ボードゲーム『サラウアバク』の仲間たち -岩元さん-
こんにちは!
2人用推理ボードゲーム『サラウアバク』
企画・ゲームデザインの大塚健吾です。
『サラウアバク』発表から一ヶ月経ちました。
たくさん楽しんでいただけて、うれしい限りです。
遊んでくださっている皆様、本当にありがとうございます!!
あ、なんかあれです!
ヨドバシ.comさんで1位になりました!!
ありがたいことに、結構売れています。
で、たまに、僕、言われることがあります。
「大塚、お前ずるいぞ!『サラウアバク』売れているのは、すごい人達が絵描いて小説書いて、いろいろしてもらってるからだろ!」
ちょいちょい言われます。
そう言う人に僕は言いたい!
ホント、たった一言だけ、コレだけ言わせてください!
「そう!!」
ホントそう。
というわけで、『サラウアバク』を作ったすごい人達紹介。
2回目になります。
前回はこちら
今回はですね。
岩元辰郎さんです。
今回もあれですよ。
前回に引き続きご本人に無許可で書いています。
いや~、はっはっは!
……前回以上の緊張感です。
岩元辰郎。
キャラクターデザイナー。イラストレーター
『逆転裁判シリーズ』をはじめ
リアル謎解きゲーム『歌舞伎町探偵セブン』
映画『ジャーニー』など多数のキャラクターデザインを手掛ける。
とりあえず、Twitterでハッシュタグ“#1日1ラクガキ”で検索してみてください。ホントすげぇ。
岩元さんがどんだけすごい人なのか。なんだったら、僕よりも今コレを読んでいただいている方のほうがご存知かもしれません。
コレ、印象的だったのが、まだ岩元さんにご連絡する前。
グラフィックデザイナーのでじさんとの打ち合わせ中。
岩元さんのこちらの作品を見たでじさん
「うまっ!!」
と叫んで、以降絶句されていました。
無駄に写真で示すなら
でじさん本当に一瞬で心底驚いていて。
『幽遊白書』の戸愚呂のセリフで「相手の強さがわかるもの強さの内」ってのがありますけど、まさにそういう話で。
絵のプロ同士ならではのやり取りだ!
と、カッコ良くて感動したんですよね。
コレは岩元さんに助けてもらえたら最高だな!と。
僕はお二人みたいな、絵のプロ視点からのコメントはできませんが、
僕には岩元さんにめちゃくちゃお世話になったという実績があるので、
その視点から話せたらいいなと。
2021年の大塚健吾の最も楽しかった事は、岩元さんとお話をさせていただき、お仕事をさせていただいた事でした。
打ち合わせ、毎回驚きと興奮のしっぱなしで。
アニメ見てるみたいに一瞬でキャラクターができていくのと、そのクオリティの高さ!
同時に、もし、自分がキャラクターデザイナーだったらこの人と戦わなきゃいけないのか!と怖くて心底ホッとしたのをおぼえています。
一応、僕、おこがましくも同じクリエイターとして、特にカッコイイ!と思ったのが、人柄というか姿勢というか佇まいというかトークで。
確かな実力があって、実績と信用のある方が、
常に面白い事を言ってやるぜ!やってやるぜ!って姿勢で。
しかも、すげぇ優しい。
や、もうさぁ、それは、すごすぎるじゃないですか。
岩元さんに限らずですけど、打ち合わせ、皆さんすげぇ人達で。
いったい僕はどこで勝ててるんだ!?と。
あれですからね。
僕、打ち合わせ中に毎回何度も、
「や、でもあれですから!僕、ボードゲームデザインするのは得意ですから!!」
と、言っていました。
今回の岩元さんへの依頼内容を一言でまとめると、こちらになります。
“ベタで魅力的なキャラクターが欲しい!”
……はい。
なんですか?コレは。
“ベタ”で“魅力的”。うっすら矛盾してる気もします。
我ながら、どういうこと!?って話です。
や、えっと、一応言い訳をするとですね。
今回『サラウアバク』はキャラクターが重要なボードゲームタイトルで。
怪盗と探偵の物語をボードゲームとして再現したぜ!っていうのが最大の価値です。
で、あるなら、以下の2点が重要で。
①キャラクターイラストを見ただけで、そのキャラがどんな人で、どんな物語を背負っているのか想像できる。
②それらのキャラクターがメインとしてプレイヤーに好かれるほどの魅力を持っている。
というのをまとめると、“ベタで魅力的なキャラクターが欲しい!”になります。
……や、まぁ、気持ちはわかってもらえたと思いますが、
そんでも、無茶言ってるもんは無茶言ってるじゃんすか。
“ベタで魅力的”
それで言うと、特に気に入ってるのが探偵シャロク・ヒムスビです。
ベタってだけで言ったら普通このへんいくじゃないですか。
全然、この鹿撃ち帽にマントで悪くないし、問題もないんですけど。
ここをあえて外して、それ以外で探偵と伝えるキャラクターデザインをおこなわれています。
キャラクターデザイナーってすげぇ!
ホントに細かいこと言うと、『サラウアバク』の探偵って、ゲームシステムの都合上、一目で怪盗の変装を見破れる、超人的な観察力を持つタイプの探偵ではないんですよね。
それこそ、『ルパン対ホームズ』のハーロック・ショームズさんは基本的に一切変装に惑わされませんが、それは困ると言えば困るんすよね。一応。
結果、このフィリップ・マーロウ的な、というか、『探偵物語』の松田優作的なハードボイルドで行動派の探偵像はゲームシステムとも最高にマッチしています。
コレね。僕の“ベタな”ってセリフをそのまんま捉えてたら、意外と絶対出ないと思います。
“ベタな”=一目でキャラクターの背景ストーリー伝わるようなってことね!
ってなってないと出ない。
いや~、すごいです!
大塚もっとちゃんと考えて伝えろって話ですけど、それはホントすみません!
かと、思えば、怪盗クロワソンですよ!
彼はちょっと過剰なくらいにベタな怪盗的なアイコンを持っているんですよね。シルクハットにモノクルにステッキと。
面白いほどに、ちょっと、過剰なくらいに。
そして、連想できます。
「ああ。コイツは、わざわざ理想の“怪盗”をやりにいってる人なのね!」
と。
ヒーローのコスプレして人助けとかする人がいるように、
彼にとってのヒーローが怪盗なのね。みたいな感じに。
で、ここまでくると、まさに、“ベタで魅力的”になってるんですよね。
あと、シンプルにうまいな!って思うのが、
怪盗クロワソンって基本どのカットでも必ず目のとこに影が入ってるんですよね。
コレもまた正体不明の怪盗感の演出として効いていて。
もう、なんだろ、基本的に全キャラ細やかな演出がめちゃくちゃうまいです。
あと、ゴメン!もっかいコレだけ言わせて!
この刑事さんの写真一発で、真面目で堅物で、けれど写真撮るときに照れてしまう良い人って伝えてるのホントにすごいと思う。
コレとか見て欲しいです!
あれなんですよね。
どんな分野に関わらず、依頼を受けるクリエイター必修の教科書みたいな物に必ず書いてある内容で「最低でも2案以上出しなさい」ってのがあります。
一個は相手の要望にキッチリ応えた案。そしてもう一個、要望とは微妙にズレても、こんなんやったら超面白くね?というのを考えた案。
コレ、基本みたいなものではあるんですけど、
ただ、コレ、恥ずかしながらというか、後者やんないときもあったりするんですよね。
個人的には現場によって。後者考えても意味ないじゃんと思ったり。
岩元さんその点、毎回キッチリすげぇいろいろ考えていらっしゃっていて、
必ず一個驚かせていただきました。
もう、多分、結果。ほぼ100%、“こんなんやったら超面白くね?”という案の方でいっています。本当にありがとうございます!
そういうので言うと、一番印象に残ってるのは、制作最初期の怪盗の“相棒”ですね。
怪盗の相棒キャラということが伝わればいいというのが要件で。
例えば、サポートキャラってことで、なんでしょう?ハッカーとかいいんじゃないかなぁ?こう、『スパイファミリー』で言うフランキーみたいなのとかいいんじゃないっすかね。
とかいろいろごちゃごちゃ考えて話してましたけど、
岩元さんからいただいたラフの一つを見て、ふっ飛びました。
爆笑しました。そして、コレに決めました。
いや~、僕はいったい何をごちゃごちゃ考えてたんだ!と。
以降、打ち合わせ中、絶対的なルールを決めました。
笑ったらもう決定と決めました。
『サラウアバク』は笑いながら作っていこうと決めました。
こちらパッケージイラストも岩元さんが描かれています。
機能で言うと、怪盗と探偵の1体1のゲームであること、怪盗の上下逆にしてることで怪盗のトリッキーさ、探偵の表情から真剣勝負であること。
1枚の絵からすげぇいろいろ伝わります。
本当にすげぇいろいろアイデアつめこまれていて。
ちょっとまだまだ語り足りませんが、一旦このへんで。
あと、動画見ていただくとわかるんですけど、
打ち合わせ中、めっちゃ気遣ってくださって、いろいろ話していただいて。
そういうのもめちゃくちゃ嬉しかったしありがたかったです。
そういうところまでやってもらえちゃっていいですか!と思いました。
なんなら、僕戸惑ってるとき、会議の進行もしていただいちゃったりしてますからね!!
変な言い方ですけど、
世の中にはちゃんとこういう人がいるのか!
世の中、すげぇ人ってちゃんとすげぇんだなぁ!
っていう感動がありました。
ん~。でじさんとのときも思ったけど、全然語り足りないっすね。
や、うん、えっと、もう、岩元さんホントすげぇんすよ!!
今回以上です。そんな感じです!
『サラウアバク』よろしくお願いいたします。
岩元さんのTwitterはこちらです。
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