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難病になったら感謝が増えた

僕には持病があります。

「球脊髄性筋萎縮症(SBMA)」という難病です。


自分の病気について、これまであまり詳しくは
お話したことがなかったので、

今回の記事は僕にとってちょっと特別な内容に
なると思います。


どんな病気かというと

珍しい病気なのであまり知られていませんが、
「ALS」や「筋ジストロフィー」などと近い神経筋疾患で、

全身の筋肉が徐々に衰えていく進行性のものです。


特に、手足や喉周りの筋肉が弱りやすいんですが、
この病気はとても進行がゆっくりなのが特徴です。

(直接的に命にかかわるようなことはありません)

僕の場合、確定診断から15年ほど経っていますが、
日常生活はまだ一人でも普通にできる状態です。


現状どんな状態かというと

・歩行はゆっくりめ(外出時は転ばないように杖を使用)
・長距離歩き続けたり、腕を上げ続けたりといった、同じ筋肉を使い続けるような動きが長時間できない
・段差が上がりにくい(どこかに手や体をつければ上がれる)
・階段は手すりを使って頑張って何とか上がれなくもないレベル
・床に座ったりしゃがんだ状態から足の力だけでは立ち上がれない
・椅子から立ち上がる時は座面に手をついて勢いをつけて立つ
・低めの椅子やふかふかしたソファーなどは立ち上がりにくい
・バランスを崩したりフラついたりしやすい(気を付けてないと転びやすい)

ザックリこんな感じです。


以前と比べてできなく(やらなく)なったことというと

・スポーツやアウトドア全般
・力仕事っぽいこと
・階段しかない場所(地下や2階以上)に行くこと
・混雑した場所に行くこと
・自転車に乗ること
・高音域で歌うこと(高音が出なくなった)
・サックスや打楽器などの、ある程度力の必要な楽器の演奏

こんな感じです。


現段階の医療では

この病気を完治させる治療法はありません。

進行をある程度抑制する薬はあるので、
それを3ヶ月ごとに投与し続けてはいますが、

完全に進行を止めるものではありませんし、
元の状態まで戻すものでもありません。


これからもっと病状が進行すると、
車椅子を使うようになったり、
食事が思うようにできなくなったり、

日常生活において自力ではできないことも
増えていくと思います。


今できていることが
ドンドンできなくなっていくと思うと、

ぶっちゃけ怖いっちゃ怖いです。


はじめてこの病気の診断を聞いた時は、
目の前が真っ暗になって絶望しました。

「なんで自分が…」
「この先どうなっちゃうの?!」
「どんな死に方するんだろう…」

と、不安と恐怖で押しつぶされそうでした。


でも今は・・・、

将来への不安も恐怖もほぼなくなりました


色々考え出したらそりゃ怖いけど、

「考えなきゃいーじゃん」

ってすぐ切り替えられるようになったんです。


未来のことは誰にもわかりません。
誰に何が起きるかなんてわかりません。

ゆくゆく、医療やらなんやらが発達したら、
将来的にはもっと元気になっちゃうかもしれないし。

なんなら、
超能力とかにも目覚めちゃうかもしれないしねw


結局先々のことを考えても、

「どうなるかはわからない」

という答えにしかならず、
考えるだけ無駄なので、

考えなきゃいい、それだけです。


考えなきゃいいとわかってるので、
無駄に考えなくなりました。


あと、変に過去を振り返ると、

「あの頃はあれもできてたのに、今は…」

と、できなくなったことや失ったものにばかり
目がいってしまいます。


考えたところで取り返せません。

考えている時は喪失感や執着心で
心地悪くなります。

心地よくないとわかってるので、
それをわざわざほじくり返して
味わう必要もないわけです。

だからこれもまた、無駄に考えなくなりました。


カッコよく言えば、
常に「今を生きている」状態です。

基本、マインドフルネスです。

なんだかヘルシーですよねw


そんな感じで、

病気によって得られたものもたくさんあるんです

なんなら、失ったものよりも、
得られたものの方が実は多いかもしれません。


どんなことを得られたかというと、

・過去や未来よりも「今」を大切に生きるようになった
・無理をしなくなった
・「もっと頑張らなきゃ」にとらわれなくなった
・人に頼ることもできるようになった
・ありのままの自分を受け入れられるようになった
・今の「自分らしさ」を意識するようになった
・「できること」や「あるもの」に目がいくようになった
・「本当にやりたいこと」に意識がいくようになった
・他人や一般的な基準よりも、自分の思いで行動できるようになった
・人と比較して落ち込んだり、自分を責めたりしなくなった
・小さなことにも喜びを感じられるようになった
・障害や性や思考や能力など、人の多様性を意識するようになった
・何かを手伝っていただくなど、人の優しさに触れる機会が増えた
・国や自治体の制度のありがたさを知った

パッと思いつくだけでもこんなにたくさんあります。

きっと、まだまだあると思います。


一番大きな気づきとしては


「自分の"本当の気持ち"に目を向ける大切さ」

です。


言い換えるなら、

「何をするか(Doing)や何があるか(Having)よりも、
どういう気持ちでいるか(Being)が大切」

ということです。


成功したいのは何のため?
お金が欲しいのは何のため?
健康でいたいのは何のため?
パートナーが欲しいのは何のため?

僕らは本来、
そういった「モノやコトを得ること」そのものよりも、

「それらによって得られる気持ち」

が欲しいはずなんです。


物理的なモノゴトがどうかというより、

「気持ち」が「良い状態」でありたいんです。


それをよく「ウェルビーイング(Well-being)」
って言ったりしますよね。


例えば、

「満足するために成功したい」はずだったのに、
成功してもその時だけしか満たされなかったり、

「安心するためにお金が欲しい」はずだったのに、
お金があってもずっと不安だったり、

「自由でいるために健康でいたい」はずだったのに、
健康でも色んなことに縛られてたり、

「幸せになるためにパートナーが欲しい」はずだったのに、
パートナーができたら(結婚したら)ずっと苦しかったり。

そんなのって本末転倒ですよね。


「何を得るか(=モノゴトを得ること)」
ばかりに気を取られていると、

「本来それによって欲しかった気持ち」
が置き去りになっている状態なので、

「得たはずなのに…」という現象が起こるんです。


だから、気持ちを後回しにせずに、

「今、自分の気持ちはどういう状態?」
「今、自分が良い状態の気持ちになるには?」

を大切にすると、

特定のモノやコトばかりに執着しなくなるし、
結果としてモノゴトがうまくいったりします。


そうすることで、
たくさんのことに喜べるようになって、
感謝の気持ちが持てるようになります。


まとめると

僕は、病気によってできなくなったことや
失ったものは色々とあります。

でも、だからこそ、
人や社会の優しさをたくさん感じるようになったし、

今あるモノ、お金、時間、人、環境、カラダ、
そして自分自身に、

喜びと「ありがたい」という感謝の気持ちを
持てるようになりました。

人生における大切なことにもたくさん気づけました。


病気があるからこそ見える景色や視点があって、
感じられる感覚があって、できる経験があります。

不便なことや大変なことは色々あるけど、
決して不幸ではありません。


もし病気が不幸なことなんだったら、

病気がある人は全員いつでも不幸で、
健康な人は全員いつでも幸せじゃないと
おかしいってことになりますよね。

少なくとも僕は、
今の方がむしろいつでもハッピーな状態なので、
それは成立しないことになります。


これは、病気以外のことにも言えます。

万人共通の

「これがあれば幸せ」
「こうじゃないと不幸」

なんてものはないんです。


幸せを決めるのはあくまでも自分の
「今の気持ちやあり方(Being)」です。

何をするか(Doing)や何を手にするか(Having)
次第で決定づけられるものではありません。

そこにちゃんと気づけるかどうかが、
ウェルビーイング(Well-being)=幸せな状態
でいられるかどうかの第一歩だと僕は思います。


そんな僕だからこそ伝えられることが
あるんじゃないかなという思いで、

このnoteには「自分の気持ちに目を向ける大切さ」
についてのことをたくさん書いています。

そして、
僕が普段ご提供している「対話セッション」でも、

みなさんにそれを腑に落としていただけるような
お伝いを日々しています。


自分の人生を通じて、それを体現していきます☆

今日もありがとうございました!


#ウェルビーイングのために


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