見出し画像

【004】仏教学習note【仏教哲学の世界観1-4】

こんにちは。
このシリーズでは僕が仏教について学んだことを記しています。
なお、僕は仏教について何にも知りません。

仏教学者で花園大学の教授をなさっている佐々木閑先生のYouTubeでの講座を見て、その内容をまとめています。

もちろん僕の主観によるまとめなので色々と解釈の違いや間違った理解があるかと思います。
それはXなどでご指摘いただけると幸いです。

あくまでも大学生の受講ノートみたいなものだと考えていただけると幸いです。



前回は古代インドの歴史。インダス文明からアーリア人の進入、そして仏教が登場する時代であるバラモン教世界の成立まで。
今回はバラモン教世界の概要です。


仏教哲学の世界観 1-4

https://youtu.be/4fwsYolbvUw?si=oLjVnutZNsnhk7zE

AIによる要約

  1. アーリア人のインド進出とバラモン教世界の形成

  2. バラモン教世界と梵天の崇拝

  3. バラモン教の基本教え: 神梵天の恩恵と聖典

  4. カースト制度: アーリア民族の階級制度と身分差別

  5. 複合的な差別構造: カースト制度の深刻な影響

  6. 旃陀羅(せんだら): インドのカースト制度と日本の歴史的な差別用語

  7. 現代日本の仏教社会とインドのバラモン教世界

  8. 現代のインド:ヴェーダとカースト制度の影響

学習したこと

アーリア人、すなわちインド・ヨーロッパ語族を話す民族が、インド亜大陸に進出した。
そこでインド土着の民族と混淆してバラモン教世界が成立した。

バラモンとは

「バラモン」とは「ブラフマン」のこと。あるいは派生のブラフマナ。
バラモンという日本での呼び方はブラフマンの訛りである。
そしてブラフマンとは「梵天」を指す。
つまりバラモン教とは「梵天教」とすることもできる。

ブラフマンは世界を司る最高神であり、人間はブラフマンをはじめとした様々な神の恩恵を受けて生きているという考え方。
これは日本の神道でいうところの八百万の神に非常に似た考え方。

このバラモン教の教えが記されている聖典が「ヴェーダ」である。

カースト制度という身分制度の成立

ヴェーダは宇宙の真理が書いてあると信じられている。
世界に満ち満ちているブラフマンがあり、そのブラフマンからの天啓が描かれているのが聖典ヴェーダである。
その教えによると
「人は生まれながら、階級ごとに生きる道が決められている」
ということになっている。
これがカースト制度の考え方の基となっている。

アーリア民族がインドに進出したことで

  • 進出してきたアーリア人

  • 元からインドに住んでいた人

このような民族的な二重構造が発生。
さらにカーストによって決められた4つの身分制度が重なり合った。

  1. バラモン

    • ほとんどアーリア人で構成されている

  2. クシャトリア

    • すこし土着のインド人も加わるが大部分がアーリア人で構成

  3. ヴァイシャ

    • 一般市民の扱い。アーリア人もいるが土着のインド人の比率が高くなる

  4. シュードラ

    • 土着の人がほとんど

このように階級が下がるほど土着のインド人の構成が増えてくる。

アウトカーストの存在、そしてカーストは日本も無関係ではない

カースト制度は4つの階級に分かれるが、さらにこの下に「チャンダーラ」という4つの身分にも入らない区分がある。
これはインドでも、南や東の少数民族などカーストの成立以降に接点を持った土着の民族が加わると、カースト自体にも加えてもらえなかった人々が出てくる。
このことからカーストは4段階としていても、差別としてはそれ以下の段階も存在している。

なお、「チャンダーラ」の考え方は日本にも入っている。
これを旃陀羅(せんだら)と呼び「チャンダーラ」の音写である。
この旃陀羅という言葉は日本の部落差別で使われた言葉で、実は日本にもカースト制度の考え方は流入していたことになる。
で、日本においてこのような差別用語は
仏教によって伝来された

つまり、インドのカースト制度から生まれた差別が仏教によって日本に伝わり、当時のお坊さんや民衆が日本における部落差別の言葉として利用してしまっていたことになる。

バラモン教がインド大衆文化となりヒンズー教へ

バラモン教世界は神の数や聖地が増やしながら祭りを始めとする大衆文化へと成長していく。
増えていく神にも人気のある神が登場してきており、現在ではシヴァ神やビシュヌ神などが崇められるようになった。それでもベースとしてはバラモン(梵天)が存在しており、聖典ヴェーダが受け継げられている。
それらを包括して継承し、現在のヒンズー教となっている。

カースト制は法律上では無いことになっているが、現在でも民衆の生活のなかには根強く残っている。

感想

アーリア人の進出と土着のインド人の混淆によって成立したバラモン教世界。これは

  1. 梵(ブラフマン・梵天)

  2. ヴェーダ(聖典)

  3. カースト(身分制度)

    1. バラモン

    2. クシャトリア

    3. ヴァイシャ

    4. シュードラ

    5. チャンダーラ(アウトカースト)

このような要素によって構成されている。
「バラモン」という言葉が「ブラフマン」の音写から来ているのであれば、カーストの最上位である「バラモン」は「ブラフマン」であり「梵天」であり、世界を司る神という事になるのだろうか???
つまり階級の最上位は神様ということ?でもバラモンは人の階級名だよね?

「ワンピース」の天龍人みたいな感じだろうか?

こんなイメージ?

それにしてもいまだにカースト制度が残っているのはなぜだろう?
それとアウトカーストといえば「ダリット」という不可触民というのがあると聞いたことがあるけどそれは今回学習した「チャンダーラ」とは別なのだろうか?
興味深いのは「チャンダーラ」が旃陀羅(せんだら)として日本にも入っていたこと。そして部落差別用語として使われてしまっていたこと。
重要なのはそれが仏教を介して入ってしまった言葉であり概念であったこと。
仏教は反バラモン世界ということで生まれたみたいだけど、この矛盾はどういう扱いになるのだろうか。
前回アーリア人は武力でもってインドを征服したわけではない。と書いたけど、それでも勝手な身分制度を作って好き放題にしてるのはどうなんだ?
と思った。
何千年も経った今でも続いていることを考えるとある意味武力よりもタチが悪い気がする。
被差別側の人はそれでも梵天を信じるのだろうか。そのメンタルはどうにも理解しがたい。


次回は「仏教哲学の世界観 1-5
バラモン世界における仏教発生の経緯。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?