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伊勢神宮への旅②

今回の伊勢神宮への旅行は
ツアーで参加した

移動のことは何も考えず
ツアーのプランに身を任せるのが
とても良い選択だなと思えた

豊橋駅に着くと
ツアーガイドさんと
約30人程のツアーの参加者で
ひとつの輪になって
挨拶を交わし説明などを受けた

あきらかに自分は異質な存在で
輪の中で大きく浮いていた
でもそんな事は生まれてから
ずっと続いてる事なので
居心地の悪い感覚にはならなかった

豊橋駅は何とも言えない
哀愁を解き放っていた
言葉には表現できない
胸がフホっとなる
柔らかい雰囲気だった

豊橋駅周辺の街並みを感じ
「三重県っぽくない」と母親に言うと
「確かにそうだね」と返答した

すると『豊橋は愛知県ですよ』
とツアー参加者さんに言われ
知識の無さがバレてしまい
親子2人で笑って誤魔化すという
お茶目っぷりを披露してしまった


観光バスの運転手さんは
ベテランの女性だった
とても人見知りが強そうな女性で
車内でのぎこちない挨拶に好感が持てた

バスでの移動中
色々な建物を眺め
色々な景色とすれ違った

この町で住み、働き、暮らして
日常を生活している人がいる

そんな当たり前のことに
とても感動してしまった

人間の生活って素晴らしいと思えた
人間が生活をするって素晴らしいと思えた

✳︎

昼食をとるために
サービスエリアへ向かった

ツアーガイドさんは愛知県の出身で
これから行くサービスエリアは
愛知県では知らない人はいない
それくらい有名な場所だと言っていた
半信半疑でサービスエリアへ向かった

大きな観覧車の円が聳え立っていて
バスの中から身を乗り出してしまった

今まで色々なサービスエリアへ行ったけど
ここまでの迫力は初めてだった

フードコートで昼食をとることに
正直、フードコートは苦手だった

人で溢れ、殺伐とした雰囲気が苦手で
そんな場所で、ご飯を食べたいとは
1ミリも思わないからだった

しかし、ここのフードコートは
東京のような殺伐した雰囲気は
まったく感じなかった

人は多かったけど柔らかい雰囲気だった
こんなにも違うものなのかと不思議だった

たぶん地域性の余裕から滲み出る
人柄がそうさせてるのだろうと思った

名古屋メシを両手に持ちながら
フードコートで空いた席を探していると
「ここ空いてるよ〜」
小さな女の子が声を掛けてくれた

7歳の女の子と4歳の男の子の兄弟だった
4人掛けテーブルの席を空けてくれた

そんな事で4人ひとつのテーブルで
昼ごはんを食べることになった

とても人懐っこい女の子は
たくさん会話をしてくれた
母親も嬉しそうに話をしていた
男の子と自分は黙ってそれを聞いていた

「これ私が注文して私がお金を払ったんだよ」
『凄いね〜1人で出来たんだ』
「お刺身の下にある白いやつも食べれるんだ」
『大根のつまも食べるなんて大人だね』
「うん。弟はまだ保育園だから食べらんない」
『お父さんとお母さんは?』
「スーパーで買い物してる」
『ここスーパーなんてあるの?』
「あるよ。このリボン可愛いでしょ」

女の子と母親はずっと喋っていた
その時間がとても心地良かった
この優しい瞬間を閉じ込めて
大切に持って帰りたいと思った

この幸せがずっと続けばいいなと思いながら
黙々と味噌カツ丼を食べて幸せを噛み締めた

すると、お父さんとお母さんが迎えに来た
「これ私が注文して私がお金を払ったんだよ」
女の子は嬉しそうに言って
お父さんに頭を撫でられていた

男の子の口の周りには味噌カツの
味噌でベタベタになっていたので
お母さんがそれをティッシュで拭いていた

なぜか背中にも味噌が付いていて
その場にいる全員で笑ってしまった
すべてがとても愛おしい時間だった

素敵な家族の時間を
邪魔してはいけないと思ったので
黙って手を振ってサヨナラをした

旅での偶然の出会いは
素晴らしいなと思えた
この出会いだけでこの旅に来てよかった
そう思ってサービスエリアを後にした

✳︎

今回はここまでです
次回は熱田神宮へ行きます

《サービスエリアあるある》
男子トイレを清掃してる、おばちゃんの存在
みんな暗黙の了解で無いことにしがち

それではまたCiao!

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