#32 脊柱の解剖学

皆さんこんにちは、パーソナルトレーナーの古寺健吾です。

北海道札幌市で
フィットネスで人生を豊かに」をモットーに、多くの方の健康に寄り添うお仕事をさせて頂いております。

このnoteマガジンでは、主に「健康」や「身体」に関する内容の記事を毎週アップしていきます。

第32回目となる今回のテーマは

脊柱の解剖学

について。


▼概要

脊柱は、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、さらに5個の仙椎、3~5個の尾椎により構成されています。

屈曲、伸展、回旋、側屈といった三次元の運動が可能です。
それぞれの可動域は下記になります。

◎頸椎
・屈曲…35~50度
・伸展…80~95度
・回旋…左右約90度
・側屈…左右約40度

◎胸椎
・屈曲…30~40度
・伸展…20~25度
・回旋…左右約30度
・側屈…左右約25度

◎腰椎
・屈曲…50度
・伸展…15度
・回旋…左右約5度
・側屈…左右約15~20度

腰椎は5度しか回旋できず、胸椎は30度回旋できます。
合わせて35度回旋が可能です。
この点から、腰を回すという表現は、実際は胸椎で回旋をしていると言えます。

また、脊柱の側屈においては回旋を伴う事が知られています。
この事をカップリングモーションといいます。
・上部及び中部胸椎→同側回旋
・下部胸椎、腰椎→反対回旋

画像1

▼頸椎

頸椎は首の部分を指しています。

大きな特徴としては、第1頸椎(環椎)と第2頸椎(軸椎)は歯突起と呼ばれ、第2頸椎から突出している骨に対し、第1頸椎が被さるように乗っており、環軸関節という関節を形成しています。

この点から、頸椎は環軸関節において回旋を伴う動作が可能となります。

昨今のスマートフォンの普及により、スマホ首やストレートネックに悩む方も増えているかと思います。
頭部が前方に落下しないように、胸鎖乳突筋などの筋肉が過剰に緊張する事で頚部に痛みや不安定症をきたしているケースも少なくありません。

この場合、全身のアライメントや動作を改善する事で頚部やその他の部位におけるエラーも改善方向に向かう事が考えられます。
また、頚部は様々な神経が存在するデリケートな部位である為、力任せの手技はたいへん危険であることを把握しておく必要があります。

▼胸椎

胸椎は脊柱の胸のエリアを指し、12個の椎骨から肋骨が生えているのが大きな特徴です。
第1~10肋骨は胸骨に到達し、第11,12肋骨は浮遊肋と言われます。

胸椎は脊柱の中でも最大のモビリティを発揮する部位です。

元々の構造は後弯しており、デスクワークの方や高齢者の方はこの後弯がより強調され、猫背円背姿勢が形成され胸椎のモビリティは低下します。
胸椎のモビリティが失われると、腰部など本来はスタビリティ(安定)機能がある部位を過剰に働かせてしまい、結果として腰痛の原因にもなります。

特に顕著な点として、回旋動作においては前述しているように腰椎ではなく胸椎で回旋が行われている事を理解する必要があります。
※骨盤や股関節も関与します。

日常動作や回旋を伴うスポーツ(ゴルフやテニスなど)において、胸椎の回旋モビリティは必要不可欠になります。
そもそも腰椎の回旋可動域は全体で5度程度の為、正常時でも回旋可動域を有していません。
その部位を過剰に働かせて負担を与える事は、腰椎を助長すると言えます。

胸椎は伸展可動域を確保する事も重要で、適切な姿勢保持、肩甲骨や肩関節のモビリティの確保、腰部のストレス緩和など様々なメリットがあります。

これらの観点から、胸椎の伸展と回旋可動域を十分に確保する事は、その他の部位のストレスの軽減、パフォーマンスの向上など様々な点において必要不可欠となります。

ちなみに、第12肋骨には横隔膜、大腰筋、腰方形筋などの筋肉が付着する為、体幹の安定性確保に非常に重要な個所となります。

▼腰椎

腰椎はいわゆる腰を指します。

腰椎は5個の椎骨で形成され、下部2つ(4番5番)は強靭な靱帯によって仙骨に繋がっています。

屈曲伸展可動域はそれなりに有しているものの、回旋可動域は比較的小さいのが特徴で、腰椎自体はスタビリティ関節(安定させる関節)の役割を果たしています。

しかしながら、姿勢不良などにより胸椎や骨盤の可動性が失われていると、腰椎が動かざるを得ない状況になり、結果として腰椎に過剰なストレスが加わり腰痛をきたします。

一般的に言われる“体幹(コア)”はこの腰部の事を指し、腰部の安定こそ、高いパフォーマンスを発揮する為には重要なポイントとなります。
ファンクショナルトレーニングに則っていけば、胸椎や股関節のモビリティを向上させる事を優先し(モビリティファースト)、腰部の安定性の確保を行うといいでしょう。

◎ヘルニア

ヘルニアは腰椎の主に4番5番間、5番付近の椎間板で発症するケースが多いです。

本来前弯している腰椎が、姿勢不良等によって後弯が強調されると、椎間板内部の髄核が後方へ突出し神経を圧迫する事で痛みが生じます。

重度になればなるほど要手術になるリスクが増しますが、アライメントや基本的な日常動作の改善を行う事で症状の緩和や予防に繋がる事は多々あります。

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▼筋肉

脊柱周囲を取り巻く傍脊柱筋群も脊柱の支持性と可動性の付与に大きな貢献を果たしています。
脊柱支持筋の低下が脊柱の後弯変形を招く事は広く知られていますが、中でも特に背筋群(脊柱後方筋群)の低下が脊柱の後弯変形と大きく関係すると言われています。

脊柱の支持や運動に関与する筋肉の構造は非常に複雑で、主に脊柱後方筋群と脊柱前方筋群に大別できます。
脊柱後方筋群の構造について、脊柱後方筋群は最外層に僧帽筋、腰背筋を有し、僧帽筋は更に下行部、中間部、上行部に分けられます。
中でも僧帽筋中間部は第7頸椎から第5胸椎の棘突起に付着し、上肢肩甲支持筋の1つとして重要な役割を占めます。

さらに内側は浅層、中間層、深層に分類されます。

浅層腸肋筋最長筋棘筋より構成され、これらは脊柱起立筋と総称されます。
中間層半棘筋から構成され、これらの筋肉は横突起上縁を起始部として上内側を走り、上位椎の棘突起側面に付着します。
中でも頚半棘筋には軸椎棘突起に大きな付着部があり、後方伸筋群の中でも特に同部は頸椎のアライメント保持に重要な役割を果たしています。
深層は、多裂筋横突間筋回旋筋肋骨挙筋から構成され、これらは全脊柱に渡って存在します。
多裂筋は横突起より起始し、2-4椎体を飛び越えて上位の棘突起に付着し、腰椎でもっとも発達しています。
横突間筋は隣接する上下の横突起と連結しています。
回旋筋は横突起より起始し、上位の同側椎弓尾側から棘突起基部に付着します。
最外層や浅層の筋群は主に伸展に関与しますが、中間層や深層の筋群では脊柱の回旋や側屈にも関与しています。




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