調整局面での典型的な需給相場-マーケット考察-2020.6.26

米国株式相場は反発。ダウ平均は299.66ドル高の25745.60ドル、ナスダックは107.84ポイント高の10017.00ポイント。

ウイルス感染者数の急増が報告されていることを嫌気し下落で寄り付き、テキサス州知事がヒューストンを含むハリス郡ほか4郡で緊急性のない手術を延期する指示を出しました。NY市は7月6日からレストラン店内での飲食などが可能となる第3段階目の経済再開に入る予定ですが、テキサス州、フロリダ州で経済活動の段階的な再開をいったん停止すると発表すると下げ幅を拡大しました。

その後、当局がボルカールールの緩和を承認、スワップ取引の証拠金要件撤廃を発表すると金融関連株中心に上昇に転じ、引けにかけて上げ幅を拡大する展開となりました。

労働省が25日発表した6月20日終了週の新規失業保険申請件数は148万件( 予想130万件) でした。前週の154万件からは減少したものの企業のレイオフは続いており、米労働市場が新型コロナウイルス流行の影響から回復するには数年を要する可能性が改めて浮き彫りとなりました。

米商務省が25日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)確報値は年率換算で前期比5.0%減だった。改定値から変わらず、市場予想と一致しました。

規制緩和は良いニュースですが、そもそも市場の焦点は感染第二波で、両者を比較すれば、やはり後者に対する警戒感が強いというのが常識的な考え方です。更に、そもそも前日700 ポイント以上下落した要因は何一つ解決しておらず、昨日のような価格動向は機関投資家が悲観的にもかかわらず相場が底堅いという印象を受けるでしまいます。そういう意味では、正に調整局面での典型的な需給相場と言えます。

いずれにしても、中長期投資家は日々の相場に一喜一憂するのは得策でなさそうです。確かに、今の所、株価が意外に底堅いのは事実ですが、結局、感染第二波問題がクリアにならないと、レンジブレークは難しいでしょう。個人的には感染第二波は来ると予想していまし、反トランプ派によるメディア操作や米中戦争の本格化により中国が米国の食物を購入しない戦略を採った場合、トランプ大統領は中西部票を獲得できなくなりトランプ大統領が大統領選で負ける可能性が上昇してしまうことで、過剰流動性で膨れ上がっている株価の修正はあると予測しています。

立沢 賢一(たつざわ けんいち)
元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資家サロンを通して投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。

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