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神様に嫁さんを寝取られてシングルファーザーになった話 その11

こんちわ。
東京で映像クリエイターをしているKENと申します。
先にお断りしておきますが、このnoteは自分自身のメンタル上のリハビリを目的としています。
認知行動療法とかいうやつじゃないかと思います。

離婚と出家が不可避となり、養育費と財産分与も固まり、あとは離婚届を提出するだけとなった。

僕の抵抗も虚しくトントン拍子に事が運び、妻は着々と出ていく準備をすすめている。
残された僕(と娘)は今後の事をどうしたらいいのかわからなかった。
仕事のこと、お金のこと、育児のこと、そしてなにより妻がこんな事で出ていくことが信じられなかったし、悲しかった。



兄に相談してみる

こんな困ったことになるとは予想もつかなかったので僕はどうしたらいいのかわからなかった。

精神的にも非常に落ち込み、誰かの助けが欲しかった。

そこでこの状況をどうしたらいいのか色々な人に相談した。
病気の手術も控えていた両親にはとても相談できないので兄には話した。

兄は絶句していたが、一言「あまりに身勝手すぎる」とだけ言った。
兄は未婚で結婚生活の経験も無い。そして一番は高齢な親の面倒も見ているのでそれ以上は相談できず、とりあえず両親に事情を話せるタイミングを見計らうようにお願いした。

僕としても病気で弱っている親、特に母親にはとても言えない。父親は母親と一心同体?一蓮托生みたいな関係だから、話すと当然母親にも伝わるだろうからまだ言えない。
母親は過去にうつ病を患っていた経験があるし、なんとしても心配させる状況にはしたくなかった。

しかし、この判断は今思えば悪い結果をもたらすことになったと思っている。

友人に相談してみる

次に友人にも相談した。

学生時代の友人は秋田と福岡にそれぞれ離れているので面と向かって話すことはできないが、それでもzoomやLineのビデオチャットで話を聞いてもらえた。

反応は怒りを通り越して呆れた様子だった。
「そうなる気がしていた」とか「あまり好きではなかった」とか言っていた。
でも、こういうドラマチックな状況を面白がってるよね。
うん。君等はそういう奴らだよね。わかるよ。

僕自身とても困ってしまっていたし、怒りや悲しみや途方に暮れる部分はあるのだけれど、心のどこかで俯瞰的にこの非日常的なシチュエーションに面白・・・もとい、興味深いと思う所もある。
だって普通ないでしょう?「出家したい。だから家族捨てます」なんて。

瀬戸内寂聴さんだって、不倫し、家族を捨てた後で最終的に出家してるわけだから。
それを出家の為に家族を捨てるってどんなショートカットだよ!?
と、面白がってしまう部分もある。

僕にはたまったものではないけれど、こうしたシニカルな笑いにしてくれる友人は有難いと思う。

他には離婚経験のある友人にも相談した。
この友人は女性だけど、こちらは調停離婚でもっと泥沼化してた話を聞いてしまい、ゴメン・・・と思ってしまった。

お互いの相性が悪く、ケンカして憎しみ合って離婚、っていうのはかえってストレートに整理がつくのかもしれないなあと思った。

お悩み相談に電話してみる

弁護士相談や養育費相談などもあったけど、精神的にも参っていた僕は公的な「こころ」の電話相談にも聞いてもらうことにした。

ネットで調べると、ものすごい数の電話相談窓口がある。
それぞれの相談窓口の情報をひとまとめに検索できるサイトも厚生省が用意していた。


いのちSOS」「よりそいホットライン」「いのちの電話」「こころの健康相談統一ダイヤル」「東京都自殺相談ダイヤル」「東京いのちの電話」「東京自殺防止センター」「いのちの山彦電話」・・・
さらにDV被害者や子供の相談窓口、女性の相談窓口などそれぞれのカテゴリー別、地域別に数え切れないほどに悩みの相談窓口がある。

それだけ世の中には悩み苦しんでいる人がいるということなのだろうか?

ところが。

電話が繋がらない。
片っ端からかけてもどこも繋がらない。

「ただいま回線が混み合っており・・・」と何度聞いたことか。

それだけ世の中には悩み苦しんでいる人がいるということだった。

粘り強く電話をかけ続けて、いくつか相談に乗ってもらったが、
僕の場合はすべて「どうにもならない」だった。
こういうのは基本的に「話を聞く」だけであり、具体的な解決策は持っていない。
もちろんDVだったり差別などがある場合は相談を聞いた上で、対策が取れるしかるべき組織に誘導してくれるのかもしれない。
たとえば警察やシェルターだったり、法テラスだったりだ。

メンタルな問題があって相談をしていても、医療行為やカウンセリングができるわけではない。

だからこの記事を読んでいる人がいて、どうにもならない悩みを抱えている人がいたら気をつけてほしい。
この手の相談窓口はアテにならない。

でも、孤独に悩んでいて誰にも話せないことだったり、言葉にして話すことで心に整理がついて1ミリだけ前進できる可能性はある。

あと、電話相談を受けてくれる人も人間なので色々な人がいる。
「よりそいホットライン」ではすごくめんどくさそうに対応する感じの悪い人もいたし、調べて折り返すと言っておきながら音沙汰のない人、途中で電話を切っちゃう人もいた。

とはいえ、僕はこういうサービスを責める気はなくて(ぞんざいな扱いをされた時はキレそうになったけど)いつだってフル回転状態で相談者が殺到しているのだから正直いって完璧な対応なんて不可能だ。
それが上記の数え切れないほどの相談窓口の数も証明している。

まったく、こんなに悩み苦しみが渦巻いてる世の中じゃ、
僕でも出家したくなってくる。


SNSに相談してみる

SNSといってもFacebookとかTwitterじゃなくてQuoraというQ&Aサイトに相談…というか質問という形で聞いてみた。

Quoraはアメリカ発のSNSで各分野の専門家が答えてくれる(ことが多い)精度の高いサービスだ。
基本実名制で(最近匿名もオッケーになったけど)信用を担保しながら回答を貰えるので某知恵袋よりは遥かに学術的で信頼度が高い。

ここで僕は

「妻が5歳の娘を捨ててあるヨガ団体に出家しようとしています。どの様にすれば離婚や出家を思いとどませることができるでしょうか?」

という質問を立てた。

精神科のお医者さんを始めとても人生経験の豊富な有識者の方々から回答をいただいて、とても為になった。為になりました。(言い直した)
かなり濃密に回答をいただいているので興味がある方はぜひ読んでもらいたいと思う。

回答の傾向を見ると

  • 危険なヨガ団体だ。しかるべき組織に相談を

  • 人は人。奥さんを変えることはできない

  • あなたが変わればよい

  • 愛情が足りなかったのでは?

  • 子供のことを第一に考えよう

  • 奥さんの気持ちもわかる

  • 仮に引き止めても余計にひどいことになるかも

という回答が多かったように思う。
耳に痛い回答も多かった。

当時はあまり気にしていなかったけれど、
小聖は山で悟り、大聖は里で悟る
という精神科の先生の言葉はそうだよなぁと僕も思った。

妻の兄弟に相談してみる

妻には二人の弟がいて、上の方は早くに結婚していて、お子さんも三人いる。つまり僕の娘には三人の従兄弟がいるわけだ。
下の弟は結構年が離れていて(10歳ちょい?)現在まで独身だ。

彼らには妻の方からどこまで事情が伝わっていたかは覚えていないが、
彼らの父親の死去から1ヶ月と少し、つまり四十九日の時に会って話した。

上の弟は驚いてはいたようだが、あまり何も考えていない様子だった。
下の弟は激怒していて、もう家族とは認めないとも言っていた。

これは彼らにも難しい話だったと思う。
単に夫婦仲が悪くて離婚というなら、妻の弟達は妻の味方をしていただろう。家族なのだから当然だ。
しかし、こと今回の話は明らかに彼女のワガママなわけで、僕の娘の存在もある。しかも娘を彼女は手放す。

彼らは僕の方を受け入れた。
僕の娘の事があるので姉の不始末に責任を感じているようだった。
離婚しても僕のことを兄として扱うとまで言ってくれた。

ちなみに母親、つまり妻の母で僕の義母は・・・
妻を咎めるような事はしなかった。
この背景には妻の過去の問題が大きく絡むのでここでは割愛。。。

色々な反応

ここまで書いた通り、家族・友人・公的機関・SNSなどで相談をしてきた。
結局僕は妻を説得し、離婚と出家を止めることはできなかった。
けれども、この問題が(部外者からであっても)色々な視点があることが分かった。
そしてやはり異常事態であることもわかった。
当然だけど。

相談に乗ってくれた人が男性の場合は
元妻に対して異常だとか、ヨガ団体がカルトであるとか、弁護士に相談すべき、などなど結構攻撃的な反応があった。
ヨガ団体のことを色々調べようとする人もいた。

逆に女性の場合は
彼女を何が追い込んだのか?愛情は足りていなかったのではないか?
とか、彼女に怒ってはいけない、など比較的同情的な反応があった。

どちらも一貫していたのは「娘さんを大切に」だ。

それは言われるまでもない事だ。
だけど、ね。


困った時の相談は色々あれど、
基本的に第三者にはなんの責任もないので
言いたいことを好き勝手に言う。
これは当然の事だ。

でもその時の僕は結局孤独感に襲われていた。
それほどまでにこの状況が苦痛だったのだ。


彼女の実家との関わり方は現在進行系で悩まされている。
シングルファーザーとしてやっていくには彼らの協力は不可欠なのだが、いまだ状況を消化しきれていない僕は複雑な気持ちで今後の行動を考えている。

だからこそ、こうして文章に書いて
自分のなかの整理をつけようとしているのだ。


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