米国株マーケット考察 2020.10.13

マーケットサマリー

米国株式相場は4営業日続伸。ダウ工業株30種平均は前週末終値比250.62ドル高の2万8837.52ドルで終了。ナスダック総合指数は296.32ポイント高の1万1876.26で引けました。S&P500は9月の最高値の約1%手前まで接近していて、先月9%下落した分をほぼ取り戻るレベルにまできています。ニューヨーク証券取引所の出来高は前週末比1億1482万株減の7億8034万株と非常に薄い商いでした。

昨日はテック企業中心に株価が上昇しました。主には、(1) 携帯端末のアップル(AAPL)は13日に予定されている製品発表イベントでの5G対応の新型アイフォーン12の発表が予想されており、複数のアナリストが強気の見方を示したことと、(2) オンライン小売りのアマゾンはパンデミックで延期されていたプライム会員に贈る年に一度のビッグセール「プライムデー」を13日から14日にかけて開催することでした。

トランプ米政権は9日、1兆8000億ドルに増額した新型コロナウイルスの追加経済対策を野党民主党に提示。受け入れられなかったものの、11日には限定的な救済策の早期実現を要請したと報道があり、米大統領選を約3週間後に控えて交渉が進展しつつあるとの楽観的な見方が相場を支えています。

市場は兎に角、ポジティブモードで良いところ取り感が満載です。(1) 米国中央銀行(FRB)は、完全雇用に向けて「如何なる手段を講じる」スタンスですし、(2) たとえ与野党での追加経済策の合意が直ぐに成立しないとしても、またトランプ大統領が再選されようが、バイデン大統領が誕生しようが、来年第1・四半期には大規模な政策が打ち出されることに、市場は好感しているのです。

市場は13日から始まる7~9月期決算発表にも注目。ロイター通信の調査では、S&P500種株価指数を構成する企業の純利益は前年同期比21%減少ですが、減益幅は4~6月期の30.6%に比べて改善すると予想されていることへの期待感も浮上しています。

立沢 賢一(たつざわ けんいち)
元HSBC証券社長。
会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。

・立沢賢一 世界の教養チャンネル
http://www.youtube.com/c/TatsuzawaKenichi

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