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■農業 半農半医を実践しています

半農半Xというライフスタイルが近年注目されている。

農業には昔から興味はあった。この興味は、祖先が桃の農家であったことから来ている。他界した父親が、都会のサラリーマンを早期退職して農家に転身したことも大いに影響を受けているだろう。父親から受け継いだ畑から遠く離れて暮らし、手をつけずにいることの心残りもずっとあった。

いま考えれば、その心残りを少しでも振り切ろうとして農業を実践してみたかったのだろう(その点では、父親もそのような心残りがずっとあったに違いない)。

思っているだけでは何も変わらない。田舎に移住したことをきっかけに、半農半医を自ら実践することにした。地域とのつながりも深められるはずだ。とにかく移住して間もなく地域への愛着心が止まらないのだ。「診療」という形で出会う住民の方々がどのように暮らしているのか自ら体験して、農作業の大変さを共感できる域に達したいとも思うのだ。

さらに、ここでの半農半医とは、農業と医業の兼業にとどまらない。医業や研究の手法を用いて農業と医業の接点を広げる実証実験をしていく。既にいくつかの事業が動き始めている。これからが楽しみだ。

医業の駆け出しではsee one, do one, teach oneと習う。つまり見様見真似で始めるのである。農業も同じである。但し、いまは見習いどころか、おんぶに抱っこの状態である。そんな出来の良くない生徒でも、先輩たちは温かく見守ってくれて本当にありがたいことである

作物はどんどん大きくなる。それとともに芽生えるのは、人びとや大地とつながっているという実感である。生きていながら生かされているのだ。この想いを大切に育んでいきたい。



参考:半農半Xについて

"半自給的な農業とやりたい仕事を両立させる生き方を、私は「半農半X」と名づけて提唱している。自ら米や野菜などの主だった農作物を育て、安全な食材を手に入れる一方で、個性を生かした自営的な仕事にも携わり、一定の生活費を得るバランスのとれた生き方である。お金や時間に追われない、人間らしさを回復するライフスタイルの追求でもある。いわばエコロジカルな農的生活をベースに、天職や生きがいを求める生き方だが、私は天職、生きがいに社会的な意義を含ませている。一人ひとりが「天の意に沿う持続可能な小さな暮らし(農的生活)」をベースに、「天与の才(X)」を世のために活かし、社会的使命を実践し、発信し、まっとうする生き方だ。小さな暮らしとは、たとえどんなに小さな市民農園、ベランダ菜園でもいいから食糧を自給していくシンプルなものである。"

「半農半Xという生き方〔決定版〕」塩見直紀著 ちくま文庫p26−27






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