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部活動の地域移行について考えてみた

学生時代打ち込んだことを聞かれると『部活動』と答える人も多いのではないでしょうか?
私自身も放課後になると、グラウンドへ出て部活動に打ち込んだことを昨日のことのように思い出します。
そんな部活動で今大きな話題となっている『部活動の地域移行』について考えてみようと思います。

部活動地域移行のメリット

まず、部活動地域移行のメリットについて考えてみようと思います。

《生徒側のメリット》
・専門的な指導が受けられる
・参加人数が少なく活動ができない学生にとって積極的な活動を行える場が提供できる可能性がある
《教員側のメリット》
・専門知識のない部活動への割当による心理的負担を軽減できる
・部活動による休日出勤、残業時間を減らす(なくす)ことができる

それぞれにメリットがあることはここに挙げた通りです。
特に自分の出身高校のサッカー部は当時部員11名ギリギリ。いろんな理由で部活動を休む人もたくさんという環境だったので、積極的な活動を行えるというのはいいなと思ってしまいます。
ですが、本当にメリットばかりなのでしょうか?

部活動地域移行のデメリット

ここであげるのは実体験に基づいたデメリットです。
(他にもあるかもしれませんし、疑問に思われる方もいるかもしれません)

・学校行事との連携がうまくいかなくなる可能性がある。
→「個々の学校行事の日程」と「地域移行先での日程」の調整が難しくなる可能性がある。
部活動であっても、全国大会の日程と修学旅行が重なり参加できないということが起きていることも聞いたことがあります。

・部活動での教育的価値を低下させる可能性がある。
→先生と生徒、先輩と後輩といった上下関係や学校内で部活動単位で実施する挨拶運動や各種行事準備などが行いづらくなる可能性がある。
上下関係というのが果たして必要なのか?という疑問もあるかとは思います。もちろん行き過ぎた上下関係は不要と考えますが、年齢というのは変えられません。お互いを尊敬して正しく接するというのは実力主義では学べないでしょう。

・勝利至上主義へのさらなる転換
部活動の勝利至上主義は大きく議論されています。
この問題は専門性の高い指導者が入る活動であればあるほど高まると思いますし、現に適切な指導知識を持った先生の部活動ほど勝利至上主義であるように感じます。

・学校への愛着の問題
学校が好きか?という質問に対してどう答えますか?
自分は出身学校のことが大好きです。
部活動で試合に出ていると学校を代表して出ているかのような感覚になったものです。
この愛着って大事だと思うのです。好きなものに対して悪いイメージを持たれることはみんな嫌だと思います。
例えば、大好きな恋人のこと悪く思われたくないですよね?
学校が好きであれば勉強も頑張ろうと思う。そんな気がします。

最後は感情論のような気もしますが、地域への部活動移転は専門性というメリットはある一方で、生徒と学校という価値感に一定の変化が起きるのではないでしょうか?

地域への移行が最適解なのか?

これまでメリットとデメリットという対立形式で考えてみました。
こうしたことは整理されたうえで、この議論が行われているのは間違いないと思います。
ですが、地域への移行が最適解なのでしょうか?

『生徒の主体性を重んじた部活動の運営』

私が考える部活動のあり方として主体性を重んじた部活動運営があると思います。
顧問と協力し練習メニューや活動内容を考えたり、活動日を決定する。
コミュニケーション能力と自主性を育む活動として部活動を実施することも方法によっては可能なのではないでしょうか。

私自身恵まれていたことにそのような部活動を経験することができました。
競技経験のない顧問の先生のもとでの活動でしたが、全員で協力し練習メニューを作成したり、顧問の先生と協力し実施したことのない合宿を計画しました。
この経験は忘れられない思い出となり、そして大きな経験の1つです。

『横断型部活動運営』

特に運動部活動向けになってしまいますが複数の運動部活動を掛け持ちしてもよい仕組みづくりも必要なのではないでしょうか。
現時点では学校単位では部活動の掛け持ちはOKでも大会への出場要件が緩和されていないケースもあるようです。
この問題を解消し、複数の運動部活動で公式戦に出場することができるようにすることが必要なのではないでしょうか。

最後に・・・

自分の部活動経験を踏まえ『部活動の地域移行』について考えてみました。
私が知らない実態もあると思うので一概には断定できません。
ですが、0か10で考えるのではなく、地域や各学校の特性を考慮し、最適な方針で活動が行われることを心から願っています。

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