#28 肘と前腕の解剖学
皆さんこんにちは、パーソナルトレーナーの古寺健吾です。
北海道札幌市で
「フィットネスで人生を豊かに」をモットーに、多くの方の健康に寄り添うお仕事をさせて頂いております。
このnoteマガジンでは、主に「健康」や「身体」に関する内容の記事を毎週アップしていきます。
第28回目となる今回のテーマは
「肘と前腕の解剖学」
について。
▼概要
肘関節は「肘(ヒジ)関節」と呼ばずに「肘(チュウ)関節」と呼ぶことが正しく一般的です。
肘関節は上腕骨と前腕の親指側の橈骨、小指側の尺骨の合わせて3つの骨から形成されます。
この3本の骨は互いに接触しており、肘関節の周りは筋肉や腱に囲まれて補強されています。
こうした組織が肘関節を支え安定性を保ち動きやすくしています。
関節の形状や機能から“蝶番関節”に該当します。
また、肘関節は肩の強力な動きと手の緻密な運動制御力をリンクさせる役割を持っています。
ただ、潜在的な機能障害性の怪我の部位としては、しばしば見落とされている事があります。
肘関節を含めた腕は、物を持ち上げる、運ぶ、衝突の際のクッション、転倒時の体の勢いを和らげることが出来ます。
また多くのスポーツで、ラケットやクラブを振る、或いは投球時、捕球時に手を目的の場所に適切に移動させられるかは、いかに腕、引いては肘関節を効果的に使えるかにかかっています。
肘の内側にある内側側副靱帯は、上腕骨内側上顆から尺骨に向けて付着しています。
3つの帯が三角形を描くように配置されているのが特徴で、肘の外側からのストレス(外反)に抵抗し肘を保護します。
前腕部は、橈骨と尺骨が合わさる箇所を橈尺関節と言い、この関節は車軸関節という関節に該当します。
尺骨を軸に橈骨がその上をグルっと回るように可動するのが特徴で、前腕の回内または回外という動きを行います。
デスクワークをされている方は前腕が回内しているケースが多く、その状態こそ橈骨が尺骨を上からまたぐように可動している車軸関節の特徴が出ている場面となります。
また、橈尺関節には、上腕部に近い近位橈尺関節と、手関節部に近い遠位橈尺関節に分けることが出来ます。
▼動作と筋肉
肘関節の動作は、屈曲と伸展があります。
主に前面に付着している筋肉は屈筋群、後面に付着している筋肉は伸筋群とカテゴライズされる事が多いです。
◎屈曲に働く筋肉
・上腕二頭筋
・上腕筋
・腕橈骨筋
◎伸展に働く筋肉
・上腕三頭筋
・肘筋
前腕部においては、回外と回内、手関節の屈曲伸展があります。
◎回外に働く筋肉
・回外筋
・上腕二頭筋(長頭、短頭どちらも作用)
・腕橈骨筋
◎回内に働く筋肉
・円回内筋
・方形回内筋
・橈側手根屈筋
▼肘の怪我
肘の軟部組織は肘を動かすだけでなく、手首や指の曲げ伸ばしなどの動作にも関係があります。
肘は膝関節や股関節の様な体重が多くかかる関節ではない為、変形性肘関節症を発症する可能性は高くありません。
しかし、骨折や脱臼などの怪我や、肘を酷使する過度なスポーツ、重労働などにより関節軟骨や靱帯が傷つくと変形性肘関節症を引き起こす可能性があります。
《テニス肘》
テニス肘は、上腕骨外側上顆炎とよばれ、手首に負担がかかる動作を行った時、肘の外側から前腕にかけて痛みが起こる症状の事です。
ラケットでボールを打つ動作を繰り返すテニス愛好家に多い症状であることから、通称「テニス肘」と呼ばれていますが、実際にはスポーツ以外の仕事や日常動作が原因で発症する場合も少なくありません。
症状が進行すると、コップを持てないほどの強い痛みを伴う事もあり、日常生活にも支障をきたすようになります。
テニス肘は通常、じっとしている時にはあまり痛みが無く、手首を反らせる・内外に捻る・指を伸ばすというような手首を使った時に肘の外側に痛みが起こるのが大きな特徴です。
日常生活では、物を掴んで持ち上げる・ドアノブを回す・タオルを絞る・キーボードを打つなどの動作をしたときに強い痛みを感じます。
症状の現れ方には個人差がありますが、腕は日頃から使う部分である為、一度発症するとなかなか治りにくい事もあり、症状が進行してしまうと安静時にも肘に持続した痛みが起こるようになります。
この症状で痛みが発生する、上腕骨外側上顆には、手首を動かし指を伸ばす為の筋肉が重なるように付着しており、その筋肉の中の1つである「短橈側手根伸筋」という筋肉の付け根の腱に炎症が起こります。
肘を酷使する事で、短橈側手根伸筋の腱に過度の負担がかかり、細かい亀裂や炎症が起きて痛みが起こると考えられています。
予防や改善には、肩や腕のストレッチを行う事で痛みの緩和に効果的であると指摘されています。
またサポーターやテーピングを施す事でも痛みを和らげることが可能ですが、それらはあくまで対処療法でしかない為、肘のみならず、肩関節や肩甲骨、胸椎や鎖骨、引いては股関節など身体全体の使い方を向上させる事で、肘への負担を減らし痛みの緩和につなげる事も可能です。
《ゴルフ肘》
ゴルフ肘は正式には「上腕骨内側上顆炎」といいスポーツ障害になります。
上腕骨内側上顆と呼ばれる肘の内側の箇所は、ゴルフでの無理なスイングを続けたり前腕部に力みが生じた状態が続くと、過度な負担がかかり続け炎症を起こし痛みを発症します。
指や手首を動かす筋肉から、肘を動かす筋肉にかけて疲労が蓄積されると、筋肉の付け根にある上腕骨内側上顆(腱の部分)に過度な疲労が蓄積され、炎症を起こします。
また、上腕から肘にかけて筋肉が疲労した場合にも同じく筋肉の付け根にある上腕骨内側上顆を痛めてしまう事があります。
腱は身体を動かすときに筋肉の収縮を骨に伝える働きをしています。
加齢に伴い腱にも年相応の老化が進み鍛える事は困難になります。
ゴルフにおいて、手先で打ったり肘に無理な力がかかったりした状態でスイングを続けていることが主な原因と言われています。
テニス肘同様、腕や肩のストレッチを行う事や、テーピングなどの対処療法を用いる事が有効かと思いますが、やはりゴルフ肘に関しても身体全体の使い方や機能を高める事で痛みや負担を軽減することが出来るので、トレーニングなどを通してパフォーマンスを高める事が重要となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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