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試用期間中に解雇される

前回からのつづきです。

解雇通告を受けた翌日から、
会社に出社しないで転職活動を始めます。

運よく、すぐに仕事が決まりました。

会社の業務内容は、出版社が出資して
作った本の販売会社になります。

本の業界では問屋を取次というのですが、
出版社はまず取次に本を納めて
そこから各書店に流通されるという
仕組みとなっています。

つまり、取次を通さない直販です。

また、親会社である出版社の本だけでなく、
他社の本も扱っていたので取次も兼ねて
いました。

仕事内容は経理ではありましたが、
取引先の仕入管理を担当。

前任者が辞めるので、その引継ぎとなります。

引継ぎをするにも、元々会社が嫌で
辞めるので、親切丁寧に教えてもらう
なんてことは皆無でした。

それと前任者が女性とあって、
色々とやりづらかったです。

面接の際、ワープロで簡単な文字入力が
打てる程度のスキルがあれば
問題ないとのことでしたが
実際は違っていました。

「ロータス123」という「Excel」と同じ
表計算ソフトをメインとした仕事となります。

委託先の倉庫会社から出荷した明細の伝票が
毎日届き、「VLOOKUP関数」という関数を
用いて数量を入力していくというもの。

よく事務系の求人で「Excel」が使える人という
募集を目にします。

人によって捉え方が違うので
一概に使えるといっても幅がとても広いです。

例えば、セルに数字を入力して、
簡単な集計ができるレベルから
マクロやVBAが使えるというレベルまで
様々です。

その際にこれくらい使えれば問題がないと
指標にしているのが「VLOOKUP関数」を
使いこなせることを判断基準にしていると
聞いたことがあります。

「VLOOKUP関数」が使えるという事は
ある程度の経験が求められている事が
わかるかと思います。

しかし、私のスキルはワープロはできますが、
パソコンはほぼ使ったことがないに等しい
状態でした。

なので、面接を担当した社長と専務は
詳しい業務内容を全く理解していなかった
といえます。

完全に雇用のミスマッチです。

また、この社長と専務というのが曲者で、
私が会社に入って3日目に会社の金を
使い込みをしていたことが発覚し、
臨時の株主総会を開き退任となったのです。

2人がいなくなったことで、状況は一変します。

そもそも彼女が会社を辞める理由も
社長や専務と相性が合わなかったからだと
いうことがわかってきました。

社長と専務が退任されたことで、
彼女にしてみれば辞める理由が
なくなったわけです。

そうしますと、私の存在が邪魔に
なってきます。

彼女は根回しをして、
私を追い出そうと画策をします。

彼女は自分の存在が会社に必要であると、
新しい社長にアピールします。

会社を辞めることを撤回し、ちゃっかり
管理職の地位を手に入れました。

私はまんまと彼女のダシに
使われたわけです。

そして、3か月の試用期間が切れる前に
解雇となりました。

              (つづく)

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