見出し画像

なぜ社長が新事業・新商品開発を自ら進めないといけないのか

先週、中小企業の経営コンサルタントとしてカリスマ的存在であった一倉定先生の「一倉定の社長学 第4巻 新事業・新商品開発」を読んでみました。この「一倉定の社長学」は、各巻とも具体的な事例が豊富であり、また本質的なところで現代でも通用することが多く、いつも学び多いものです。
 
本巻は「新事業・新商品開発」がテーマですが、一貫して書かれていることは新事業・新商品開発の展開にあたり、社長自身が先頭に立ち、直接お客様や得意先様の声を聞いて、事業・開発を進めることの大事さです。新事業・新商品開発を担当部署に任せきりにするのNGなのはもちろん、外部の経験者を雇って任せきりにするなんてもってのほかでNGです。
 
ちゃんと社長自身がお客様の声やニーズを直接把握し、それに対応する新事業・新商品のことを考え、その開発・展開まで「文字通り」踏み込んでいくことが求められるのです。
 
なぜ新事業・新商品開発の展開は社長自身が先頭に立ち、進めていかないといけないのか。私の考えとしては2つあると思います。
 
1つ目は、社長が経営において最もリスクを負うことができ、チャレンジできる立場であることです。既に事業リスクもチャンスも明確な既存事業・商品に比べ、新事業・商品はリスクもチャンスも事前には見えません。事前に見えなかったリスクやチャンスがみえた時に、責任をもって考えて、実行できるのは社長だけなのです。
 
2つ目は、会社の発展に対して最も必死であるのは社長であるべきだからです。新事業・商品というのは、既存事業・商品だけでは発展できないという問題意識から生まれるものです。企業を将来に引き渡していく責任は社長にあるとするなら、この問題意識をもっとも強く持つのは社長であるはずです。
 
本書は50年近く前に書かれたものですが、新事業・新商品開発に対して社長が取るべき姿勢はなんら変わっていないと考えます。会社全体のリーダーである社長が新事業・新商品開発に踏み込んでいるのか、注意して気をつけたいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?