昇格や他部署への推薦、どのような仕事をセッティングしていくのか…というところがあると思います。

 それで3つ目が内省支援、ここがまさに1on1の部分で、仕事の相談だったり、カウンセリングだったり、信頼関係を構築していくところだと思います。

1on1実践で重要な視点を整理するとこうなる 

 そこで、改めて「1on1」と呼ばれる本をがーっと読みまして、整理してみますと、大きくこんな風に分けられるのかなと思います。

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 元々は信頼関係を構築するのが1on1の目的でして、1対1で話せる場ということを考えると、内省をゆっくりできる時間というのは、ベースとしてあるのかなと思います。

 いろんなやり方があると思うのですけれども、タイプとしては、例えば短期的な視点での問題解決というところで、仕事がちょっと詰まっているのか、そういう問題を早期発見したりとか、仕事の価値観をお互い共有するといったものもあると思います。

 長期的な視点に立ったものとしては、キャリアについて今後どうしていきたいのかという話を、会社の状況とのすり合わせをすることも、1on1の中に含まれるのかなと思います。

 とはいえ、1on1はなかなか難しいものだなと思っています。上司が話してばっかりだったりとか、上司が言いたいことを部下が聞く場になってしまうケースがよく見受けられます。

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1on1でよく起きる課題

 1on1を支援させていただいている中で、よく挙がる話題があります。

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 上司側の意見としては、「部下が何を考えているのかわからない」「部下から何も話題が出てこない」「とりあえず何となく1on1をやっている」といったものです。部下側も、「何のための1on1だか分からない」「上司に本音が言いづらい」「上司ばかり話をしていて、関心が持てない」といったところです。

なぜ、部下は相談しないのか。 

 今日のメインとしてお話させていただきたいのは、1on1だけに限らず、普段職場でどんな部分がお互いすれ違っているのかをご紹介させていただければと思います。

 1つ目のすれ違いとして、「行動しない部下の理由」を最近分解してまして、その話をさせていただければと思います。そこで、そもそも「上司に相談しない」場面がたくさんあると思います。一口に相談しない、といっても、いろいろと理由があると思います。

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 理由の1つ目が、「上司が忙しそうだな」とか、査定に響くかもしれないから言えないなぁとか、誰に相談したらいいかわからない、相談することに意義を感じられていない、と。これに関しては単なるすれ違いだったりするので、「相談していいんだよ」「こういう時は誰々に相談してね」という情報を伝えることで、すぐに解消するケースが多いです。
 
 2つ目が、伝え方がわからなかったり、上司にうまく言えないといったところ、相談するスキルが足りていないという部分。ここも単純に相談するのが慣れていないだけというケースが多いので、ゆっくりと「どのように相談するのか」を対話していくことが重要かなと思います。

 3つ目の理由としては、話をしたら怒られそう、話しにくそう...と感じてしまっているところがあるのかなと思います。ここは第三者が入って、お互いがどのように感じているのかを引き出してあげると解消されるケースが多いです。

なぜ、上司は誤解するのか。 

 すれ違いの2つ目としては、上司側が部下からのコメントの受け取り方を間違える時にどういうことが起きているのかを、心理学を用いながら分類したのがこちらです。

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 1つ目は単純なもので、例えば上司が「最近どうなんだ」と聞いた時に、部下が「大丈夫です」と答える。その「大丈夫」はどういう大丈夫なのか...というところを取り違えてしまうケースです。あとは、アドバイスのつもりだったのに強制っぽく伝わってしまったケースなどがあります。

 では、上司が誤解してしまうのにどんな原因があるのかというのを紹介したいと思います。

 1つ目は、先ほどあったように、言葉の解釈を間違えてしまうケース。こういう時はお互いが再確認するだけでも解消できると思います。

 2つ目の会話の内容のミスというところで、部下側がどんなことで困っているのかを丁寧にヒアリングをして、背景をちゃんと共有することが重要だと思います。

 3つ目の簡単な解釈による判断ミスは、私もうまく解消できないことが多いのですが、とても難しいケースだと感じています。ここはしっかりと信頼関係を作っていかないといけないのかなと思います。

 4つ目も、上司が良かれと思っていたのに、部下はそんなこと望んでいなかった…というのは良く起こることで、きっちりと自分の言葉の裏にある思いを丁寧に共有していくことが重要だと思っています。

以上です。ありがとうございました。

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ありがとうございました!

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