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Peppolって何だろう?

Peppolという言葉を聞いたことがあるでしょうか。デジタル庁で推進している請求書の電子化(デジタルインボイス)に登場するキーワードになります。詳細はデジタル庁で記載(https://www.eipa.jp/peppol)がありますが、Peppolとは請求書をデジタルでやり取りするための文書およびそのネットワーク運用の標準仕様になります。この記事ではPeppolについて簡単に紹介します。

文書仕様

Peppol文書の仕様は下記で公開されています。
https://test-docs.peppol.eu/pint/pint-jp/work-v1/pint-jp/
※日本向けに一部調整された仕様になります

中身はXML文書です。

<Invoice ~>
<cbc:CustomizationID>urn:peppol:pint:billing-3.0@jp:peppol-1</cbc:CustomizationID>
<cbc:ProfileID>urn:peppol:bis:billing</cbc:ProfileID>
~
<cbc:IssueDate>2022-10-19</cbc:IssueDate>
~
</Invoice>

上記は文書の一部を抜粋したもので、文書の定義や発行日の情報を含んでいます。この他、DocumentCurrencyCodeという要素で通貨を指定したり、InvoiceLineという要素で明細を列挙したり、ClassifiedTaxCategoryという要素で列挙した各明細の税率の情報を登録できます。

全部で数百の要素があり、一部の要素は必須で、多くはオプションとして利用できる要素となります。それらの要素を用途及び仕様に合わせて文書に記載して利用します。

ネットワーク運用仕様

文書はアクセスポイントというサーバーを通してやりとりされます。詳細は下記で定義されています。
https://peppol.eu/what-is-peppol/peppol-transport-infrastructure/

文書を送る場合、送り先を指定して、自身が登録しているアクセスポイントのサーバーに文書を送ります。アクセスポイントでは文書が正しいか判定した上で、送り先が登録されているアクセスポイントのサーバーに対して文書を送ります。文書を受け取ったアクセスポイント側でも文書をチェックし、送り先へ文書を届けます。

双方のサーバーで文書を確認することで、文書仕様として正しい文書がやりとりされる運用となっています。

Peppolの利用状況

ヨーロッパを中心に、アジア、アメリカでPeppolの利用が広がっています。
https://peppol.eu/what-is-peppol/peppol-country-profiles/

地図でみると下記リンク先の図のようになるようです。
https://www.vatupdate.com/2022/06/19/peppol-usage-worldwide/

下記のリンク先の情報によると、利用者は着々と増えているようです。
https://www.tickstar.com/peppol-network-expansion-statistics/

Peppolで実現できること

文書の内容が仕様通りであれば、様々なシステムとの連携が容易となり、文書の処理の自動化が可能となります。自動化することにより、今まで手作業で行っていた作業が不要となり、コストの削減だけでなく、手作業による間違いも発生しないようになるため、全体的な効率化が望めます。

また、データの各要素に意味が定められているということは、文書のレイアウトの自動化も期待できます。可視化して確認する必要がある場合に便利ですね。

現在、日本国内での普及が進められていますが、Peppolは国際標準の仕様のため、日本国外とのやりとりで活用することも可能です。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
請求書の電子化を進める上で、Peppolは外せないキーワードになります。この記事を通してPeppolについての理解が少しでも深まりましたら幸いです。この記事で記載したことはあくまで概要ですので、詳細についてはリンク先の仕様を参照してください。読んでいただき有難うございました。

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