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【2021年最新版】いま話題の1on1ミーティングとは?テーマや進め方、実施目的など徹底解説

今回は、いま話題の1on1ミーティングについて、テーマや進め方、実施目的などについて解説いたします。

1on1とは?

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1on1とは、マネージャーと部下が定期的に行う、1対1のミーティングのことです。1on1は、組織としての結果に焦点が当たる一般的な面談とは異なり、主に部下のための時間として用いられます。

1on1は当初、画期的なマネジメント手法としてアメリカのシリコンバレーを中心に話題となりました。日本でも、ヤフーが導入したことをきっかけに普及が進み、現在では全国各地の企業が導入を進めています。

1on1の実施目的

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通常の面談の目的は、目標設定や考課評価のフィードバックにあります。1on1は部下の中長期的な育成やメンタルケア、エンゲージメントの向上に重きが置かれることが多いです。

1on1の実施方法

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通常の面談は、短ければわずか5分で終わることもあります。一方、1on1は一般的に30分から1時間程度のまとまった時間で実施されます。それだけ、部下のための時間に重きを置いているのです。

1on1メリット/期待できること

社員にとっての1on1のメリット
社員にとってのメリットは、主に3つ存在します。

1つ目は、自分の感情をマネージャーと共有し、心理的に楽な状態で働けるようになることです。
業務やプライベートで起きたことに対する様々な感情を、1on1ではマネージャーに共有することができます。社内外に相談できる相手がおらず、辛いことや悲しいことを1人で抱え込んでしまう社員は多いです。そのような社員に対し1on1は、一種のセーフティネットとして機能します。

2つ目は、日常業務における課題の克服です。
マネージャーには、社員が持ち得ないような豊富な知識や経験があります。 1on1でマネージャーに業務上の悩みを打ち明けることで、業務に関する適切なフィードバックを受けることができます。

3つ目は、キャリアプランの構築です。
多くの社員は常日頃から、自身のキャリアについて考えています。一方、自分のキャリアをうまく思い描けないで困っている社員もいるでしょう。1on1では、社員がマネージャーに対してキャリアプランを相談でき、具体的なアドバイスを得る事ができます。

マネージャーにとっての1on1のメリットは、チームの生産性の向上です。マネージャーの評価は、基本的にチームのパフォーマンスによって行われます。つまり、チームの成果が大きければ大きいほど、それはマネージャーの成功にもなるのです。そのため、チームの各社員に適切なアドバイスを行い、チームのパフォーマンス向上を支援することがマネージャーの仕事になってきます。

しかし、マネージャーにとっての課題は、常に時間が不足していることです。特に日本においてはマネージャーの多くがプレイングマネージャーであるため、なおさら時間が足りません。そうした中で、短時間で部下のパフォーマンスを向上させるために役立つのが、1on1になります。

「ただでさえ時間が足りないのに、1on1を導入する時間なんてあるわけがない」と思った方もいるかもしれません。確かに短期的にはそうかもしれません。しかし、長期的な視点で考えた場合は、1on1を実施した方が結果的に効率が良くなります。

定期的に1on1の時間を取り、社員の課題克服や軌道修正、悩みの解消を行うことで、社員のパフォーマンスは向上していきます。1on1によって、マネージャーはチームを細かく管理する必要がなくなるのです。その結果、1on1を導入しない場合よりも結果的に短い時間で、チームの生産性を向上させることが可能になります。

会社にとっての1on1のメリットは、組織内の状況把握です。

組織が拡大すると、社内で密接なコミュニケーションが行われる時間はどんどん減っていきます。その結果、各社員が何を考えているか把握することができなくなり、それが休職や離職につながってしまうことがあります。1on1を行うことで、各マネージャーは部下の状況を把握することができるため、その結果を経営層に報告してもらうことで会社全体の状況把握ができます。

また、1on1を行うことによって、社員は会社が自分のことを気にかけてくれているように感じるため、従業員エンゲージメントの向上にもつながり、休職・離職の防止にもなります。

1on1を実施するときに気をつけるべきポイント/注意点

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1on1では主に3つの要素を考慮しながら実施することが重要です。

1つ目はカウンセリングに近い要素です。

カウンセリングとは、部下が普段吐き出せない悩みに耳を傾けることです。
部下は普段、「会社の利益のため」に働いています。自分のことをないがしろにしている場面もあるでしょう。また、家族や友人、同僚には吐き出しづらい悩みがあるかもしれません。
そんな時に、会社内で多くの時間を共に過ごすマネージャーが、自分の悩みに耳を傾けてくれることで、部下は少し楽になることができます。

・大変だったね、何が辛かったの?
・最近頑張ってるね。ストレスになっていることはない?

といったように、相手を承認しながらも、悩みを引き出す問いかけをしていきましょう。
悩んでいるときは解決策が必要なのではなく、「ただ聞いてもらう」ことが大切だったりします。

2つ目はコーチングに近い要素です。

コーチングとは、日々の仕事のパフォーマンスを振り返り、学びを言語化することです。マネージャーから「こうしろ」と指示をするのではなく、「次にどうしたらいいか?」といった問いかけを通じて部下に内省を促し、部下の成長のきっかけをつくることがゴールです。

マネージャーが主導して指示をするだけでは、部下はいつまでもマネージャーに依存してしまい、成長することができません。マネージャーからの問いかけを通じて、部下の自立を促すことができます。
経験学習サイクルを回すこと=コーチング、と捉えることもできます。

・うまくいった / できなかった理由はなに?
・次に生かせる学びはなに?
・それを活かして次は何に挑戦する?

のように、部下の経験にフォーカスした問いかけを行うことで、部下に深い思考を促すことができます。

3つ目はマネジメントに近い要素です。

ここでいうマネジメントとは、期待の擦り合わせをすることです。
会社の中には2つの「期待」があります。まずは会社が、部下に成果として期待すること。そしてもう一つが、部下が仕事や会社に期待していることです。会社が必要としていることと、部下がやりたい仕事。この2つを擦り合わせることがマネジメントの大きなポイントとなります。

・この会社でどんな経験をしたい?
・次のOKRでどんなことに挑戦したい?

といったように、まずは相手が仕事に対して期待していることを引き出すことが大切です。

1on1の頻度

通常の面談は年に1〜2回程度の実施ですが、1on1は週1〜月1のペースで、定期的に行われます。1on1は部下のための時間を確保するマネジメント手法であるため、継続的な実施が重要になってきます。

1on1のネタ、話題、話し方

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1on1では主にオープンな質問で相手に話しかけることが大事です。

とにかく引き出すことを考慮する必要があります。例を上げると以下のような質問が適切です。

1.調子はどうですか?(今週はどうでしたか?)
2.最近何か楽しい出来事はありましたか?
3.最近熱中していることはありますか?
4.家ではよく眠れていますか?
5.食事はちゃんと取れていますか?

また1on1時には3つのポイントを気をつけながら実施しましょう。

まず1つ目が、傾聴です。

傾聴とは、相手の心に耳を傾けることです。
「なんだそんなことか」と思った方もいるかもしれません。しかし、これが自然にできる人はかなり少ないです。実際には、多くの人がテクニックとして身につけていく必要があります。

傾聴を行うことによって、部下への理解が深まり、部下との人間関係の構築につながります。また、部下の自己肯定感の向上や思考の整理になるなど、部下側にもメリットがあります。傾聴を行うことによって、安心感・信頼感を醸成することができるのです。

傾聴をする上での心構えについてもご紹介しましょう。
まずお伝えしたいのが、メラビアンの法則です。これは、人の印象は見た目が55%を占めるという法則です。つまり、気を配るべきは話の内容よりも、表情やしぐさ、視線なのです。

「そうはいっても、しぐさや視線まで気を配るなんて無理だよ」と思った方も多いかもしれません。そこでご提案したいのが、オープンフェイスです。笑顔を心がけることで、部下に対して安心感を与えることができます。


傾聴のコツについてもお伝えしておきます。沈黙、リピート、ペーシングの3つをご紹介します。
まず、沈黙は悪ではありません。「沈黙、苦手なんだよなあ・・・」と思う方もいるかもしれませんが、そこはグッとこらえましょう。沈黙は、部下にとって考えを整理する機会になります。沈黙が発生した場合は、部下が話し始めるまでじっと待ちましょう。

また、リピートも効果的です。部下の話したことを繰り返すことによって、部下は「あ、このマネージャーは自分の話を聞いてくれている」と感じるようになります。ただし重要なのは、適度に繰り返すことです。必要以上に繰り返すと、かえって不自然な印象を与えてしまいます。

心地よい空間を作り出すためには、ペーシングも重要です。部下のペースに合わせて話すことで、部下に安心感を与えることができます。

2つ目は、部下への質問です。

これが、1on1の成否を握るといっても過言ではありません。質問には大きく分けて2つの種類があります。相手が自由に回答できるような質問を行うオープンクエスチョンと、「はい」か「いいえ」で回答できるような質問を行うクローズドクエスチョンです。

このうち、1on1ではオープンクエスチョンを多用すると効果的です。部下が自由に回答できるため、部下の幅広い考えを引き出すことができます。

また、どんどん部下の考えを深掘りしていきたいときは、チャンクダウン(具体化)が有効です。

例えば、部下が「人間関係で悩んでいる」と発言した場合、「それは例えば同僚のこと?それとも取引先のことかな?」と具体化してあげましょう。こうすることで、部下も質問に答えやすくなり、相互理解が深まっていきます。

3つ目は、承認です。

部下が心を開いてくれるようにするためには、まずはこちらから部下のことを承認することが重要となってきます。

部下を承認していることを示すためには、肯定的な相槌を行うと効果的です。「なるほど」「確かに」「そうなんだね」と、まずは部下の考えを受け入れることで、部下は「このマネージャーは自分のことを認めてくれている」と感じるようになります。

特にミレニアル世代やZ世代は、幼少期から褒めて伸ばす教育を受けてきた人が多いです。そのため、彼ら彼女らに対しては、まずは褒めて相手を承認することから始めましょう。

日本での1on1導入事例

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- 株式会社atta

「小さな組織だから1on1はいらない」は間違いだった。”アジアNo.1旅行アプリ”を目指すattaが1on1を仕組み化するまで。

- ヤフー株式会社

ヤフー株式会社は、2012年より1on1ミーティングを社内制度として取り入れています。導入時には「時間を捻出できない」など不満の声もありましたが、外部の専門家を取り入れ、制度をブラッシュアップすることにより、現在では6,000人の社員が1on1ミーティングを実施してます。

- グリー株式会社

グリー株式会社は最低でも月に1回、上長との1on1ミーティングを実施する制度があります。また、個人と組織の成長を目的とし、「MBO」と呼ばれる個人で設定した目標の達成度を管理する評価制度を導入しています。1on1ミーティングでは、このMBOの達成状況の確認や自身の目指す姿と現状のギャップの認識合わせを中心に会話が行われます。またより良い1on1ミーティングを実施するために、上長に対する独自研修制度も用意されています。

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