戻り売りスタンス継続、市場最悪の米失業保険数と原油価格の上昇

史上最悪な米失業保険数でマイナスオープンした米国株式市場は乱高下を繰り返しながらも最後は上昇して引けました。昨日の株式市場は25%原油価格の上昇がそれ以外の全てのマイナス要因を帳消し好感した格好になりました。

サウジアラビアとロシアの歩み寄りは米国にとってもロシアにとっても良いニュースですが、本当に減産合意がなされるにはかなりの道のりがあるのは否めないです。実際に、サウジアラビアとロシアは1日当たり1000万バレル減産するのは物理的に不可能であり、専門家の受け止め方はかなり懐疑的に見えます。

2週連続で絶望的な雇用市場を表す米失業保険数増加でありましたが、ポイントは一体いつまで悪化している経済指標が継続するのかです。今日の米国雇用統計がどのように金融市場に影響を与えるのかは未だ不透明です。昨日上昇した原油価格の価格動向も併せて反応を見る必要があります。

いずれにしても市場センチメントはショッキングな経済的ニュースを消化しうるだけの耐久性は出てきたように思えます。然し乍ら、市場はミクロ経済的なインパクトはまだ織り込みきれていません。第1四半期の企業決算の中では人件費や流動性確保のための財務上の負担や配当カットも当然予想されますので、株式市場下落リスク要因はまだまだ存在してます。

勿論最大のリスク要因は新型コロナウイルス肺炎の感染状況ですから戻り売りのスタンスは変更できないです。

立沢 賢一

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