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FootballとRugby

FootballとRugby

現在、ラグビーのワールドカップ(Rugby World Cup 2023 France)が開催されている。そこでFootballとRugbyの由来について述べる(この両スポーツに関心のない方はスルーして下さい)。

一般には以下のように思っている方が多いのではないだろうか。

(1)   FootballとRugbyの母国は英国である
(2)   RugbyはFootballから派生した
(3)   米国や日本ではFootballのことをSoccerと呼ぶ。これは米語である。

1.Footballの起源説は色々~蹴鞠説も
「球状?のものを足で蹴って競技すること」の何をもってFootballの起源にするかに依る。我々が現在観ている、知っているFootball形態、ルール整備の母国ならば英国と言っていい。しかし、単にボールを足で蹴って競技することとするなら、色々な説がある。中国(及び日本)の蹴鞠がそうだというなら、Footballより先行することは自明であろう。多数の説がある中で主なものは以下の三つ。
・中世(8世紀?)イングランド説
 敵の首級を蹴って勝利を祝ったことが起源で発生
・8世紀より前のイタリア説
 イタリアでFootballをカルチョというのはトト・カルチョでよく知られて
 いる。カルチョ誕生を起源とする考え。イタリアは自国こそ起源と思って
 いる  
・中世北フランス説(小ブリテン地域)
 ラ・スールという競技がノルマン・コンクウェストでEnglandに伝わる 
・紀元前からあった中国の蹴鞠説
   
意外なことに中国蹴鞠説が最近有力紙されているらしい。FIFA(世界フットボール連盟も認めているとか)。私見では、例え蹴鞠が一番古いとしても、それが西洋に伝搬したとはあまり思えない。以下のサイトをご参考までに。これが一番信頼できそうに思える。
https://www.footballhistory.org/

2. RugbyはFootballから派生したことと当時のボール
英国の2大名門パブリック・スクール(中高一貫校)・・今はナイン=9校
ある・・はイートン校とラグビー高。正式にはEton College, Rugby Schoolである。ラグビー校でのFootballの試合中にエリス少年がボールを持って走りだしのたがRugbyの起源と一般に思われている。真偽のほどには異説もあるようだが、ラグビーの優勝トロフィーがウェブ・エリス・カップと呼ばれる以上は揺るがない。ウィリアム・ウェッブ・エリスはオックスフォード大学を出てフランスで宣教師となった(当時のオクスフォードは、卒業後神職に就くのは極普通のこと)。墓は南仏のマントンにある。

2015 のラグビーワールドカップ(英国で開催)のオープニング映像にRugby誕生のエピソードが出ている。
https://www.youtube.com/watch?v=Z3Mbd9W9u50
ヘンリー(ハリー)王子が出演していて、その横にいるのがEnglandのRugbyの英雄、SOだったジョニー・ウィルキンソン。五郎丸がゴールキックの前にルーチンをしていたのは彼を真似たとの話もある
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3

ビデオを見るとFootballのボールはラグビーボールのように見える。当時のボールは豚か牛の膀胱を膨らませて皮で覆って作っていたので、元々は丸くなかった模様。

3.Soccerは米語ではない
カタールでのFootballのワールドカップの際、オランダの首相と米国のバイデン大統領がFootballというかSoccerと呼ぶかで冗談レベルの軽いバトルをしたのが話題になっていた。米国や日本を始め、Soccerと呼ぶ国はマイナーなので、英語と米語で語句に色々違いがあることの一つとしてこれは米語(米国英語)と思われがちである。実際は英国で作られた用語で、正式名称のAssociation Footballから来ている。「soc(仲間)」に「c」を加え、人を意味する「er」をつけた造語

ある国でFootballを使うかSoccerを使うかは、その国で似た競技が先に普及し、それにFootball(または類する用語)という呼称がついていれば、Soccerを使うというのが正しいらしい。現に英連邦(Commonwealth of Nations)の国なのでFootballを使っても良さそうなオーストラリア、ニュージーランド、カナダでもSoccerを使ったりしているようである。

因みに米国サッカー連盟はUnited States Soccer Federationで(日本サッカー協会はJapan Football Association)、米国はSoccer一辺倒かというと、そうでもなく、クラブチーム名はSoccerとFootballが混在している。より詳細に言えばMajor League Soccerのチーム名は
  ・SoccerとFootballも入れない
  ・Footballを入れている
  ・Soccerを入れている
ものが混在している。ご存じのよう米国ではアメリカンフットボール、バスケットボール、ベースボール、及びアイスホッケーのチーム名に競技名は入れない。

日本は日本語=カタカタではサッカーがの呼称が普及している一方、英語では協会、チーム名はFootballを使っているので、中途半端な気はするものの日本らしいとも言える。
(高校時代から欧州の試合に興味があり個人的にはサッカーとは言いたくないのだが)

英国では嘗てRugbyは紳士のスポーツ、Footballはハングリースポーツ(貧しい生活から這い上がって金を稼ぐスポーツ、ボクシングも嘗てそうだった)と言われていた。ラグビーは裕福なアマチュアが余暇にやっていたからで、プロ化した今はそういう区別はないのだろう。
・アマチュア時代のRugby英国代表は医師や弁護士が少なからずいた
・Footballは、私が観出した頃は立ち見が当たり前だった

ラグビーの試合終了時、No Sideという言葉を使い、試合が終われば敵味方関係なく称え合うことがこの競技の美点のようによく言われるが、No Sideは日本でしか通用しないようだ。Full Timeが海外では使われる。


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