モモ

信州伊那谷里山の麓。資本主義経済から軸足を抜いて豊かな森と自家菜園、養蜂、烏骨鶏、山羊…

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信州伊那谷里山の麓。資本主義経済から軸足を抜いて豊かな森と自家菜園、養蜂、烏骨鶏、山羊飼い、石窯、薪ストーブ中心のエネルギー生活をしながら幸せを考えています。

最近の記事

シェフが主夫になったらこうなった。〜楽しく自給率を上げる。時代に左右されない生き方〜

プロローグ 豊かさ  僕らにとっての「豊かさ」とは何だろう?というのはいつの時代も不変の問いだ。欲しい物を買えるだけのお金がある状態とか、好きな事をする時間が持てる状態とか、心が穏やかにいられる時間や空間だったりするのか。そしてそれは時代によって刻々と変わってゆくものでもある。はるか昔は「明日の食べ物がある」ということが「豊かさ」だったし、「殺される心配がない」という事が「豊かさ」だった時代もあると想像したりする。 僕もこの資本主義社会で生まれ、豊かさとはお金で何でも買え

    • ゴミはどこからやって来るか?

      毎日炊事をしていると見えて来る事がある。 ゴミ箱の中身だ。 僕の住む市町村では「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」とで大別している。そして中々に厳しい。燃えないゴミの中に燃えるゴミが混入しよう物なら容赦無く回収されずにゴミステーションに残され、近所から「ごみ残ってるよー!」と連絡が来たりする。そしたら渋々ゴミを取りに行って「燃えるゴミとやら」をぬいてから再度ゴミステーションに再び置いて来る。 ただこの「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」の定義が難しい。これは物理的に燃えるか燃えない

      • 薪ストーブor太陽光発電

        昔話でいう「お爺さんは山へしば刈りに、お婆さんは川へ洗濯に〜」というフレーズを日本国民はみんな知っている。でも本当に理解している人はなかなか少ないのではないか。 このお爺さんのしば刈りは「芝刈り」ではなく「柴刈り」なのだ。そもそも山に芝は生えないし、芝を刈って得られるものはない。 では柴刈りとはなんぞや?というと、これは「薪木」のことである。 ガスの普及前の人々の暮らしの煮炊きは釜で火を炊いて行われた。だから各家庭では薪木は常に切らしてはいけないエネルギー源だった。しか

        • 継ぎはぎ靴下と僕とダーニング。

          買い物をする上でひとつ気をつけていることがある。今買おうとしているその物は自分で修理できる代物かどうか。 必要で修理できる物なら迷わず買う。修理できない物なら少し考える。 自分で修理できない物は、当然だが壊れたら他人に修理を依頼するか、ゴミにするしかない。そして大概その修理費は新品を買うか迷うほどの費用がかかったりする。当然、ゴミにするという選択をした場合は、新品をまた同じかそれ以上の価格で購入し直すことになる。そしてまた壊れる。そしてゴミを買った事と、地球上にしょうもな

        シェフが主夫になったらこうなった。〜楽しく自給率を上げる。時代に左右されない生き方〜

          霜が降りる瞬間

          12月に入り、本格的に冬がやって来た。 信州の寒山は明け方になると気温が氷点下になって「霜」が降りる。 霜は大概目覚める前に降りてしまうので、朝外に出て土に霜柱ができたとか、車のガラスが凍りついたとかで霜の寒さを感じる。 ただ、僕は霜が降りる瞬間を目にあたりにした事がある。それは想像を遥かに超えた美しさだっだ。 それは1月中旬の冬のど真ん中の寒い寒い真夜中だった。その日は店の仕事が長引いて帰りが24時を回ってしまった。店から出ると身震いするほど冷えた空気が素肌を刺す。僕は

          霜が降りる瞬間

          我が家の自給おつまみ。

          朝6時、僕は畑に行く。そして食べ頃の野菜を必要なだけ採って戻る。 今日のおつまみは「きゅうりのスパイス和え」、昔若い頃にインドの列車の中で食べた。太いきゅうりに旨そうなスパイスと塩をかけて、仕上げにライムを絞って渡してくれた。今でもあの味が忘れられない。自分なりに調合したスパイスをかけて、レモン汁を垂らしてかぶりつく。 旨い。。あの味とは違うが旨いものは旨い。 またある朝は枝豆を2株ほど収穫して、プチプチと豆の部分を茎から引きちぎる。塩で揉んだ後に茹で上げる。もちそのまま

          我が家の自給おつまみ。

          コロナのち鬱のちゼロスタート【リスタート編】

          【現実を見ろ!まだ闘うか?成長至上主義との訣別】2022年3月 退院した。山の麓にある自宅で春先の陽だまりに腰掛ける。木々は蒼く茂り、遠くの山には残雪。空は薄い青色。 「はてはてどうしたものか?」 うつ病は再発率が50%を超える。2人に1人はまた入退院を繰り返す。 当面は通院を継続しながらゆっくり休もうと思う。ただ子供も2人育ち盛りで妻もいる。家族のためにも社会復帰は早い方がいい。 だが、この入院の代償に体力も弱体化し、図太かった神経も細く固くなった様な気がする。(

          コロナのち鬱のちゼロスタート【リスタート編】

          うつを患い倒産して得た2年間でできること。

          僕(46才・男性)は地方で飲食店を2店舗経営していましたが、コロナウィルスパンデミックで一変した世界で、皆さんと同じくコロナに立ち向かい闘いつづけるも、僕は虚しく一年後にうつ病発症で入院し、会社を倒産せざるを得ない事になりました。 倒産とは言えば易し行うは難しで、弁護士に依頼して破産申立てと言う破産開始手続きが始まるが、裁判所から指定された管財人が全ての手続きを終了させるまでの期間は平均で2年間を要することに。 こうして出来た2年間という時間をどう過ごすのか?と自分に問い

          うつを患い倒産して得た2年間でできること。

          現代だからこそ読み解きたいファンタジー「モモ」

          ある日ある天才が世界中の人間にパソコンを携帯させる事を思いついた。 いいや、「パソコン」じゃない。「電話」だ。「電話」なら老若男女知っている。 この超小型多機能パソコンは「携帯電話」として売り出せ! そうだなネームは「スマートフォン」がいい。 2022年 驚くべき多産と膨大な広告により日本の「スマホ」の普及率は99%に到達した。 実際にそのスマホの便利さときたら驚くほどでした。電話・カメラ・ラジオ・テレビ・動画・地図ナビ・翻訳・ゲーム・コミニティーへの参加などなど・・・

          現代だからこそ読み解きたいファンタジー「モモ」

          【持続可能な伴侶との暮らし】

          この夏に山羊市で子山羊を一頭買った。 晩夏の昼過ぎ、太陽の日差しはまだまだ元気いっぱいだ。だが、午後からは雨予報が出ている。チャンスは今しかねー。 長野県伊那谷の標高700mの山の麓にある我が家はお盆が過ぎれば急に秋がやってくる。はずだが近年気候がおかしいのかまだまだ残暑が残っている。今日も背中から汗が噴き出る、「あちい あちい」と言いながら大きなビニール袋に乾草を詰める。隣では愛山羊のモモが知らぬ顔で草を食べている。 何をやってんの?って?「ホシ草」をビニールに入れて

          【持続可能な伴侶との暮らし】

          コロナのち鬱のちゼロスタート【闘病は戦わないこと編】

          【遮断と孤独】保護室という独房に緊急入院して1週間たっただろうか・・・6日目か・・・わかんない、どっちでもいいか・・・ 3食の他に寝る前に薬を飲むようになった。なんの薬でどんな効果があるかはわからない。飲んでみて自覚症状もない。そういえば着替えもないのでここ数日風呂はおろかずっと同じ服とジーパンで布団にくるまっている。一体全体僕はどうなっていくのか? 病院食はなんとなくまずい物と言う先入観があったが、意外に毎食旨い。1日の3度の食事が楽しみだった。保護室とは「自分を傷つけ

          コロナのち鬱のちゼロスタート【闘病は戦わないこと編】

          コロナのち鬱のちゼロスタート【激戦編】

          【謎のウィルス襲来】僕の修行時代の恩師(前職の社長)はこう言った 「飲食である程度リッチになるなら3店舗はやれ。」 僕はひたすらになんの疑いもなくそこに向かっていた。やれやれ、4年かかってやっと2店舗目だ。でも3店舗まであと1店舗になる。法人化や社員雇用、顧問税理士など2店舗目までのハードルは意外と高かったが、これが出来上がればあとはタイミングで3店舗は時間の問題だと思った。そうだ、ゴールがようやく見えてきた。 2店舗目は今までの和食店とは異なり焼肉業態だった。業態開発

          コロナのち鬱のちゼロスタート【激戦編】

          【持続可能な伴侶との暮らし。】

          晩夏の昼過ぎ、太陽の日差しはまだまだ元気いっぱいだ。だが、午後からは雨予報が出ている。チャンスは今しかねー。 長野県伊那谷の標高700mの山の麓にある我が家はお盆が過ぎれば急に秋がやってくる。はずだが近年気候がおかしいのかまだまだ残暑が残っている。今日も背中から汗が噴き出る、「あちい あちい」と言いながら大きなビニール袋に乾草を詰める。隣では愛山羊のモモが知らぬ顔で草を食べている。 何をやってんの?って?「ホシ草」をビニールに入れてんのさ。 だからそれは何のため?って?そ

          【持続可能な伴侶との暮らし。】

          コロナのち、鬱のち、ゼロスタート。

          信州伊那谷里山の麓。資本主義経済から軸足を抜いて豊かな森と自家菜園、養蜂、烏骨鶏、山羊飼い、石窯、薪ストーブ中心のエネルギー生活をしながら幸せを考えています。 【さあ、また始めよう。】半年前 見慣れた里山、小鳥のさえずり、風が通って肌にあたる感覚、近くを通る車の音、遠くを飛ぶ飛行機音。 久しぶりでもあり、常にあった事でもあり、当たり前の事でもある。つまり、、何十年も忘れていた感覚。。 重度の鬱病と診断され保護入院して塀の中で過ごした。外部から遮断された世界、ある意味守

          コロナのち、鬱のち、ゼロスタート。