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予算特別委員会 局別審査 教育委員会 議事録抜粋(2024年3月6日)

要望 小中学校の給食

(吉田)
ちょっと時間を多めにいただいたので、私も給食については思うところがあるんで要望したいなと思うんですけれども、「本当においしい給食や」ということで、子どもたちは喜んで家に帰ってきて、今日新しいメニューでこんなん食べたとか、いろいろ説明されたり、神戸牛どんどん食べたと言われて、神戸牛は分かるけど「どんどん」って何やろうなとか、親として学びもいただいているなと思います。やっぱり新しいメニューというのは本当に子どもたち喜んで、給食に対して食育の意義がすごい伝わるんだろうなと思いますので、これからもどんどん開発は頑張っていただきたいです。管理栄養士の先生、限られた人数でやっていらっしゃいますので、よそとのコラボ、神戸には例えば、経済観光局で洋食のおいしいお店をいっぱいストックしてたりしますし、そういった方とのコラボレーションとか、今後考えられるんじゃないかなと思うので、お願いしたいです。
市内産の米はもちろん100%ですが、野菜も今意識的には使っていただいていますけれども、より一層使っていただいたり、市内で無理なら県内でというような形でどんどん地産地消をやっていただきたいです。
中学校給食も大分長い時間かけてやりましたけれども、これも遅滞なく今後進めていただきたいです。
最後に言うと、小学校の給食で盛りつけ、例えば、大きくないですけど中ぐらいのお皿にシュウマイが2個だけポツンと乗っているとか、こういったことがやっぱりまだあるんですよね。これは過去に質疑したときにもしっかり工夫しますと言われてはいるものの、もう工夫のしようもないのかなと思うんですけども、ちょっとレタス1枚つけるとか、何かそういったことで工夫ができればなと思いますので、よりよい給食環境をつくっていただきますように要望させていただいて質問に入りたいと思います。

1.空き教室を利用した開かれた学校づくりについて

(吉田)
コミュニティスクールの取り組みが進められ、全小・中学校に学校運営協議会が設置されましたが、地域の方の学校活動への参画については過渡期にあると感じています。開かれた学校づくりという考えのもと、児童生徒が教員以外の地域の大人たちとの交流の中で成長することは非常に大切なことであり、日頃から地域の方がもっと学校の中に入ってもよいのではないかと考えます。
現在、どの学校にも空き教室があり、学習室や多目的室などとしても使用もしていると聞いていますが、それでもなお空いている教室については、地域活動や子育て支援などに使ってもらうことで、学校の中に地域の誰かがいて、子どもたちとも日常的に交流ができたらよいのではないかと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

(工藤総務部長)
これからの変化が激しい時代におきまして、子どもたちが健やかに成長していくためには、開かれた学校づくりを進めて、様々な多様な経験やスキルをお持ちの地域の皆様や企業、団体等の交流を通じて生きる力を育んでいくことが非常に重要であると考えてございます。そのため、令和4年度に学校づくりの指針として、人がつながりともに創るみんなの学校を定めるとともに、学校運営協議会も全ての学校には設置し、保護者や地域の皆様と共に子どもたちの学びと成長を支えることができるよう取り組みを推進しているところでございます。
具体的には、保護者や地域の皆様から協力者を募集し、学校のニーズに応じて、授業の補助や校外学習の引率等の活動、あるいはNPO法人や地域団体との連携のもと、放課後学習等を実施させていただくような取り組みも少しではありますけれども、広がっているところではございます。
一方で、全ての学校に学校運営協議会を設置したものですものの、具体的な連携協力活動につながっていないと思われる学校もございまして、一部の委員の方からは、従来の評議員制度と違いが分からないということはお声もいただいているところでございまして、今後、学校運営協議会の目的や役割について積極的に周知し、活性化につなげていこうというふうに考えてございます。
また、現在策定を進めております次期の教育振興基本計画におきましても、基本政策として、地域とともに創る開かれた学校を掲げてございます。具体的に、ご指摘のありました空き教室をはじめ、市民の貴重な財産である学校施設をさらに有効活用を図って、放課後学習や子育て支援、地域活動など、様々地域の多くの人々とつながりを持つことによりまして、子どもたちの学びをさらに豊かにし、成長につなげていけるよう取り組んでいきたいと考えてございます。

(吉田)
ありがとうございます。空き教室を貸すというのも言葉では単純ですけれども、そうじゃないというのは現場であるだろうと思います。管理の仕方であるとか、どのように予約をするのかとかいうこともあるとは思うんですけれども、まずは何か手始めに、学校運営協議会に関わる方々の地縁団体などとも話をして入ってもらう、入ってもらうという言い方が正しいか分かんないですけれども、使っていただいたりとか、また、もちろん学童コーナーで児童館とはもう既に行き来はあるものではあると思うんですけれども、プラスこども園であるとか、また幼稚園であるとか、子育てサークルなんかで、例えば、よちよち歩きの子どもがいて、それを休み時間の間に子どもたちがぱっと見かけるだけでも1つ学びとか気づきにもつながるんじゃないかなと思っております。できることをやっていきたいというようなご答弁いただいたと思うんですけれども、しっかりとそれが形になるようにぜひ使っていただきたいなと思います。
開かれた学校づくりというような言葉を物理的に開くというのはなかなか難しいと思うんですけれども、しっかりと地域に開かれた学校になるようにしていただきたいと思います。特に、中に来ていただくことというのがその一歩目だと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいなと思います。

2.いじめ事案など困難な事案への対応について

(吉田)
いじめや学校内事故などのトラブルに対して教員が丁寧に対応することは当たり前のことだと思いますが、複雑化してしまう事案や保護者からの要望と学校の考え方に大きな乖離がある事案などについては、なかなかうまく対応できないケースもあると感じています。そのような事案が発生した場合は、担当教員のみならず、管理職も多くの時間を割かれ、精神的にも疲労してしまわれています。現在でも教育委員会事務局の職員や弁護士が学校を支援していると聞きますが、実働として対応に当たることは多くなく、基本的には学校が最前線に立って対応に当たっているともお聞きしております。
複雑化し、解決に時間を要してしまうことがないように、いじめや学校内事故などが起こった際、トラブル対応にたけた教員OBや弁護士などによる専門チームを作って、実動部隊として事案の対応を任せることができないかと考えます。教員を守ることにもつながりますし、適切な対応が取られることによって、保護者にとってもよい結果となることもあるのではないかと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

(高田事務局長)
ご指摘の困難事案に係る保護者対応が教員の負担になっている、その軽減が必要というのは本当に委員ご指摘のとおりであると考えております。保護者からの不当要求等も考えられるような要求であったりとか、あるいは弁護士さんを連れてきて、学校園に対して様々要望されるというような複雑な事案も増加をしておりまして、学校現場の負担になっているというのが現状であると認識をしております。そういった困難事案の対応につきまして、学校園が抱え込むのではなく、早い段階から事務局と連携をして対応することが必要であるというふうに考えております。
本市におきましては、事務局内に所管課だけではなく、地区統括官、また弁護士であります学校法務専門官、こういったメンバーが学校園からの相談に応じまして助言を行うなど、一定充実した体制で学校支援に当たってはいると考えてございますけれども、ただそれでもなお解決困難な事案、例えばですけれども、学校園が誠実に対応しているにもかかわらず、執拗に威圧的な言動等も含めて要求を繰り返す、いわばカスタマーハラスメントといいますか、ハラスメントに該当し得るようなそういう言動が繰り返される場合には、面談の場に学校法務専門官である弁護士が同席をして学校の管理職と共に直接対応するという場合もございます。
また、相手方が弁護士を伴う事案、あるいはこれはもう訴訟にまで発展しそうだというようなものにつきましては、事務局のほうで引き上げまして事務局が窓口になって対応するというようなケースもございます。
ただ、委員ご指摘のように、それが件数的にどうかというとそこまでというのはなかなか件数が非常にたくさんあるというものではなく、基本、学校のほうで一義的には対応しているというところですけれども、学校のほうは、子どもが在学をしている限りは当該児童生徒、あるいはその保護者との関係が切れずにつながっていくということがありますので、その事案の対応のみをよそへ移して、学校から切り離したとしてもなかなかそこで学校と保護者、児童生徒の関係がこじれたままであると、後々まで、なかなか円滑な学校教育活動ができないというようなことも課題としてはございますし、また、どういった段階で事案を引き継ぐのかというような様々な点におきまして、しっかり検討する必要があるというふうに考えておりますけれども、いずれにいたしましても冒頭申しましたように、そこまでこじれないように初期の段階からきちっと対応するということが重要でございまして、例えばですけれども、学校の認識が、これはそんな大した事案ではないだろうということで対応していると、実は保護者の思いというのはすごく重たいものがあって、学校の対応についてなかなかその後もご理解をいただけなくなってしまうというようなこともありますので、その事案についての見立て、これをまず最初の段階からきっちりできるように学校園に対しまして、事務局として初期の段階からしっかり支援をしていく、そしてそういう体制について周知徹底をしていくということが重要であると考えてございます。
ご指摘のように、学校、そして現場の教員の負担軽減、この観点は欠かすことはできないと考えておりますので、引き続き公正な学校における職務執行を妨げるような要求行為などにつきましては、これはもう事務局が主となって対応するということで積極的な学校支援に取り組んでいきたいと考えておりますし、また他都市でも、そういう専門チームを設けて、教育委員会のほうで一元的に対応するというような取り組みを始める自治体もあるやに聞いておりますので、そういった他都市の動向等も注視をしながら、よりよい実効的な学校支援ができるように取り組んでまいりたいと考えております。

(吉田)
ありがとうございます。過度な要求みたいなお話で、しっかり専門家、弁護士が入ってやるというのはよく分かりますし、そうされているんであれば適切だと思うんですけれども、あとはその次のランク、学校と保護者の意見、ボタンの掛け違いみたいなこととか、私は何度かそういう事案に当たりましたけれども、最初の初動の動きでそれが正しかったんかなと思うこともあったりもしますので、その現場の先生、例えば、担任の先生が自分の教員人生の中で何回もそういうことに出会うわけではないので、初めて出会うわけですよね。多くの人は。そうしたときにどうしたらいいんやろうと。周りの先生からの日頃からのいろんなご指導とか、自分の人生経験を含めて人間力でカバーできることもあるだろうと思うんですけれども、時代として特に若い先生なんかは、もうそれでは対応し切れへん、また、それを全教員に研修として提供するかというと、それもまた効率的ではないと思うので、やっぱり効率的なことも考えると、教育委員会事務局の中で過度な要求をするのにはしっかりとした専門家が対応するけど、その次の部分に関しても専門的、そういうことに長けた先生というのは絶対に市内にいっぱいいらっしゃると思うんですけど、そうした知見を集めておくであるとか、そうした人がよきアドバイザーになって、もちろん地区統括官の先生方もそういった先生がたくさんいらっしゃるとは思うんですけれども、そういう観点でいくと、事務局長からは人手は足りているというような認識でご答弁いただいたかなと思うんですけど、私はまだ足りないんじゃないかなと思います。
加えて言うと、いじめ重大事案は、年間50件程度あると聞いていますし、こうした対応も弁護士の方々もやらないといけないですし、そうしたことを考えると、こういう特別な対応をしていくということをあんまり深く考えずにしっかりと提供できるように、学校の中のことは学校がやります、クラスの中のことは担任がやりますだけではもう済まない時代になっていると思うんですけれども、その点についてご見解いただければなと思います。

(高田事務局長)
一定充実した体制を取っておると申し上げましたけれども、必ずしも完璧であると認識をしておるわけではもちろんございませんで、まだまだここについて力を入れていかなければならないという点は多々あるというふうに思っております。
先ほど来、委員もおっしゃっておられますように、教員がそういった保護者の過度な要求等で疲弊をしてしまって休んでしまったり、最悪、教員を辞めてしまうというようなこと、またそこまで至らなくても、その他の児童生徒も含めた子どもたち全体に向き合うというところの余力がなくなってしまって、多くの児童生徒に影響が及ぶというようなこと、これは本当にあってはならないことでありますし、何とかそういうことを防ぐ手だてを取っていかなければならないというふうに考えておりますので、決して今がもう十分やっているということではなく、引き続きどのようなことができるのか、我々事務局としても、知恵を絞り、またそういうことにたけた人材の活用というご指摘も頂戴いたしましたけれども、そういったことも含めましてより効果的な学校支援の体制づくりに取り組んでまいりたいと思います。

(吉田)
ぜひよろしくお願いいたします。先生方の長時間労働の話であるとか、働き方改革というのもありますが、これにも絶対関わってくると思いますし、それが起こったがゆえに、そのクラス運営を担任の先生がほとんどできませんみたいなことであっては、ほかの児童生徒が気の毒でしょうがない話になると思いますので、しっかりと市内にたくさんの先生がいて、いい知見が集めようと思えば集まると思いますので、そういったところもしっかりと教育委員会事務局として全市的に対応できるように今後していただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

3.これからの時代にふさわしい学校教育のあり方について

(1)教員の役割について

(吉田)
現在の学校現場では、いじめや不登校、福祉的な支援を要する児童生徒、特別な支援を要する児童生徒、外国人児童生徒の増加など様々な個別の対応が増加しています。そして、多様性の尊重や子どもたちが主体的に考え、行動することが重視されるなど、1人1人に寄り添ったきめ細かな支援や個性の尊重が求められています。そういった中、教員に求められる役割は、多様性を理解し、共感すること、様々な問題に対して寄り添った対応をすること、子どもたちが自ら考え行動する力を育むこと、1人1人の個性を伸ばすことなどであり、対人スキルコミュニケーション力といった人間力が必要であると考えます。
基礎的な学習を教えることはICTの活用により、より一層効率化させ、教員の役割をこのような対人スキルコミュニケーション力といったものにシフトさせていくべきであると考えますが、ご見解をお伺いいたします。

(長田教育長)
学校というところは、今日も何度もご答弁申し上げておりますが、集団での学習活動、また体験活動を通して子どもたちに基礎的な学力を定着をさせるということとともに、自立心や社会性、また協調性を育む場ということでございまして、その中で、教員は子どもたちに寄り添って健やかに成長できるように導く役割を担っていると思っております。教員の資質能力というご指摘がございましたけれども、そのとおり、やはり対人スキル、あるいはコミュニケーション力といった人間力、これは非常に重要であると思っております。
採用前研修や初任者研修、特に若手教員に対しまして、多様な事例を踏まえた実践型の研修を行うなど、様々な研修の場を設けて能力向上に努めております。これらの研修につきましてはより効果的な内容となるように適宜見直しを行っていく必要があると考えております。
それと併せて、やはりOJT等を通じまして、通常の学校業務の中でも個々の教員の能力向上を図れるように組織単位で成長を支えていく必要があると考えております。
あともう1つ付け加えるならば、やはり教員自身も子どもと同様にいろんな体験、経験をして、やはり外の世界を知るということが、人間力を養うということにとっては不可欠なんではないかと思っております。そういう意味で、自身を磨く、そして勉強すると、そういう中でできるだけ多くの人と教員自身も触れ合うということが大切になってくるんではないかと思っております。
一方で、ICTを活用した学習指導の効率化ということにつきましては、委員もよくご存じのとおり、授業のほうもこれまでは黒板に書いていた内容を今はもう電子黒板でパワーポイントを使って授業をするということがもう当たり前になっておりますし、また動画教材も手軽に扱うことができるようになったということで、子どもにとっても学習効果が高まっているということ、それから、教員にとっては個別の指導への時間をそれによって生み出すことができているんではないかと思っております。
それから、教員向けポータルサイトというものを設けておりますが、ここに優れたデジタル教材や授業動画を掲載しておりまして、教員が授業づくりで必要なときにすぐ活用できる、そして自動採点システムを導入しておりまして、採点業務の効率化も図っているところでありまして、児童生徒と向き合う時間の確保につなげるように、いろんな効率化の取り組みを行っております。
今現在、第4期神戸市教育振興基本計画を作成しているところでございますが、ここにおきましても、今現在の素案におきましては、自他を大切に自ら考え、未来をつくるという教育ビジョンの策定を進めております。これは、学校関係者だけではなくて、保護者、市民の皆様とも共有をしながら向こう5年間の教育を進めていくという前提での教育ビジョンでございます。これを実現していくためには、1人1人の子どもに向き合えるように、教員の資質能力を高めていくことが大変重要であると考えております。
今後も、ICTの活用や研修によりまして、業務の効率化と教育の質の向上に努めるとともに、働き方改革につきましてもさらに推し進めていくことで、教員が専門性を生かして、1人1人の子どもに寄り添ったきめ細かな支援を行えるようにトータル的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。

(吉田)
ありがとうございます。次期教育振興基本計画、自他を大切に自ら考え、未来をつくる、もちろん自己肯定感、大切ですし、しっかり上げていただきたいですし、他を大切にということで人を思いやる気持ちももちろん大切ですし、自ら考え、自ら未来をつくっていくというのがこれからの時代を生きる子どもたちには必ず必要な力なので、非常にいいビジョンだと思いますので、しっかり完遂されるように計画の中身を詰めていっていただきたいなと思っております。
今もご答弁いただいた中から少しお尋ねしたいこともあるんですけれども、教育長から、教員もいろいろな体験、経験をしていくということは大切だと、これは私もそう思っています。例えば、地域行事なんかに行ったときには、昔、地域行事にどっぷり入ってくれる先生とかもいたりもしたんですが、やっぱりどっぷりまではなかなかこのご時世難しいのかなと思いながらも、例えば、地域のお祭りなんかに先生がちょっと合間で顔を出してくれて、参加する子どもたちに頑張りよとかっていうコミュニケーションを取ってくれている姿というのは、まだあるのかなと思うんですけれども、よくよく考えたら週末やから休日出勤なんか、サービスで来てんのか、校長先生とかであれば管理職だからそれはいいだろうと思うんですけど、担任の先生になると、そういったことも今後、働き方改革という観点からは、非常に考えないといけないなと思うんですけれども、どんどん出ていってほしいし、子どもたちの顔色も変わったりするのも私自身も見てるので、いいなと思うんですけど、そのあたりどうしたらいいか見解を求めるの難しいと思うんですけれども、そういった体験という中に地域活動というのが開かれた学校づくり、先ほどの質疑ともリンクしてくると思うんですけれども、地域と先生という観点でいくと交流すべきだと思うんですけれども、一言いただければなと思います。

(長田教育長)
率直に申し上げて非常に難しい問題だと思います。実は、私ども教育委員会のほうからも地域団体に対しましては、長時間労働の関係もあって、働き方改革の一環で、休日あるいは時間外に行われるような地域の行事に校長、管理職は、当然代表として地域の付き合いで出ていただかなければいけないんですけど、一般の教諭、教員もたくさん動員するようなことは少しお控えいただきたいというようなこともお願いをしております。
ただ、片一方では、吉田委員ご指摘のありましたように、やはり教員にとっても地域との交流というのは非常に大切だと思います。ですから、そういう意味では、なかなか休日やあるいは時間外とかいうのは仮に別にしましても、例えば、子どもたちの校外学習の一環で地域の方々、あるいは地域団体の方々と交流をする機会もあると思いますし、そのあたりは柔軟に考え方を工夫をしながら、自身の人間力の向上のために、やっぱりいろんな人と触れ合うということも教員にとっては大事だと思いますので、そういう方向で対応していってもらいたいと思っております。

(吉田)
ぜひよろしくお願いします。熱心な先生はすばらしいという時代から、熱心な先生のほうが割を食っているような時代にちょっとなりかけているんじゃないかなと心配なんですけれども、熱心な先生がより良い教育や、また、体験、経験をしていただけるようにサポートを教育委員会事務局としてやっていただきたいなと思います。
今のいろいろなお話の中で、人間力の向上というのはやっぱり大切である。ただ一方で、1人1人の使える時間というのは限られているということを考えると、先ほどICTの利活用の話になるんですけれども、ICTの利活用することによって、一定の業務負担軽減を図れるんではないかと思うんですけれども、私自身はもっと大胆に授業の準備をほとんどせずとも授業が進められるようなパッケージまで作って、それを動画で流しながら、例えば、まず最初に解説があり、そこから解説が終わった後に演習問題があり、このときに担任の先生に切り替わって、先生は演習問題を児童生徒にしてもらう。そのしてもらったものを見ながら、個々がどれぐらいの進捗なのかとか、ちょっとこの子今一声かけたらすぐできるようになるなというのを見極めて動いてもらう。また、その演習が終わった後の解説はまた動画どうぞというような、これぐらい極端なことをして、授業準備をする時間を大幅に削減するということも今後視野に入れるべきじゃないかなと思うんですけれども、大胆なICT利活用についてご見解があればいただければと思います。

(芝田教育次長)
今、委員ご指摘いただきました、いわゆる先進的な授業の取り組み方になっていくかと思うんですけれども、なかなか今の段階では、今委員おっしゃっていただきましたように、全員が同じビデオのようなものを見て、それでというようなことまでは、まだまだ神戸市としてはそこまでいっていないんですけれども、ただ、授業のパッケージといたしまして、学習に関する指導案であったり、それから中の教材の資料であったりというようなものを今事務局のほうで作ってきておりまして、全学年の全単元まではまだまだいっていないんですけれども、全学年においてパッケージを作りまして、それを今、全校のほうに伝えていっているところでございます。
今それを全ての教員がやることで、一定の業務改善にもつながっていきますし、それから一定の水準の学習にもつながっていくのかなというふうなことを今取り組んでいるところでございまして、これを少しずつ広げていきながらやっていきたいなというふうに考えております。

(吉田)
例えば、教員によって得手、不得手があって、教えるのがうまい先生もいれば、教えるのがちょっとまだまだ勉強せなあかんなという先生ももちろんいますし、ただ、一方で、公教育は公平に提供していますよ、みたいなお話を教育委員会と話しているとちらほら出てくるんですけれども、公平だったり、平等だったり、ちょっとその言葉尻の話は置いといたとしても、一定同じ水準以上のものを受けれないと、保護者から見たら不公平なんですよね。
「ちょっとその先生1年目で教えるのが苦手なんです」と言われても、その先生のためにうちの子どもの成長を捧げるのかみたいな話にもなるので、やはり一定の水準、教育の水準、質が高いと思われるまちであった方が、私は、まちの力としては未来につながる、その子どもたちのいい成長はいい未来につながりますし、また、いい教育が提供されているんだ、神戸はとなると、やっぱりこのまちで子どもを産み、育てたいということにも結局つながってくるので、教育というのは非常にこのまちの未来をつくっていく上では大切だと思うので、そういった中で言うと、今までの時代では、人口がどんどん増えていって経済も成長していって、1クラスに40人や50人とかいた時代もあると聞きますけれども、こうした中でいうと個別で寄り添ってというよりは先生がばっと一律で伝えて、やっていくしかなかった時代から、今はどんどん小さくなって35人学級だとか、うちの子どもの学校で言うともっと小さいんで25人ぐらいしか1クラスいないような学校なんで、個別に寄り添っていく、この寄り添い方をどうしていくかということの話になってくると思います。
教育の面で、学習指導の面で寄り添っていくというのももちろん1つですけれども、私はやっぱり人間としての力をどう伸ばしていくのか、自己肯定感をどう伸ばしてあげるのかということに先生たちの大きな時間を使っていただきたいと思うんで、そういう意味で学習の面ではICTを利活用して、今おっしゃっていただいたようにパッケージ、私の言うのは、パッケージの先みたいな話ですし、今はパッケージがありますよというところですけれども、先生たちの限られた時間を思う存分子どもたち1人1人に注いでいただきたいという想いで、この質問をしておりますので、そういった想いも酌み取っていただきまして、ご対応いただければなと思います。

(1)(再質問)チェックの方法について

(吉田)
保護者から相談を受けると、これまでの担任は寄り添った対応してくれたのに、今の担任は寄り添った対応をしてくれないんですというようなお話を聞くようなことがあります。教員間で対応の差が生じないように、教員全体の質を上げていくというのはもちろんだと思うんですけど、またその先生方がどのように取り組まれているのかというのをどうチェックしていくのかということも重要だと思うんですけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

(濱田部長)
ただいまの件につきまして、教員が子どもや保護者からの相談に寄り添った対応ができますように、先ほど局長も申し上げましたように、ロールプレイなどの実践型の研修を行って、様々な立場からの見方を体験し、きめ細かな対応を学ぶことで対人スキルコミュニケーション力の資質向上を図っているところです。
その達成度につきましては、実際現場での実践をもって評価されることから、管理職が対応状況を把握し、必要な助言指導を行っているところです。しかしながら、教員1人1人の経験や成長段階によりまして資質、能力に差があることも事実でございます。教員間で対応の差が生じないように教員同士が連携、そして補完することによって、組織として対応を行いながら、個々の教員の成長を促していくことが必要であると考えております。そのような学校経営を実現していくために、管理職のマネジメント力の向上に努めているところです。
また、新たな取り組みとしまして、学年チーム担任制をモデル的に進めておりまして、その効果検証を行っているところでもございます。今後とも、子どもや保護者に寄り添った対応ができるように、教員全体の資質の底上げを図るとともに対応に差が生じないよう、学校としての組織力の向上に努めてまいりたいと考えてございます。

(吉田)
ぜひよろしくお願いをいたします。特に小学校では同じ時間で物事が進んでいるので、(教員同士で)対応をチェックしようがない、教頭先生も忙しいし、校長先生も忙しいし、ということで、ちゃんとできているのかなというのもチェックしようがないですけど、そういったことの中で、例えば、チーム担任制であるというのも、こういったものを補完して、いろいろ相談しながら全体の質を上げていくために取られているとも思っております。また、教科担任制も導入されていっておりますので、これも1つ、そういった効果があるのかなと思いますので、ぜひこういういろいろな取り組みをより一層伸ばしていっていただきたいと思います。
今、例えば、時代はもう脳科学とかを考えるような時代にもなっていますので、教員のいろんな研修のようなお話も少し出たかと思うんですけれども、例えば、やる気であるとか、読書のスピード、質なんかも、脳科学から解析して、こういうふうにしたらやる気が高くなる、こういうふうにしたら質のいい読書ができるみたいなことも一部民間では話が出ているところもあると思いますので、今までの固定概念にとらわれず、今までこういう研修をしてきたから、こういう研修をしますとか、少しこれを変えますではなくて、どんどん新しいエッセンスを取り入れながら、神戸市の教育現場が活発になるように取り組みをお願いしたいと思います。

(2)先進的な教育の取り組みについて

(吉田)
AIをはじめとする急速な情報科学技術やグローバル化の進展、変化が激しく予測困難なこれからの時代において義務教育に求められるものは、子どもたちが社会に出たときに必要となる情報活用能力、国際教育、主体的に考える力、想像力、問題解決能力を育む教育、個々の進度や興味に応じた個別最適な教育であると考えます。その上で、従来型の授業、教育活動にとらわれない新しい形を模索することが必要ではないかと考えます。
先日、研究指定校である夢野の丘小学校のICTを活用した公開授業を見学しましたが、教材研究、授業研究はされていて、他の自治体からも多数視察が来られているということは素晴らしい取り組みではあるとは思ったんですけれども、私個人としてはもっともっと角度をつけた教育が提供されていてもいいんじゃないかなと思いました。
全国的には、様々な先進的な取り組みが実施されており、例えば横浜市においては、英語教育で5ラウンドシステムという教育方法を実施しています。1年間で1冊の教科書の切り口を変えて5回繰り返すという方法で、ある横浜市立の学校で開発されました。そして、この5ラウンドに一定の効果があると認められて、現在では横浜市内で多くの学校にその同じ仕組みを取り入れているそうです。
また、ICTにおいては、例えば枚方市では、利用の管理を極力緩めて、子どもたちの自由な発想で様々な活用をしてもらおうというふうな取り組みで、タブレット端末で4Gの回線の契約をして、放課後でもどこでも使ってくれというようなメッセージを与えて、子どもたちにタブレットを持たせているというようなことがあります。そのタブレットにもアプリも何十種類というアプリがあって、極力制限、管理しない、子どもたちの自由な発想で、外で使って落として壊れたら、「それはしゃあない変えるから」ぐらいの寛容な気持ちで子どもたちに使ってもらっているという事例があります。
神戸市でももう一歩踏み込んで、これまでの授業の進め方を根本的に変えるような先進的な取り組みをモデル的に実施し、よいものは全校に広げるということが考えられないか、ご見解をお伺いいたします。

(芝田教育次長)
今、委員がおっしゃっていただきました先進的な授業の取り組みでございますけれども、優れたモデルに関しましては全校に展開していくという取り組みはとても有効なものだというふうに思ってございます。今、ご紹介いただきました横浜市の5ラウンドシステムでございましたり、それからさいたま市であったり、他都市でも本当に先進的なものを行っているということについては、私ども認識しておりまして、そこには事務局のほうから学校視察に行って指導主事のほうとの意見交換も積極的に行っているところでございます。
本市におきましては、様々な取り組みを行ってきているものの、研究校の成果が好事例の提示だけにとどまっておりまして、成果を各学校が授業で取り入れていくという点については、学校間で一定差があるのではないかなとも思っているところでございます。
今後ですけれども、先ほど少しお伝えしましたけれども、今授業パッケージというものを事務局の方で作ってございますけれども、その辺のブラッシュアップも兼ねまして、新たな開発に今後も取り組んでいきまして、市全体で推進する授業改善のスタイルとして、定着をさせていきたいなと思っております。これらの取り組みを緊急というものだけで終わらせることなく、全ての学校で確実に展開していくとともに、積極的に授業改善に進めていきたいと考えております。

(吉田)
ぜひよろしくお願いをしたいですし、今、横浜市であったり、さいたま市の話なんかも出てきましたけれども、今ある教育をベースにしながら、何かちょっと変えていこうというのでは特色まではなかなかいかないと思うので、特色というのは、創造する、つくり上げていくのも創造するほうの創り上げていくというぐらいの勢いじゃないと特色は出ないのかなと思います。
そうした中で、今、横浜、埼玉の話なんかも出ると、その辺りは中高一貫校が私は1つあるのも特色だろうなと思います。政令市の半分ぐらいは中高一貫校を持っていますけれども神戸市にはないです。ないとあかんわけではないと思うんですけれども、中高一貫校なんかについてはどのようにお考えなのか、義務教育学校はもちろん進められていますけれども、中高一貫という観点ではいかがでしょうか。

(高田事務局長)
ご指摘の中高一貫教育でございますけれども6年間の一貫した教育課程の下で、多様な教育が展開でき、生徒1人1人の個性を伸ばすことができるものであると考えております。中高一貫教育におきましては、教育課程を柔軟に編成をすることができますので、例えば、中学校段階から、より高度な課題解決力を育てる探求的学習を進めたり、あるいは高校の基礎的な授業を先取りをして先行的に行うと、それによりまして、より専門的で高度な授業をよりスムーズに受けられるようになるといった様々な中高一貫のメリットを生かした特色ある教育活動が可能になるものと認識をしております。
公立の中高一貫教育校、全国で220校で、うち政令指定都市でもご指摘のとおり半分以上の市で設置をしているという状況でございまして、全国的にも増えているところでございます。こういった先進的な教育の取り組みを進めていく中で、中高一貫教育は1つの選択肢として重要であると考えておりまして、例えば、さいたま市ですとか、横浜市といった政令指定都市におきましても高度で専門的な国際教育、あるいは理数教育を実施をして成果を上げておられるというふうにお聞きをしてございます。
本市におきましては、この1月にこれからの市立高等学校の在り方に関する有識者会議を設置をいたしまして、今後の市立高校の在り方をまさに今検討に着手しているところでございますけれども、その中で市立高校におきまして育成すべき人材像でありますとか、そのために必要な教育内容についてご議論をいただきまして、幅広いご意見をいただくこととしております。ご指摘の中高一貫教育につきましてもこの議論をする中でご意見をいただきたいと考えておりまして、併せまして、私どもといたしましても各地の先進的な教育の取り組みについての調査研究、これも進めまして、中高一貫教育に関する検討を進めてまいりたいと考えております。

(吉田)
ぜひよろしくお願いいたします。中高一貫校、私自身は12月の本会議なんかでも、例えば「このまちで育つ子どもたちは、英語が挨拶程度はできるようになるんだよ」みたいなことがあった方がいいんじゃないかというような考えを持っているんですけれども、そういう意味でいけば、小学校でALTとの会話というのは非常に楽しくて満足度も高いという調査も出てるみたいですけれども、一方で中学だったら、それがトーンダウンしてしまう、ALTの活用がうまくできない、でもこういったものを例えば葺合高校の英語科に附属するような中学校があって、その中でどのようにしたらいいのかというのを熱心に考え、いい方法があればそれを全校展開するということが、私は教育を前に進めるためにはすごい合理的な動きじゃないのかなと思います。
そのほかにも、神戸市立で言えば、六甲アイランド高校は、スーパーサイエンスハイスクールの指定を受けておりますし、科学技術高校もありますし、ちょっと教育委員会は離れましたけれども、高専だってあるわけですから、こうした特色ある高等学校というのが既に神戸の資産としてあるわけですから、これをしっかりと活かすべきではないかと強く思っている次第でございます。
特に、英語に関しては、先ほど申し上げたように葺合高校の附属というようなことを申し上げたんですけれども、ただ、附属中学をつくったら、どういうふうに教室をするんやという問題もありますけれども、これは不幸中の幸いなのかもしれないですけど、やっぱりどんどん高校生の数も減ってきていて、高等学校の定員というのもどんどん小さくなっていってるような時代でもありますから、これはすごいいいタイミングなのかなと思いますので、次のステップとして、中高一貫校を熱心に議論していただいて、特色ある学び、先進的な学びにつなげていっていただきたいなというふうに思います。

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