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【これに当てはまる企業は要注意!】パフォーマンスマネジメントが必要な10のサインとパフォーマンスマネジメントの5つのコツ

近年、経営層や人事担当者の間で注目を集めている新しい人材マネジメント手法である「パフォーマンスマネジメント」。

今回はそんな「パフォーマンスマネジメント」について、どのような企業が導入するべきなのか、また実際に導入した場合のコツなどを解説していきます。

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パフォーマンスマネジメントとは?

まずは、パフォーマンスマネジメントとは何かについてです。

パフォーマンスマネジメントとは、会社のプロセスや環境、文化を通じて、従業員のパフォーマンスを最大化する仕組みのことです。
従業員の仕事の質に対する期待値を明確に設定し、仕事の生産性を向上させることで、従業員のパフォーマンスを管理します。

効果的なパフォーマンスマネジメントの利点として、人間関係の改善だけでなく、従業員のエンゲージメント・生産性・満足度の向上が挙げられ、これにより企業活動が大きく促進されるといったものがあります。

パフォーマンスマネジメントは、今の時代にあった新しい人材マネジメント手法として今注目されています。

パフォーマンスマネジメントの不備がもたらすものとは?

パフォーマンスマネジメントの不備は、企業全体に影響を及ぼします。

パフォーマンスマネジメントが不十分だと、従業員は自分の成長や進歩に対して意欲を失ってしまいます。
特に事前に評価する基準が提示されていない場合、そのような状態に陥る可能性が高いです。
評価基準は、従業員が自分のパフォーマンスを向上させるために、どの分野が優れていて、どの分野が劣っているかを理解するのに不可欠なものなのです。

不満を抱いている従業員は次のようなことを引き起こすといったデメリットがあります。

・生産性の低下
・不注意による怪我
・企業ブランドの評判を落とす
・収益の損失
・企業への忠誠心の欠如

その結果、従業員満足度の低下は、組織全体に致命的な損害を与える可能性があります。

パフォーマンスマネジメントシステムが必要な10のサイン

それでは、特にパフォーマンスマネジメントシステムが必要な企業はどのような企業になるのでしょうか。
これからご紹介する10つのサインに当てはまる企業は、パフォーマンスマネジメントを導入することが必要な可能性が高いです。

自分の会社がいくつ当てはまるか、そしてパフォーマンスマネジメントの導入が必要かをチェックしてみましょう。

1つ目のサイン|従業員数が20人以上である

1つ目のサインは、「従業員数が20人以上である」ということです。

人事戦略コンサルティング会社であるタロック・コンサルティング(Tulloch Consulting)の主任コンサルタントのヤナ・タロック氏(Jana Tulloch)は、「企業の立ち上げ当初は、社員が複数の仕事を兼任していることが多いものである。」と述べています。
この時点では組織が小規模なため、「ゴールが何であるかがわかりやすい」のです。

しかし、組織の規模が大きくなるにつれ、「個人の役割の明確化やそれについての意見の交換がより難しくなる。」とタロック氏は指摘します。

以上を踏まえた上で、彼女の経験からすると「企業は従業員が20人になった時点で業績管理プロセスの合理化を開始し、従業員の業績をリアルタイムで簡単に追跡できる自動化システム(パフォーマンスマネジメントシステム)への投資を検討すべき。」と述べられています。

従業員数が20人を超えるというのは、パフォーマンスマネジメントシステムを導入する1つの節目と言えるでしょう。

2つ目のサイン|従業員の離職が問題になっている

2つ目のサインは、「従業員の離職が問題になっている」ということです。

ギャラップ社(Gallu)のある調査では、上司が目標設定に自分たちを関与させてくれていると答えた従業員は、熱心に仕事をする確率が3.6倍になるという結果が示されました。

また、テクノロジー関連の調査およびコンサルティング会社であるガートナー社(Gartne)の傘下にあるコーポレート・リーダーシップ・カウンシル(Corporate Leadership Council)によると、仕事熱心な従業員は、会社を辞める確率が87%も低いそうです。

パフォーマンス・マネジメントシステムは、従業員と管理職が目標、目的、キャリアアップについて円滑にコミュニケーションをとるのに役立ちます。

人事コンサルティング会社アドジャント・リーダーシップ・コンサルティング(Adjunct Leadership Consulting)の創業者で人事コンサルタントのジェシカ・ドナヒュー氏(Jessica Donahue)は、
「最近の従業員は、上司が自分たちを育成し成長に手を貸してくれることを期待しています。」と述べています。

業績管理の過程が整備されていないと、従業員は「この会社で自分を活かせる道はあるのだろうか」と疑問を持ち始めてしまいます。
このような理由で、「従業員の離職が問題になっている」であればこそ、適切な目標設定・育成を可能にするパフォーマンスマネジメントシステムの導入が有効なのです。

3つ目のサイン|会社や部署の目標達成が困難である

3つ目のサインは、「会社や部署の目標達成が困難である」ということです。

経営コンサルティング会社 パープルクレスト(PurpleCrest)の共同経営者であるラウル・バルガヴァ氏(Rahul Bhargava)は、「適切なパフォーマンス・マネジメントシステムがなければ、人事チームや経営幹部は自社がなぜ目標を達成できないのかを診断するのに必要な指標を得られないだろう」と述べています。

目標達成のためには、そのためにどのような指標があり、どの部分が達成できていないのか(課題)を把握することは必須と言えるでしょう。

そんな中でパフォーマンスマネジメントシステムを使用することで、戦略実行のギャップを埋め、問題点を特定し、全員が正しい方向に進んでいることを確認することができるのです。

よって、現在会社や部署の目標達成が困難である状況の場合は、パフォーマンスマネジメントシステムを使って、その課題を把握することが有効です。

4つ目のサイン|有望な社員が成果を出していない

4つ目のサインは、「有望な社員が成果を出していない」ということです。

例えば、長年にわたる問題を改善するために、優秀なソフトウェア開発者を何人か雇ったとします。
しかし、彼らが思うような成果を上げていないなら、それは従業員の目標や業績を評価し、コンピテンシーを強化するために、より良いワークフローが必要だというサインだといえます。

そしてそれを可能にしてくれるのがパフォーマンス・マネジメントシステムです。 

バルガヴァ氏は、「採用した有望な社員が従来通りの評価基準の元で成果を上げられず、人事部門がサポート策を提示できないなら、それはパフォーマンスマネジメントシステムの強化が必要な兆候である。」と述べており、このことからもここまで述べてきたことがわかります。

5つ目のサイン|人事考課が事実に基づいていない

5つ目のサインは、「人事考課が事実に基づいていない」ということです。

年1回の人事考課では、多くの雇用者と従業員が過去12カ月間の重要な成果や失敗を振り返るために多くの時間を割くことになります。
1年間の成功や失敗を簡単に記録できるシステムがない場合、必要なときに事実に基づいた情報を引き出すことは不可能です。

逆に、優れたパフォーマンスマネジメントシステムがあれば、重要なパフォーマンス指標を追跡し、組織全体から全方位にわたるフィードバックを得られるデータを取り込むことができます。

バルガヴァ氏は次のように語っています。
事実に基づいていない従業員の業績評価は役に立たない。事実が書かれていない人事考課は役に立たないばかりではなく、多くの場合、解決策どころか問題となる。事実は、同僚・上司・直属の部下・さらには外部の顧客やパートナーなど、組織のあらゆるところからもたらされる可能性がある。業績評価が困難になってきたとしたら、それは警告サインなのだ。

よって現在の人事考課が事実に基いていない状況の場合は、パフォーマンスマネジメントシステムの導入のタイミングと言えるのです。

6つ目のサイン|業務管理の方法が一貫していない

6つ目のサインは、「業務管理の方法が一貫していない」ということです。

企業の規模が大きくなるにつれ、業績評価・継続的なフィードバック・人材管理などに必要な作業はより複雑になっていきます。
また、特に業績管理をスプレッドシートやその他の手作業で行っている場合、各部門がそれぞれ異なる考え方や方法で従業員を評価している可能性があります。

例えば、経理部門は従来通りの全体的な評価方法をとっているかもしれませんが、製品開発チームはもっと多くの観点から評価をしているかもしれません。
このような差は、従業員の不満を生む可能性があります。

そこで、パフォーマンスマネジメントシステムを導入することで、会社全体の業績評価に一貫性が生まれます。
また、役割や部署に関係なく、それぞれの従業員が適切な方法や頻度で評価され、組織全体で統一されたプロセスが実施されるようになります。

7つ目のサイン|新任管理職にとって直属の部下の評価方法がわかりづらい

7つ目のサインは、「新任管理職にとって直属の部下の評価方法がわかりづらい」ということです。

パフォーマンス・マネジメントシステムは、組織が年次レビュー・業績評価・継続的な業績管理・従業員の能力の可能性に対する明確な期待値を設定するのに役立ちます。
これらの指標が正式なシステムにおいてはっきりと規定されていれば、管理職、特に新任者は自分で考える必要がありません。

新任管理職が、部下の評価を適切に評価できる状態になっているかも、非常に重要なポイントです。

8つ目のサイン|会社が大きな成長と資金調達の準備を進めている

8つ目のサインは、「会社が大きな成長と資金調達の準備を進めている」ということです。

パフォーマンスマネジメントシステムの導入は、投資家に対し企業が労働力に関して賢明な決定を行っていることを証明するものである」とドナヒュー氏は言います。

ドナヒュー氏がある新興企業と仕事をした際に、その企業は業績評価と改善計画のプロセスをそれまでシステム化しておらず、パフォーマンスマネジメントシステムを導入すると約束して初めて、資金を確保することができたという話があります。

会社として大きな成長と資金調達を予定していればこそ、健全な企業活動を行なっている証明として、パフォーマンスマネジメントシステムの導入は重要です。

9つ目のサイン|不当解雇のクレームが多発している

9つ目のサインは、「不当解雇のクレームが多発している」ということです。

従業員の業績を評価するプロセスをシステム化し、従業員に定期的にフィードバックする仕組みがない場合、企業が従業員の解雇理由を裏付けるために必要な情報を持っていないことが多くあります。 

これは「万が一の際の責任問題になり、大きなリスクになる」とドナヒュー氏は警告しています。
業績を測定する方法なしにやみくもに従業員の首を切ると、決定を裏付ける証拠なしに解雇することになり、不当解雇のクレームのリスクにさらされることになるのです。

そういった意味でも、すでに不当解雇のクレームが多発してしまっている場合は、即座にパフォーマンスマネジメントシステムを導入すると良いでしょう。

10つ目のサイン|求職者が他社へ行ってしまう

10つ目のサインは、「求職者が他社へ行ってしまう」ということです。

現代の労働者、特にミレニアル世代にとって、キャリア形成と昇進は重要です。
ギャラップ社の調査によると、ミレニアル世代の87%が仕事において自身の成長と発展を重要視していると回答しています。

その点でも、組織内で成長し、それに伴う昇給を得るための明確なプロセスを提示することは、採用の際にも不可欠でしょう。

ドナヒューは「もし成功が認められ、きちんと金銭的に評価される方法を明確に示している企業が他にあれば、新入社員はそうした実績あるシステムを採用している会社に就職しようとするだろう。」と言います。

ハイブリットワークにおけるパフォーマンスマネジメントの5つのコツ

次に、パフォーマンスマネジメント、特にリモートワーカーを上手く管理するためのコツをご紹介します。

リモートワーク・ハイブリッドワークはこの10年間で115%も増加し、今後もこの傾向は続くと言われています。
今やこれらを管理することは、すべてのリーダーが学ばなければならないスキルと言えるでしょう。

パフォーマンスマネジメントのコツ①|期待値を最初に設定する

部下は自分が何を期待されているかを知ることで、それに応じたパフォーマンスを発揮することができます。

ハイブリッドワーカーが抱える最大の問題の1つは、自分のパラメーターが何であるかを理解するのが難しいことです。
オフィスワーカーと違って、ハイブリッドワーカーは同僚や上司を見てまねるだけでは学べないためです。
明確な指示がないと、何を期待されているかを知るのはとても困難になってしまいます。

そこで、最初から仕事の要件を明確に定義することが大切です。
ハイブリッドワーカーをうまく使う最善の方法は、彼らに十分すぎるほどの情報を与えることなのです。

そうすることで、ハイブリッドワーカーは、期待された内容を目指し適切に成果を発揮するでしょう。

パフォーマンスマネジメントのコツ②|定期的に一対一の面談を設定する

リモートで働く部下とは、定期的に連絡を取り合うことで、お互いに進捗状況や期待値を確認することができます。
ハイブリッドワーカーの管理においては、定期的に確認することでフィードバックが容易になり、信頼関係の構築が可能になるでしょう。

1年分の仕事をたった1回の会議ですべて精査するのは不可能なので、年1回のレビューでは足りません。
定期的に一対一の面談を行うことで、年間を通じて最新の情報を得ることができ、部下が成功や問題について直接話す機会も増えます。
部下はフィードバックに飢えており、彼らにとってはあなたの関心が重要なのです。

またミーティングの後は、対処すべき問題や適切な対応策についてメモを取ることも忘れないようにしましょう。
上司は相手がいないときにはこうした事柄を簡単に見落としたり忘れたりしがちですが、ハイブリッドワーカーにとってはこれらは最重要課題です。

パフォーマンスマネジメントのコツ③|常にフィードバックをする

フィードバックについて明確にしておけば、ハイブリッドワーカーはあなたとのコミュニケーションを過剰に心配することはありません。

コミュニケーションにおいては、部下と上司の会話の流れがスムーズにいくことが重要です。
しかし、ハイブリッドワーカーはボディランゲージ・声のトーン・顔の表情などから、あなたの考えていることを汲み取ることができないことを忘れてはいけません。

どんなときでも賞賛やフィードバックを行うのは望ましいですが、指示やあなたの考えを明確に伝えることを優先させましょう。
何がうまくいって、何がうまくいっていないのか、具体的に伝えることが大切です。

否定的な意見が出た場合は、グループミーティング中ではなく、必ず本人と直接話し合うようにしましょう。

パフォーマンスマネジメントのコツ④|状況のアップデートを求める

状況のアップデートを促すことは、あなたとハイブリッドワーカーがお互いに参照できるものを手に入れることに繋がります。

部下には、自分の仕事について毎週ログを取るように指示しましょう。
そうすることで、双方が何が行われたかを把握することができます。
あなたが毎日ログを見なかったとしても、少なくとも進捗状況を確認することはできます。

また、一対一の評価を行う際にも、このログを参照することができます。
上司として成果を見落とさないようにすると同時に、従業員に責任を持たせることが可能になります。

パフォーマンスマネジメントのコツ⑤|部下を信頼する

ハイブリッドワーカーは、あなたがオープンで正直であれば信頼を寄せてくれます。

部下の反応が悪かったり、期限を守らなかったりした場合でも、すぐにサボっていると決めつけないことです。
その代わりに、手を差し伸べましょう。
部下は忙しさに追われているかもしれませんし、個人的な問題に対処しているかもしれません。

同じ部屋にいない限り、本当の理由を知ることは難しいのです。
連絡を密に取り合いながら、相手を信頼することを忘れないでください。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、パフォーマンスマネジメントにおいて、システムが必要なサインやパフォーマンスマネジメントの際のぽいのとを解説してきました。

パフォーマンスマネジメントは非常に有効なマネジメント手法です。

是非あなたの会社でも導入をし、健全で成果の伴う企業活動と目指してみてはいかがでしょうか。

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