コロナ第2波懸念の中、なぜ相場上昇したのか[マーケット考察]2020.7.7

米国株式相場は続伸。
ダウ工業株30種平均は前営業日終値比459.67ドル高の2万6287.03ドルで終了。ナスダック総合指数は226.02ポイント高の1万0433.65で取引を終え、終値での史上最高値を3営業日連続で更新しました。

中国市場の代表的な指数である上海総合指数は5.7%上昇し、2年5カ月ぶりの高値で終了。中国国有メディアが「健全な強気市場を醸成することが非常に重要」との論説を掲載したことが好感されたとみられています。

昨日発表されたサプライ管理協会(ISM)の6月の米非製造業景況指数は57.1と、2月以来の高水準となり、市場予想も大きく上回り、先週の強い米雇用統計を受けた楽観的ムードが続いた状態のようでした。

とは言え、引き続き、米国の南部や西部を中心に新型コロナウイルスの新規感染者が急増しており、7月に入ってから16州で新規感染者が最多を更新。感染再拡大が早期の景気回復の妨げとなることが懸念されています。

経済再開と感染第2波の綱引きの状態にある中で、市場予想を上回る経済指標や巨額の財政刺激策、大胆な金融緩和策が市場の強気モードをこの数日間は支えています。更に、米中覇権戦争最中にも拘らず、サプライチェーンの中心となっている中国の景気回復への期待も高まり、それが米国株式市場をサポートしているとさえ解釈されています。

テクニカル的には、ダウ平均は200日線が天井になっていますが、その水準を再びトライしに行くのか注目されます。本日は200日線は2万6250円付近に位置しています。

感染第2波の足音は静かに聞こえてきているものの、株式市場は大統領選や財政・金融政策の動きから判断して上昇欲が根底にありますから、相場に大きなネガティブ要因が無いような日は上値トライの絶好の日となるのです。昨日がまさにその典型的な日だと言えるでしょう。

立沢 賢一(たつざわ けんいち)
元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。

・投資家サロン
( https://www.kenichi-tatsuzawa.com/neic )
・YouTube
( https://www.youtube.com/channel/UCgflC7hIggSJnEZH4FMTxGQ?view_as=subscriber )
・Twitter 
( https://twitter.com/1W5ZxdsD9j8LQAo )

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?