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議論が活発になる組織文化とするために

時々、企業様などのミーティングにおいて、発表者が発表するだけで、その発表に対してよりよくするための提案がないのはもちろんのこと、必要な確認、質問も本当に最小限という状況にあうことがあります。
ミーティングで発表を聞くと、「これはどうなっているのだろう」、「それはこうした方がいいんじゃないの」と思い、すぐに発言する不肖の私なんかは、そういう状況に出くわすと、「なんでこんなに質問や提案がないのだろう?」とどうしても感じてしまいます。
 
しかし、こうしたミーティングの参加者の人たちにとっては、そうした状態が通常になっていたりして、別段何かおかしなことでもなかったりするのです。
その原因として、
①組織文化として、活発な議論が行われる土壌を失っている
②組織メンバーが発表を深掘りするスキルに課題がある

の2つが大きなものとして考えられます。
 
ここではあえて①にフォーカスします。
なぜなら、①の土壌があれば②が解決され次第議論は活発になるものの、①の土壌がなければ②が解決されても議論は活発にならないからです。
むしろ、①の土壌がなければ、②が解決された時、組織メンバーのフラストレーションは高まるでしょう。
 
なぜ組織文化として、活発な議論が行われる土壌が失われたのか。これは色々な経緯や理由があると思うのですが、確認・提案すること自体が発表者に対して否定的なイメージがもたれやすかったり、組織のトップ自体がミーティングでの議論を好まなかったことなどが考えられます。
そんな状況が続いているうちに、ミーティングとは発表者が発表するだけの場であることが、もはや組織の文化にまでなっているのです。
 
実際、こうした組織にしか所属していないと、比較的若い世代であっても、現状のミーティングのあり方に問題提起されてはじめて「ミーティングでもっと突っ込んで質問、確認したり、提案してもよいのか」と感じられることもあるそうです。
これでは、個別の取組みを万全なものや、よりよいものにするための組織の知恵や経験が活かせるとはいえません。
 
この組織文化を変えるためには、リーダーの姿勢、行動が大事になります。具体的にはリーダー自身が発表に対して確認、提案を行うことはもちろんのこと、発表者以外のメンバーに対しても、よりよくするための確認や提案を行うことを促すことです。その際、そのことが発表自体を否定しているのではなく、よりよくするためのものであることを発表者にも伝えるのです。そうすれば、「ミーティングの場でもっと突っ込んだ質問や提案を行う」という組織文化が徐々に作られるはずです。
 
日本はどうしても同調圧力に流れやすい風土もあるので、油断していると活発な議論を行う文化が失われてしまいます。意識的に議論が活発になるように仕掛けることもリーダーの大事な役割です。

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