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公共料金の無償化に向けて②

※閲覧いただきありがとうございます!!はじめに、このコラムはシリーズの第2弾となっていますので、まだ第1弾をご覧になってない方は下の記事からお願いします!

さて、今回は前回の宿題の答え合わせをした上で、解説を丁寧にやっていきます。今日も最後に宿題を用意しているので、じっくり考えて見てください!では早速いきましょう!!

1 宿題の答え合わせ

前回の宿題は、「公共事業の価格と生産量の組み合わせを考えてみよう」というものでしたね。改めて、グラフと各交点での公共事業の利潤を確認しましょう。

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皆さんはどの点を選びましたか?利潤の面でBを選んだ人が多いのではないでしょうか?

実は、「BとDがどちらも正解で、どちらも間違い」ということになります!

2 市場の失敗(A点とB点の解説)

困惑している人も多いと思うので、各点を選んだ場合の解説を丁寧にしていきます!

まずはA点からです。ここを選ぶと、利潤がないばかりか価格が高すぎて需要が低くなります。公共事業として、「みんなに広く使ってもらえること」が前提としてありますから、A点の少ない生産量だとそれが実現できません。よって、A点は最初に候補から除外されます。

続いてB点です。生産者側(公共事業側)からすれば、唯一利潤がプラスになりますから、これに食いつくでしょう。企業が利潤最大化を目標とすることを考えれば、合理的な答えといえます。

一方、消費者側からしたらどうでしょう?C点やD点で供給してもらった方が、価格が安いのでありがたいですよね?しかし、現実的にB点に落ち着くというのが妥当なんです。なぜなら、「公共事業が独占状態にある」ということが原因です。

前回のコラムでも触れましたが、企業は完全競争下で価格面や品質面など様々なところで同業他社と争っています。しかし公共事業には競争相手がいないので、価格競争などをしなくても需要は減りません。故に公共事業は、「価格を不当につり上げて生産量を少なくしている」ということです。これを経済学的に、「市場の失敗」といいます。「自由競争で価格を安くすれば、市場に活気が出る!」という流れに逆らっているわけです。この意味でBが間違いだとも言えることがわかるでしょう。

3 政府の救いの手(C点とD点の解説)

次にC点とD点を同時に解説していきます。

C点を選ぶと、B点よりも価格は安くなっています。しかし、生産量を考えればD点を選んだ方がよいと考えられます。公共事業の「みんなに広く使ってもらえること」という前提を思い出してください。さらに、D点では価格が1番安くなるので消費者の満足感が高まります。

さらに今回のように公共事業を考えるとき、生産者より消費者の方が圧倒的に多いですから、消費者の満足度を高めた方が社会全体の満足感を高めることに繋がります。よって、D点は社会的に見て1番よい答えだと言えます。

しかし生産者側からしたら、D点での生産は大赤字です。誰かに補償してもらわないとやってられません。公共事業ですから民間の企業に助けを求める訳にもいかず、結局政府に頼ることとなるのです。政府に頼らず利益を上げた方が、運営的には楽な訳ですから、この意味でD点での生産は間違いだと言えます。

このときもし、政府が「ちゃんと補償をして運営とかには関わらないから、みんなが満足するような生産を行ってね!!」と言ってくれれば問題はないのですが、今の政府は医療現場の支援や10万円一律給付についての対応で手一杯ですから、そうすぐに公共料金についての議論が活発化するとは言い切れないですね。

4 今日の宿題

さて、今回も宿題を出しますので考えてみてください!!

宿題は、「一律の10万円給付と公共料金の一定期間の無償化、どちらが優れた経済政策か?」ということです。

どちらも家計を助ける大切な政策だからこそ、皆さんと考えたいと思っています。当然、様々な側面から考察できると思うので是非やってみてください!!次回のコラムで私なりの考えをお伝えしたいと思います。


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