見出し画像

ZINE、リトルプレス、自費出版を書店で売りたい人のためのnote

※このnoteは、あくまで書店に置いて欲しい、書店で売りたい人向けのnoteです。
ZINE作り方などの詳しいHOW TOは載ってません。

書店員をやっていると、ZINEやリトルプレス、自費出版の取り扱いをして欲しいと、問い合わせや持ち込みをしてくる人がとても多い。

売り込みの多い書店で働いている書店員が、ここを押さえると、置いてもらえる率高くなる。ちゃんと目を通してもらえる率が高くなる。ということを書いていこうと思う。

小規模の個人のお店も、大規模なお店も、前提として書店員さんたちは、忙しそうにしている。ZINEを置く古書店もだし、独立系書店も、中規模の新刊書店も、みんな仕事が多い。
接客や品出し、事務作業、古書店なら仕入れや値付けの間に、個人の作るZINEの売り込みを対応して、店に合うか判断している。
自分も含めて、書店さんたちの対応時間をなるべく減らしたいし、お断りのメールや言葉をかけるのも減らした。そんなお互いのコミュニケーションの齟齬を減らしたいと思いこのnoteを書こうと決意した。

ZINEやリトルプレスを書店に売り込む前に

前提条件:その出来上がった本は、お店に並ぶことを考えて作りましたか?

スーパーに行ったときを想像してみてください。
店頭に並ぶ野菜やフルーツには、大きさや色味などの規格があって、ある程度の見栄えというものを重要視されている。
それは、一般流通する書籍はもちろん、ZINEやリトルプレスなども同じだと僕は思っている。
買う(読む・見る)動機になるもので、青いトマトよりも真っ赤なトマトを手に取るのと同じ行為。

もちろん、農家の直売所のように、自分のオンラインストアで売ったり、文フリやコミケ、アートブックフェアなどで本を手売りする場合は、見栄えや規格は必要無い。味で勝負すればいい。

前提として、販売をするならお店に並ぶことは意識して作って欲しい。デザイン、製本、価格などなど。
当たり前だけど、どんなZINEや本が本屋さんで並んでいるか、売り込む前に、作る前にちゃんと調べて欲しいなって思う。

あと、文章や写真、イラストがもちろん面白い。興味深い。楽しい。などの表現のクオリティも当たり前だけど、必要!!

そんな前提条件を踏まえて。

▶︎どんな本が売っているかお店で調べた?

どんなこともリサーチが大事。どんなデザイン、どんな写真、どんな文章のものがお店で売られているのか、取り扱いしてもらってるのか。ZINEやリトルプレス、雑誌、書籍を調べるのは大事。
こんな本が作りたいな、ここ部分いいなっていうのが出てくるはず。

▶︎いきなりZINEや本を作ってない?

ZINEを作りたい!って思う人はたくさんいると思うけど、やっぱり最初はいきなりZINEではなく、まずはデザインのベーシックの型を学んだり、ブログを書いてみたりと、スポーツと一緒でひたすらの練習しよう。
A4サイズの1ページをデザインしたり、見開き2ページのものを作り徐々にステップアップしてく。
デザインソフトや印刷の基礎を学ぶのは大事!

個人的には、デザイナーさんやデザインが出来る人にお願いするという手が1番いいと思う。

▶︎文字はちゃんと読みやすい?

いくらいい文章でも文字サイズが小さかったり、意図がないのに大きいものは読みにくい。また、写真の上に乗せた文字が色のせいで読めないことも多いので要注意。

▶︎文字はジャスティファイ(両端揃え)してる?

特にエッセイや小説などの読み物で重要なのは、文字の最後の端を揃える「ジャスティファイ」。
これが出来てない人が本当に多い。せっかくいいのに読みにくいってこともよくある。

パワポで文字を左揃えと、両端揃えをやってみるといい。見比べると、左揃えは文字の最後がガタガタのに対して、両端揃えは揃っていてめちゃくちゃ読みやすいし、美しい。
デザイナーやDTPをやってる人は当たり前にやっているが、これは文章を作る、読む上で重要。

▶︎画像データはRGBからCMYKに変換した?CMYKで色味調整した?

写真集のZINEを持ってくる人でありがちなのが、画像データをレイアウトして印刷しただけのZINEを作ってくる。
モニタで見ている時の色味・RGBのまま印刷してるから、色味が悪くなってる。印刷用のCMYK変換にしてれば、色味が悪くなることも少ない。
さらに写真が主役である写真集なのであれば、CMYKにしたら色味を必ず調整して欲しい。
あと、写真集なら紙や印刷方法、トリミング、レイアウトもちゃんとこだわって欲しい。

▶売るだけの冊数を作りました?

売るとなったときに必要なのが、ある程度まとまった在庫。
書店側がいざ置きたいとなっても、実は5冊しか作ってないと言われると、本当に売る気があって売り込みに来たんですか?と言いたくなる。
もし、ちゃんと売ることを見越して制作するのであれば、最低でも50部くらいは作って欲しい。もちろん、最初は20部程度で、売れたら増刷という手もあるが。

書店の仕組みについて勉強しよう

書店、出版業界には独自のルールがある。
ここで書くのは大変なので、内沼晋太郎さんの「これからの本屋読本」を読むと勉強になる。
ちなみにnoteで全部読めちゃいます。

◆掛け率とは?

ここから先は

3,396字

¥ 250

いただいたサポートは、雑誌・書籍の購入使わせていただきます!!