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【読書感想文】『 童話でわかるプロジェクトマネジメント』

【この記事は10分でご覧いただけます。】

プロジェクトやタスクの進行管理に欠かせないプロジェクトマネジメント。
今回も前回、前々回に続いて、プロジェクトマネジメントを学ぶためにプロジェクトマネジメントの本を読みました。

プロジェクトマネジメントとはどのようなものかを改めて理解したいと思い、簡単に理解できる本がないかと探している際に出会いました。



この本はタイトルにあるように童話をもとにプロジェクトマネジメントで必要な考え方を学ぶことができます。
プロジェクトマネジメントについて理解を深めたいと考えている方、プロジェクトマネジメントについて学びたいけど難しいと感じている方におすすめの1冊です。

このnoteでは、『 童話でわかるプロジェクトマネジメント』についての感想と内容について書きます。
あくまで、私個人の感想ですので、参考程度に見ていただけたら幸いです。

全体の感想

『 童話でわかるプロジェクトマネジメント』はページ数が284ページと一見、多いように感じますが、7つの童話をもとにわかりやすくプロジェクトマネジメントについて解説しています。

各童話をプロジェクトマネジメントのポイントと重ねて短い1章ずつに区切ってあるため、短時間でプロジェクトマネジメントについて少しずつ 身につけることが可能

童話を読みながら最後には童話から得られるプロジェクトマネジメントの教訓が短くまとめられているため、楽しく学ぶことができました。

また、基本の内容から実践の内容へとレベルを上げるようにして解説されているため、初心者の方でも無理なく読むことが可能。
所々で大事なポイントには図もあるため、ストーリーと共にプロジェクトマネジメントの要点を身につけられます。

更に最後の章にはプロジェクトマネジメントに欠かせない用語や要点がまとめられているため、大事なポイントを簡単に振り返りを行うことができるため、実践での活用も行うことができます。

これからプロジェクトマネジメントについて学んでみたいと考えている場合に読んでみてはいかがでしょうか。


印象残った内容

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ここでは印象に残った内容を7つ童話別に紹介します。

第1幕:3びきのこぶた

3びきのこぶた

この章ではプロジェクトの基本となる内容が主に書かれています。
まず、プロジェクトとは今までやったことがない特別な仕事であり、PDCA(Plan:計画→Do:実行→Check:評価→Action:改善)を回すことが求められると書かれています。
また、プロジェクトを始める際には予算や納期、リスクへの対応などの失敗があり、目標の設定が大切であるということが述べられています。

特に参考になった点は、基本になりますがプロジェクトの概要を明確化することです。
プロジェクトを行う上で概要として、「何のために行うのか」、「何をもって成功といえるのか」、「なぜ、このプロジェクトを行うのか」を明確化することが重要になります。

この概要を作成する上で問うべき上記のような質問が本には書かれていましたが、どの内容も大切だと感じました。
概要は、キックオフミーティングの際やさらには、役割分担、タスクの振り分けなど全てにつながる項目だからです。

例えば、 役割分担を行う際には何のためにこのプロジェクトや仕事を行なってもらうのかを明確化しておかなければ、最終的なゴールとは異なるような成果になってしまう可能性があります。
こうした共通の認識を持つためにも、まずは概要を固めるために書かれていた質問を元に問うようにしたいです。

この概要の質問は普段のタスクにおいても、報連相でタスクの目的をすり合わせることや上司の期待していることは何かといった自分のタスクにも当てはめることができるため、今後プロジェクト以外にも活用していきたいと思います。

さらに、この3びきのこぶたでは、ガントチャートやWBS、ネットワーク図の作り方やチームとグループの違いなどプロジェクトマネジメントの基礎となる数多くの内容を実例とともにわかりやすく学ぶことができました。
これからプロジェクトマネジメントを始める人に向けて重要な内容がもりだくさん書かれている章という印象を受けました。

第2幕:ウサギとカメ

ウサギとカメ

第2幕ではウサギとカメをもとに、「ゴール設定術」について解説しています。
特にプロジェクトマネジメントにおけるゴール設定は自分たちで決めると自発的になり、プロジェクトへの参加意欲を持ち続けることができると書かれています。
また、プロジェクトマネジメントにおけるゴール設定にはSMARTの法則を用いることが重要である点が解説されています。
SMARTの法則は以下のとおりです。

SMARTの法則
Specific:具体的でわかりやすい
Measurable:計測可能で、数字化されている
Attainable:達成可能で、現実的
Relevant:プロジェクトでなすべきことや成果に特化している
Timely:期限が明確になっている

このSMARTの法則は前回の本にも書かれていたようにプロジェクトマネジメントにおいて重要な法則の一つであることが改めて理解できました。
このSMARTの法則はプロジェクトにおいて重要な共通認識を持つために必要ではないかと感じました。
この法則に当てはめずそれぞれ、各々がバラバラに目標やゴール設定をしていてはプロジェクトやチームがまとまらずにうまく進めることができないため、SMARTの法則で明確に整理をして共通認識を立てるようにして行きたいと思います。

特に、学びになった点は「なぜ」と「何」を繰り返すことです。
プロジェクトには失敗がつきものとよく言われますが、この失敗の際には次に同じ失敗をしないために原因を明確にすることが重要です。
そのため、必要なことが「なぜ」を問いかけることだと解説しています。
また、なぜだけを問いかけて終わるのではなく、一歩踏み込んで「何」という質問を繰り返すことが重要である点を述べています。

今回は失敗のケースで解説がされていましたが、これは失敗以外の場合にも応用できるのではないかと読んでいて感じました。
例えば、何かがわからなくて質問をする際に、なぜわからなくてこの質問をしていて、質問をしたことで何を解決したいのかといった場面や自分がプレゼンをしている際にはなぜこの内容を伝えたいのかそして次に相手に何(どう)なって欲しいのかなど様々な場面に活用できると思いました。

今回はプロジェクトマネジメントとして「なぜ」と「何」を質問することについて学びましたが、プロジェクトマネジメントにとどまらず日常の様々な場面で活用してみようと思います。

第3幕:桃太郎

桃太郎

第3幕では桃太郎を題材に、チーム目標を達成する「仲間術」に解説しています。
プロジェクトにおいて目標を達成するためには懸念や不安点をプロジェクトメンバーに本音で話し合うことが重要だと述べています。
これはプロジェクト・マネジャーやメンバー全員が行うべきことだとしています。
一人で抱え込むのではなく、プロジェクトメンバーに相談してこそプロジェクトの成功につながるため、今後は懸念点や不安事項がある場合はすぐに相談しようと思いました。

プロジェクトを遂行するにあたっての基本の考えとして「誰が」「いつまでに」「何をすべきか」を具体化することがありました。
この具体化の方法がこの章のなかでとても勉強になりました。
それは、簡単なことですが、曖昧な表現を避けるということです。
曖昧な表現とはいくつか例を出すと、「管理する」「議論する」「企画する」などです。
ついつい使ってしまう言葉ですが
これこそが作業を明確にできない原因となり、プロジェクトとしての共通認識を持てずかえってプロジェクトを遅らせる原因になります。
ついつい私自身も使ってしまう言葉ですが、曖昧な表現を避けなくては行けないなと感じさせられました。

曖昧にしないためにも前章に書かれていたSMARTの法則や「なぜ」「何」を繰り返すことを行っていきたいと思います。

この章では他にも、プロジェクトの対立時の乗り越え方の対処法として、双方の意見を聞いてそれぞれの合意できる最適な部分を見つけることが書かれています。
また、最後にまとめとしてプロジェクトはチームでのコミュニケーションや助け合いがなくては進んで行けないということが解説されています。

違う本で読みましたが、プロジェクトなどチームワークではリーダーに任せるだけでなく支える側の協力も必要になります。
今回改めて、この章を読んで改めて、チームとして何が貢献できるのかをもっと考えていかなくてはと思いました。

第4幕:ヘンゼルとグレーテル

ヘンゼルとグレーテル

第4幕ではヘンゼルとグレーテルをもとに「リスク管理術」について解説しています。
プロジェクトは同じ方向を向いていないと失敗に向かう確率が高くなるでしょう。
こうしたリスクを防ぐためには予め、チーム全員でブレーンストーミングやステークホルダーへの相談チェックリストの活用による抜け漏れの防止が求められます。
リスクへの防止としてリスク発生確率と影響度をマトリックスにしておくことが重要であることが述べられています。

今回、特にこのリスク発生マトリックスがとても参考になりました。
リスクの発生と影響度、優先度をこのマトリックスでは一度に見ることができるために何を最優先すべきかがよくわかります。
今回感じたのはこのマトリックスは普段においても活用ができるのではないかということです。
例えば、タスクであれば行うタスクを洗い出した際に重要度と緊急度の二つの軸を置き、それぞれの優先順位を判別することができます。
判別したものをもとにタスクを遂行すれば確実に行うべきことをやり切ることができるなど多くのメリットがあると感じました。

プロジェクトの活用はもちろんのこと、タスク管理としてもこのマトリックスを活用していきたいと思います。

また、よくやってしまいがちですが、前回うまく行ったから今回もうまくいくと考えてしまう場合がよくあります。
しかし、この考えこそが失敗につながると解説しています。
プロジェクトでは新しいことを行うため、前のうまく行った例を参考にするのはいいが、それでうまくいくと決めつけること自体がリスクであると感じました。
本にも書かれていましたが、プロジェクトを遂行することは常に何がくるかわからないため未知な状況であり、失敗する可能性も十分にあるため、柔軟な思考を行えるようにしていきたいと思います。


第5幕:アリとキリギリス

アリとキリギリス

この第5幕ではアリとキリギリスを題材に、「情報共有術」について解説されています。
当たり前のことですが、相手を意識することが意思疎通の第一歩になります。
プロジェクトには関係者や意外に顧客や経営層など幅広い方が関わるため、様々な関係者と意思疎通を図ることが重要になると述べています。

特に、コミュニケーションは自分以外は自分と違うということを認識することが必要になるという点が印象に残りました。
コミュニケーションは自分が相手に伝えたと思っていても伝わっていないことがあります。
それは主に、相手を理解しておらず自分本位になってしまっているからではないかと改めて考えさせられました。
相手の価値観や背景を理解していないことは一方的な意見の押し付けになってしまうため、これから気をつけていこうと思います。

また、この章ではミーティングの進め方における注意点も解説されています。
ミーティングでは目的を明確にすることや議題やアジェンダを事前に決めるなどが重要なポイントが書かれていました。
私自身このミーティングのポイントとして最も意識しなければいけないと感じた点が、チームの問題として「誰が」「何を」「いつまでに」を整理し、ミーティングを終えることです。

これまでにミーティングを何回か行って来たものの、この「誰が」「いつまでに」「何を」という視点が振り返ってみると抜けてしまっていたと感じました。
この3点をあやふやにしてしまったことで、ミーティング後に改めて誰が何をするのかを確認するいわゆる無駄な時間が発生していました。
今後は、ミーティングの際には、「誰が」「何を」「いつまでに」という視点を常に持ちながら臨みたいと思います。


第6幕:長靴を履いた猫

長靴を履いた猫

第6幕では長靴をはいた猫のお話をもとに「信頼関係構築術」について解説しています。
信頼関係を構築するには第一印象が決め手。
第一印象に人は影響を受けることが述べられています。
また、メラビアンの法則によると話をしていて聞き手がよくわからないと感じた際に、聞き手は話の内容よりも見た目やボディランゲージ、声の調子などを重視するように第一印象は重要です。

また、信頼関係を築く上で大切なのは自己を開示することだとしています。
自己を開示することで思わぬ部分から共通点を導き出すことができます。
この部分を読んで特に私自身は自己開示をあまり積極的にできていないため、これを機にもっと自己開示をしていかなければと感じました。

さらに、この章では基本となりますが、相手の感情や立場、状況を理解することが大切であることが述べられています。
この考えは第5幕にもあったように、自分以外は自分と違うということを考えるという部分にも通づるのではないかと思いました。
常に自分中心に考えるのではなく、相手の立場や感情などを理解することを改めて徹底していきたいと思います。

第7幕:シンデレラ


シンデレラ

第7幕ではシンデレラを題材にして「付き合い術」について解説しています。特に失敗への向き合い方やプロジェクトへの不平不満などネガティブになった際の乗り越え方について述べています。

中でも理不尽な場合や失敗をした際には、捉え方を変えてみて「もう少し頑張ろう」「次、頑張ろう」と前向きになることが重要です。
また、不平不満は陰口をするのではなく、直接いうことが大切であることを解説しています。
一人で影で言うのではなく、直接言うことで、もしかするとお互いに誤解が生じている場合や解決に至る場合があります。
陰口はプロジェクトへのマイナスになるため、良くないことです。

この章全体を読んで、改めて失敗への向き合い方であったり、嫌な人との付き合い方であったり、見直していかなくてはいけないと感じることが多々ありました。
これを機に改めていきたいと思います。

まとめ

まとめ

今回は、『 童話でわかるプロジェクトマネジメント』について内容とともに感想を紹介してきました。

この本はプロジェクトマネジメントを勉強したいと考えている方におすすめの一冊です。
童話7つと共にプロジェクトマネジメントについて基礎から学ぶことができます。

また、要点もしっかりとまとめられているため、実践しながら振り返りを行うことも可能です。

私は今回学んだ内容を現在行なっている進行管理のタスクに活かしていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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