マガジンのカバー画像

素敵なクリエーターさん達の作品をお勧めしたいマガジン

59
私の心が素直に動いた、他の方の素敵なお勧めしたい作品の掲載。 最近は、作者の方にきちんと許可を得て掲載してます。
運営しているクリエイター

#スキしてみて

【詩】旅に出る

鳴く鳥の 声に誘われ開けた窓 日陰の風がひんやりと 半袖をすり抜ける ありふれた毎日に 心が小さくなっていく 見慣れた景色しか 見えない心になっていく 暖かさの余白さえ いつの間にか気付けずに やさしさの延長さえ いつの間にか気付かずに 大切なものを失くす前に もっと私を広げたい 今日をただ待つのではなく 今日を感じる旅に出る

【詩】くらげ

世間を泳ぐ 何度か波に沈みながらも 本当は ぷかぷか浮かぶ くらげみたいに ただ身を任せて 漂いたい #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】嫌い

嫌い という二文字は たったのこれぽっちで 人を 泣かせることが できる なんと 豪華な捨て台詞であることか なんと 痛々しい響きであることか それだけで 血にまみれる廃人が うようよしていることを あろうことか 当に放し飼いしている君は 知らぬまま 嫌い という二文字は たったのこれぽっちで 人を 死に追いやることが できる なんと 効果的な技であることか なんと 原始的な武器であることか それだけで 人生をさまよう人が 数多となくいることを まさかまさか

【詩】堤防にて

防波堤の突端で猫と一緒に 波の浮き沈みを くつろぎながら 眺めている 隣で魚を釣っているおじさん 小魚を釣ると 猫の前に置いて 美味しそうに 猫は魚を食べる 釣り人がくれる魚を のどかな空気の中で 猫は毛づくろいをして 昼寝をして 気長に待つ サンダルを持って ゆっくりと歩いていると 猫もまた 後ろを追いかけるように ゆっくりと歩く 都会の喧騒はそこにはない 汚れたとは言わない ズルくなったとも言わない ただ都会の生き方に 慣れてきただけ 無邪気だったあの頃 都会

【詩】銀河系

止めてしまえば楽なことを 僕はなぜ続けているんだろう 追い立てるのは 人ではない 時間でもなければ 考えてみれば 僕は追い立てられていない 誰からも 自分からも 追い立てられなければいけない世界 追い込まれる世界 追い込む世界 追いつめる世界 人工的に出来た円の中で 喜び悲しみ つついて笑い泣かせても 見てるだけ 僕はそれを黙って見ている 円の中を 重みを得た球は円の外に はじき出される 球の重さなんて人それぞれで きっとかまわない 円の外に出そうな男の子を

【詩】煙立つ

炭焼の煙立つ空  夕暮れの 冷える体に湯吞かな #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】偽り

いつも自分に嘘をついて 周りに流されながら 仲間外れにされないように 空気を乱さないように いつも自分を裏切って 周りに合わせながら 風に飛ばされないように 投げ出されないように 「にせもの」の自分と 「ほんとう」の自分 慎重に選んで 倒れないように 自分を支える #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】感情制御

浮き沈みの激しい感情を制御して 何に抗うのでもなく 「普通」のふりして生きている #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #日常 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】確かめる

どうぞ一人にして どうぞ一人にしないで ありがとう ケーキに恋と飾って 雨のように降る好きの数 嬉しいのに時々空虚になる 本当に欲しいものは違うけど 似ている そう 似ている 好きの押し売りは 嫌いじゃないけど 自分の本当の気持ちが わからなくなる そうしてるのか そうされてるのか 自分の気持ちさえ曖昧 そうかもしれないと 圧力でもない 強力な思いが迷わせる たくさんの好きが 愛と結びつかない 欠損した何かの 代わりのモノ 欲し

【詩】二人

寄りかかって来る やわらかい暖かさに 安らぎを 寄りかかりながらも 失くさない気遣いに 真心を そんなものを 与えてくれる存在に 頼っているのは 私のほう きっとあなたも同じかな そういうのが一番良い

【詩】秋の狭間

小春空  季節の谷間の 風薫る 雲のすき間の まだ暖かな陽 狭間に想う人の影 #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】させない

こんな言葉を見るとは LINEの文字にキエタイの文字が浮かぶ 即答するほど簡単ではない 冗談の雰囲気はない 笑って済ませる問題じゃない 間のあいた返事 もう一度見る メッセージは消去 見なかったことにする 君の心は荒れ狂う涙じゃなく 何かを諦めた凪 一億キロメートルの距離 僕が出来ることは何だろう 途切れることないメッセージ 垂れ流してると言われても 続く返信 進む時間で疲労が 自分では取り除けないほど 張り付き 耐えられなくなり スマホを壁に投げつける

【詩】前髪

少し伸びた前髪を切る 前が見えにくいから ついでに遠くの明日も 見えるようにならないかなぁ #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に