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事務職の人事評価は難しい?必要な目標設定項目を事例とともに解説

企業のバックオフィスとして従業員を支えている事務職。
事務職は明確な成果がわかりにくいため、評価をつけること自体が難しいと言われています。
そのため、事務職の人事評価に悩んでいる企業は少なくありません。

しかし、事務職に対し適切な目標設定を立てたうえで人事評価を行うことは、企業の生産性向上に効果的です。

本記事では、事務職の人事評価のつけ方について解説していきます。
事務職の人事評価が難しい理由や人事評価をすることでの効果、適切な目標設定項目についても解説していきますので、事務職の人事評価で悩んでいる方は是非ご覧ください。

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事務職の人事評価が難しい理由

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事務職は営業職や技術職と比べ、人事評価が難しいと言われています。営業職では獲得した顧客の数や売上が評価の指標となります。技術職でも生産性や付加価値が評価の対象です。

一方、直接的に生産することがない事務職には、わかりやすい成果がありません。
そのため、事務職の人事評価は全員一律評価になるケースが多く、従業員のモチベーションを下げてしまう要因になっていました。

しかし、成果がわかりにくいから人事評価をしなくていいわけではありません。
事務職の場合、ほかの職種とは異なる指標で人事評価をする必要があります。

事務職に適切な人事評価をした場合の効果

事務職でも適切な評価をすることで、さまざまな効果を得ることが可能です。
次からは、それぞれの効果について紹介していきます。

事務職に適切な人事評価をした場合の効果①|モチベーションがあがる

適切な評価をもらうことでモチベーションが上がります。
従業員は自分の仕事をみてもらうことで、自分のことを認めてもらえたと感じます。

それにより、会社へ貢献する意識も芽生え、モチベーションも上がるというわけです。
モチベーションが上がれば、必然的に社員の定着率も上がり、会社の成長へとつながります。
事務職に適切な人事評価をした場合の効果②|企業全体のビジョンを共有できる

適切な評価は、ビジョンの共有につながります。
評価項目は、企業の理念や方向性を示すものです。
企業の考え方に合わせて評価するポイントを設定すれば、従業員は会社がどんなことを求めているのかを理解することができます。

つまり、評価項目を明確にすることで、自社のビジョンを従業員と共有できるというわけです。
事務職に適切な人事評価をした場合の効果③|人材育成につながる

明確な評価項目の設定は、人材育成につながります。
適切な評価をすることは、評価項目が明確になるということです。
評価項目が明確になれば、従業員がやらなければならないことや目標が明確になります。

それにより、従業員は目標に向かって行動することにつながります。
評価項目は、企業の理念や方向性に沿ったものになっているはずです。
評価項目に向かって行動することは、結果的に人材育成にもつながるというわけです。

事務職の人事評価のポイント

事務職の人事評価をする場合、以下のことに注意する必要があります。

・公平性・透明性
・他の社員との比較

事務職に限らず、人事評価をする場合は、公平性と透明性を保つことが必要です。
公平性や透明性がなければ、従業員は評価結果に不満を持ちます。
特に優秀な従業員であるほど、その不満は蓄積していくものです。
不満を蓄積した結果、モチベーションも下がり、退職まで発展することも考えられます。

また、ほかの社員と比較しないこともポイントです。
近年では多様性を認めて評価することが求められています。
ほかの従業員との比較で評価するのではなく、あくまでも設定した目標に対する結果を評価するようにしましょう。

事務職に必要な人事評価項目

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事務職の人事評価には、以下のような項目を設定することで、適切な人事評価ができるようになります。

目標設定シートのテンプレートに項目を作成しておきましょう。

事務職に必要な人事評価項目①|成果評価

成果評価とは、目標達成度や日常業務における成果を評価するものです。
事務職では、数値目標を掲げることが難しいですが「改善提案数10件」のような形で、定量的な目標設定をすることもできます。

ただし、どんなことでも定量的にする必要はありません。
「この取り組みを実現した」という定性的な内容でも問題ありません。
あくまでも人事評価で大切なことは公平性・透明性です。
事務職に必要な人事評価項目②|能力評価

事務職でも技術職のように能力評価ができます。
事務職の仕事には、自社の労働環境を改善するための取り組みを考えて実行するといった能力が必要です。
そこで求められる能力は「企画力」「実行力」の2つです。

企画力では、新たな取り組みを考える能力や、現状の問題の改善案を考える能力が評価の対象です。
発想数や提案数を評価の指標としてもいいでしょう。

実行力では、担当した業務の遂行能力が評価の対象です。部下への指導も評価対象になります。実行力自体を数値化することは難しいですが、業務自体に難易度を設定することで、能力を数値化することができます。
事務職に必要な人事評価項目③|情意評価

情意評価は数値化するのが難しい評価項目です。
情意評価の対象となるもの「責任感」「協調性」「積極性」の3つです。

責任感で言えば「与えられた業務をやりきったか」や「自分だけで解決できない問題を周囲に相談したか」といったことが判断材料になります。
協調性や積極性の評価基準は、周囲への気配りや周りが忙しい時のサポートする意志、発言数が判断材料になります。

情意評価については数値化できないため、どうしても主観的な評価になってしまいがちです。
特に無理に数値化しようとして10段階評価した結果、それぞれの基準が曖昧になってしまうケースもあります。
複雑になるのであれば、3段階程度にとどめておくことも、公平性を保つポイントです。

【部門別】人事目標設定の方針と事例

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事務職といえども、所属する部署によって求められる能力が異なります。
接客や電話、メール対応といった顧客対応がメインとなる部署もあれば、文書の取り扱いがメイン業務となる部署もあります。

そのため、同じ事務職であっても、所属している部署に合わせて目標を設定することが大切です。
部署に適した目標設定をすることで、従業員のモチベーション向上にも好影響を与えます。

ここからは、事務職の主要部門における目標設定事例を紹介していきます。

事務職主要部門の人事目標設定事例①|経理

経理部門の業務は、仕訳業務が中心となるため、ルーティンワークがメインとなる部門です。
日々の業務での評価基準はミスをしないことが求められているため、数値的な目標を設定することは難しいでしょう。
例えば以下のような目標設定が適しています。

・担当業務の範囲を広げること
・精度向上に向けた取り組みをする
・ミス率〇%以内
事務職主要部門の人事目標設定事例②|人事

人事部門は、採用から異動といった人材育成に大きく影響する部門です。
ルーティンワークもあるものの、採用における企画力が多く求められます。

完全に数値化した目標設定にはできませんが、定量的な目標設定にすることは可能です。
以下のような目標設定にすると評価がしやすくなります。

・人材定着率〇%
・〇〇制度の導入
・採用コスト〇削減
事務職主要部門の人事目標設定事例③|総務

総務部門は、企業全体のバックオフィスとして会社運営をスムーズにすることを課せられた部門です。

備品管理や施設管理だけでなく、各種書類の作成・管理や社員が気持ちよく働けるような環境を整備することも総務の仕事です。
目標は定量的・定性的どちらの設定もできますが、できるだけ定量的な目標を設定しましょう。
例えば以下の目標が挙げられます。

・備品コストを〇%削減
・従業員エンゲージメント〇%向上
・〇〇に関する社内規程を作成
事務職主要部門の人事目標設定事例④|法務

法務部門は、企業が関わるすべての法律的な業務を担当する部門です。
そのため法令に対する知識や文書作成能力、交渉力、調査力といった能力が求められています。

目標設定としても、法律知識を向上させるような目標を設定することで、法務部の事務職としてのスキル向上が図れます。また、海外の企業と取引がある場合は、英語能力も必要です。
例えば以下のような目標設定で評価しましょう。

・労働法の理解度テスト
・ビジネス法務検定〇級合格
・TOEIC〇点
・法改正への対応期間

事例を参考に従業員エンゲージメントを向上させよう

事務職は直接的な売上はないものの、従業員がそれぞれの業務に集中するために支援することで、収益に対しても大きな役割を果たしています。
事務職はわかりやすい成果がないため、人事評価は全員一律評価になるケースが多く、従業員のモチベーションを下げてしまう要因になっていました。

しかし、事務職の場合でも、ほかの職種とは異なる指標で人事評価をすることは可能です。
適切な評価は、モチベーションアップやビジョンの共有、人材育成につながります。

事務職に求められている能力や評価するべき業務を理解することで、事務職に適した人事評価を行えます。
事例を参考にしながら人事評価に取り組み、従業員エンゲージメントを向上させましょう。

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