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世界大恐慌とリーマンショックと新型肺炎

リーマンショック後の世界経済の回復スピードの速さは1929年の大恐慌と比較すると歴然としている。

リーマンショックは本当に100年に一度の危機だったのか?
1929年から4年で米国失業率は3%から25%へ。リーマンショックでは翌年2010年9.6%から下げ基調で現在3.5%、50年ぶりの低水準まで回復。

米国GDPは1929年から3年間で、約3割減少したのに対し、リーマンショック後から2年でプラス成長。

米国消費者物価は大恐慌後3年間で20パーセント下落したが、2009年にマイナス0.3%から翌年にはプラスに転じている。

1929年の世界大恐慌時、フーバー大統領は不況はしばらくすれば元の景気に回復するという古典派経済学の姿勢を貫き、国内においては、政府による経済介入を最小限に抑える政策を継続したのが失敗だった。一方、リーマンショック時オバマ大統領はフーバー大統領の失敗の教訓から、財政出動や金融緩和、税金による金融機関や自動車会社まで救済するなどして、うまく舵取りしたことから早急に危機から救われた。

そういう意味では、今回の新型肺炎もトランプ大統領がどのように対処していくかによって経済的インパクトは変わって来るかもしれない。

但し、注意しなければいけないのは世界大恐慌もリーマンショックも経済そのものの問題であったが、今回の新型肺炎はこれまでの経済危機とは毛色が全く異なる点である。歴史上、初めてとも言えるブラックスワン的イベントに我々は未だその怪物の大きさを見積もることはできない。

立沢 賢一

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